「まとめ」
今回の日経平均3万円乗せの背景。
PBR1倍への努力義務やバフェット効果などと言われ、政治面はあまり指摘されていない。
しかし大きな要素は「アメリカが反対しない日本経済の成長」と考えられる。
日米繊維交渉、自動車摩擦、半導体摩擦など過去は日本経済がアメリカ経済に危機感を与えると常にアメリカから押さえつけられてきたのが歴史。
今回は熊本にしても、千歳のラピダスの新工場にしてもアメリカは反対どころではなく後押ししている。
これは大きな変化。
そして岸田首相は特に経産省を通じて日本経済発展への投資を拡大している。
市場から見るとこれは大きな変化だ。
しかも5月31日にはMSCIの銘柄入れ替えや月末事情があったとはいえ東証プライムの売買代金が7兆円に迫った。
東京株式市場の長い歴史の中で過去最大。
これは超変化だ。
加えて7月1日からスタートする東証プライム150指数。
PBR1倍、ROE12%以上の銘柄だけで構成される。
トップウエイトはソニーだし、レーザーテックも入っている。
一方でトヨタやメガバンクは外れている。
その結果、時価総額が約350兆円。
PBRは2.6倍。
ROEは15%。
割安と言われていた東京市場にピカピカの指数が誕生する。
世界の見る目は大きく変わる。
その意味でこの先、衆院解散総選挙があり、与党が勝利するとすれば「超変化の加速」をかぎ取り株価は大躍進すると考える。
株式市場が求めているのは変化ということ。
勤勉節約の二宮金次郎に代表される江戸時代の経済概念は平成の思考法。
お金を使わず貯めることに専念。
そしてコストダウンこそ最大の美徳だった。
これが約30年にわたる閉塞感の原点だろうと思われる。
しかし、今求められているのは坂本龍馬のように「日本を今一度洗濯いたし申候」の概念。
彼らが求めた「万国公法」はグローバルスタンダード。
そして明治時代の「富国殖産」が令和の時代のテーマ。
御一新や維新などの単語で市場を理解することも重要だ。
「33年ぶり」という言葉で相場を見ない方が良いだろう。
この言葉はあくまで過去の呪縛の言葉。
今回の相場の起点は2012年12月のアベノミクススタート。
あるいは2020年3月のコロナ禍スタート時点と感がると、相場の風景は相当変わる。
「上がって下がって戻って」ではなく「上がり始めた」と映るに違いない。
バブル崩壊からの下落局面の時間軸をたどるのではなく、むしろ1987年→1989年の頃の足取りを検証した方が良かろう。
1985年9月のプラザ合意に端を発した株高は1987年10月にブラックマンデーで休憩。
しかしわずか3カ月程度で下落を埋め、1989年の高値に進んだのが歴史。
2013年にアベノミクスでスタートした相場は2020年コロナ禍での下げをほの3か月で取り戻した。
そして今へと至っているのが現実。
因みに日経平均の四本値が公表され公表値の更新頻度が1分毎になってのは1988年だった。
加えれば・・・。
日経平均採用銘柄のEPSは2190円水準。
あと50円程度で過去最高水準に迫ろうとしている。
大和のレポートの指摘は「月・火・金曜日が強いのは米投信資金流入の特徴」。
↓
今週も月曜日、火曜日と本日の金曜日が強い。
これは米国資金が日本株に強気の時の特徴だ。
米投信はネット発注の割合が高く、自ずと土日の間は平日よりも多くの資金流入がある。
土日の間に日本物の米投信に資金が流入すると、東京市場では月曜日から火曜日午前中頃に買いインパクトとなる。
ファンドマネージャーは金曜日の段階で今週も土日に入金が多そうだと判断すれば、
金曜日にも東京市場や米国上場の日本物のETF、CME日経平均先物で買いヘッジを行っている感がある。
過去9週間で、月・火・金曜日の日経平均はそれぞれ1度しか下落した日がない。
スケジュールを見てみると・・・。
【6月】(5勝5敗:勝率50%)
上旬は買い方針。中旬から買い警戒。夏至節を目途に売りに転ずべし。
2日(金)マネタリーベース、米雇用統計、アジア安全保障会議(シンガポール→4日)、変化日
4日(日)堺市長投開票、OPECプラス閣僚会合
5日(月)米ISM非製造業景況感、製造業受注、連邦債務上限Xデー、JPモルガングローバルコンポジットPMI、
天赦日
6日(火)家計調査、株安の日、6月最弱の日
7日(水)景気動向調査、米貿易収支、消費者信用残高、中国貿易収支
8日(木)1−3月GDP速報値、景気うォチャー調査、都心オフィス空室率、変化日
9日(金)マネーストック メジャーSQ、中国消費者・生産者物価、株安の日L
12日(月)国内企業物価指数、工作機械受注、米財政収支
13日(火)4−6月法人企業景気予測調査、米FOMC(→14日)、消費者物価、独ZEW景況感、
ゲーム見本市「E3](ロスアンゼルス→16日)
14日(水)米パウエルFRB議長会見、生産者物価、
「サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム」(ロシア→17日)、変化日
15日(木)日銀金融政策決定会合(→16日)、機械受注、貿易統計、第三次産業活動指数、
米輸出入物価、NY連銀製造業景況感、フィラデルフィア連銀製造業景況感、鉱工業生産、
対米証券投資、ECB理事会、中国各種経済指標、ゴルフ全米オープン(→18日)
16日(金)植田日銀総裁会見、「骨太の方針」閣議決定予定、NY連銀ビジネスリーダーズサーベイ、
ミシガン大学消費者信頼感、クアドラプル・ウィッチング、G7交通相会合(志摩→18日)、株安の日L、
FTSE日本指数パッシブ売買インパクト
19日(月)首都圏マンション発売件数、米NAHB住宅市場指数、奴隷解放記念日でNY休場
20日(火)米住宅着工件数、建設許可件数
21日(水)通常国会会期末、日銀金融政策決定会合議事要旨 上げの特異日
22日(木)米1−3月経常収支、中古住宅販売、英金融政策委員会、
ゴルフ全米女子プロ(→25日)、端午節(→6月23日)
23日(金)消費者物価、au自分銀行製造業PMI、米S&Pグローバル製造業PMI
24日(土)G7男女共同参画・女性活躍相会合(日光→25日)
27日(月)米耐久財受注、S&P住宅価格指数、 FHFA住宅価格指数、CB消費者信頼感
28日(水) e スポーツビジネス EXPO(→30日東京ビッグサイト)
国内最大級のスタートアップイベント「IVS」(京都→30日)、大幅高の特異日
29日(木)消費動向調査、米1−3月GDP確定値、EU首脳会議(ブリュッセル→30日)、
上げの特異日、変化日、東証REITCore指数パッシブ売買インパクト
30日(金)失業率、東京都区部消費者物価、米個人所得、中国コンポジットPMI、製造業PMI、6月最強の日
(櫻井)。