米労働省が朝方発表した11月の卸売物価指数(PPI)は、前月比0.3%上昇となり、市場予想を上回った。前年同月比では7.4%上昇と前月から鈍化したものの、「依然として、高水準が続いている」と受け止められた。
長期金利上昇で株式の相対的な割高感が意識され、ダウ平均は取引終了にかけて下げ幅を広げた。PPIを受け、13日に発表される11月の米消費者物価指数(CPI)でも根強いインフレ圧力が示されるとの警戒感も売りを誘った。
このところ比較的値持ちの良かったディフェンシブ銘柄が下げ、バイオ製薬のアムジェンと医療保険のユナイテッドヘルス・グループが安い。原油安で石油のシェブロンの下げも目立った。半面、今週に下げのきつかった映画・娯楽のウォルト・ディズニーや顧客情報管理のセールスフォースは買い直された。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比77.386ポイント(0.7%)安の1万1004.617で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムやネット検索のアルファベットが下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
9日のシカゴ日経平均先物は続伸した。2023年3月物は前日比65円高の2万7775円で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ長期化への警戒感が強まり、3日ぶりに反落した。同日の東京株式市場で日経平均株価が上昇し、日経平均先物にも買いが波及した。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
9日のFTSE100種総合株価指数は小幅ながら4日ぶりに反発した。前日に比べ4.46ポイント(0.06%)高の7476.63で引けた。英政府が9日、金融サービスに関する規制改革を打ち出した。競争力の強化を期待する買いが金融株に入った。
個別では、指数構成銘柄の7割超が上昇。プルーデンシャル(3.0%高)やナットウエスト(1.8%高)など金融関連株が堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
9日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日に比べ106.16ポイント(0.74%)高の1万4370.72で終えた。中国経済の活動再開への期待が投資家心理を支えた。自動車株や小売株など消費財セクターが買われた。
個別では、メルク(2.8%高)やメルセデス・ベンツ(2.7%高)が買われた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.46%高だった。主要中銀の金融政策決定を翌週に控え、様子見ムードが広がる中、買いが先行した。