FRBは今週の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後、参加者の政策金利見通しを公表。23年末の水準は5.00〜5.25%とし、市場予想を上回る利上げをシナリオを示した。さらにニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁は16日、米メディアのインタビューで、政策金利を景気抑制的な水準で維持する必要性を強調。政策金利見通しを上回る可能性にも言及した。
ただ、取引終了にかけて相場は下げ渋った。16日は株価指数と個別株の先物・オプション取引の清算期限が重なる「クアドルプル・ウィッチング」だった。「建玉(未決済残高)整理の動きが不安定な値動きにつながった」との指摘があった。
景気悪化による個人消費の低迷が懸念され、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスやスポーツ用品のナイキなど消費関連株の下げが目立った。ハイテク株も売られ、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルが下げた。米原油先物相場の下落で石油のシェブロンが下落し、ゴールドマン・サックスなど金融株も安い。
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比105.112ポイント(1.0%)安の1万0705.414で終えた。電気自動車のテスラや半導体のエヌビディアの下げが目立った。一方、アナリストが投資判断を引き上げた交流サイトのメタプラットフォームズは上昇。前日夕に発表した四半期決算で1株利益が市場予想を上回ったソフトウエアのアドビも大幅高となった。
【シカゴ日本株先物概況】
16日のシカゴ日経平均先物は続落した。2023年3月物は前日比325円安の2万7280円で引けた。
米連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げによる景気後退懸念が強まり、続落した。
同日の米株式相場が下落し、日経平均先物にも売りが波及した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27280 ( -190 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27300 ( -170 )
※( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
16日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日に比べ94.05ポイント(1.27%)安の7332.12で引けた。米欧の中央銀行が金融引き締めの継続や制約的な政策を維持する姿勢を示す中、世界的な景気への懸念が強まった。エネルギーや資源、資本財など景気敏感株を中心に売りが出た。指数構成銘柄の9割が下落。
個別では、学生向け住宅の開発・運営を手掛けるユナイト・グループとオンライン食品販売オカド・グループが4.6%安、英プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループと資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループが4.5%安と下げが目立った。一方、金融大手スタンダード・チャータードは2.0%高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
16日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前日に比べ93.16ポイント(0.67%)安の1万3893.07で終えた。欧州中央銀行(ECB)の金融引き締め継続とユーロ圏の金利上昇による企業業績への下押し懸念から、ヘルスケア株や化学株など幅広い銘柄に売りが出た。
個別では、不動産大手ボノビアが8.2%安と急落したほか、製薬会社サルトリアスが4.2%安、同業バイエルが3.8%安。半面、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は2.2%高、スポーツ用品大手アディダスは2.1%高、ドイツ銀行は2.0%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は1.08%安だった。
ユーロ圏や英国の弱い経済指標も、景気の先行き懸念につながった。