1日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前週末比46ドル73セント(0.1%)安の3万2798ドル40セントで終えた。
前週までの上昇で相場の短期的な過熱感が意識され、利益確定売りが優勢だった。
前週末までの3日間でダウは1000ドルを超える上げを記録したため、朝方から利食い売りが先行。午前に発表された7月の米サプライ管理協会(ISM)製造業購買担当者景況指数(PMI)は52.8と市場予想(52.1)を上回った。前月比小幅低下したものの、市場予想を上回ったことで買いが優勢となり、プラス圏に浮上した。
ただ、景気後退をめぐる懸念が根強く上値が重い展開。取引中盤以降は重要な手掛かりに乏しく、前週末終値を挟んでもみ合う状況が続いた。また、米中間の地政学リスクの高まりも投資家心理の重荷となった。
前週に決算を好感した買いで上げたハイテク株が利益確定売りに押された。ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルはともに4営業日ぶりに反落した。世界的な景気減速を意識した原油先物相場の下落を受け、石油のシェブロンが売られた。原油安になると売られやすい化学のダウと建機のキャタピラーも安い。
ペロシ米下院議長が2日に台湾を訪問する見通しだと複数の米メディアが報じた。実現すれば米下院議長として25年ぶりで、訪問に反対する中国との間で緊張が高まるリスクがある。警戒感から積極的な買いを見送る投資家も多かった。
航空機のボーイングが前週末比6%高となり、ダウ平均を下支えした。米当局が同社の主力中型機「787ドリームライナー」の納入再開に向けた検査計画を承認したとの報道が材料。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ株も総じて買われた。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前週末比21.712ポイント(0.2%)安の1万2368.976で終えた。検索サイトのアルファベットが下げた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムは上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前週末比90円安の2万7885円で引け、1日の大取終値を115円下回った。
米株が反落し、日経平均先物の売りにつながった。ペロシ米下院議長の台湾訪問の見通しが伝わり、米中関係の緊迫化への警戒感が広がった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27885 ( -115 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27905 ( -95 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7413.42(−10.01)
1日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前週末に比べ10.01ポイント(0.13%)安の7413.42で引けた。
中国の景気悪化懸念から商品相場が下落しており、エネルギー株や資源株に売りが出た。
半面、2022年1〜6月期決算で増益となった英HSBCが大幅高となるなど銀行株が買われ、下値を支えた。
FTSEでは、商品相場の下落を受け、アングロ・アメリカン(4.0%安)やシェル(2.0%安)など資源エネルギー関連株が軟調だった。好決算を発表したHSBCホールディングス(6.1%高)など金融関連株は買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13479.63(−4.42)
1日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに小幅に反落した。前週末に比べ4.42ポイント(0.03%)安の1万3479.63で終えた。欧州の景気減速懸念が重荷となり、化学株や医薬品株の一角に売りが出た。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6436.86(−11.64)
フランスCAC40種指数は0.18%安だった。
ペロシ米下院議長が台湾を訪問するとの報道を受け、米中関係の悪化懸念から下げに転じた。