3日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比416ドル33セント(1.3%)高の3万2812ドル50セントで終えた。
米サプライ管理協会(ISM)が午前発表した7月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)は56.7と、前月から上昇した。市場予想(ロイター通信調べ)を大幅に上回った。好調な新規受注に加え、サプライチェーン(供給網)の改善や価格上昇圧力の緩和が確認されたことも好感し、買いが優勢となった。
市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げによる景気後退懸念は根強いものの、「経済のファンダメンタルズ(基礎的な条件)は強く、年内の景気後退は十分に避けられる」(英調査会社)との声があった。
3日の米原油先物相場が2月下旬以来の安値を付けたのと相まって、インフレが和らぐとの観測だった。
ペロシ米下院議長が台湾訪問を終え、3日に韓国に移動した。中国は2日から大規模な軍事演習を実施しているが、今のところそれ以上の対抗措置は伝わっていない。情勢を見極めたい市場参加者が多いが、米中の緊張を警戒した売りは続かなかった。
相場は午後に上昇の勢いが強まった。市場では「6月にかけて株式への投資配分を大きく引き下げていたヘッジファンドなどが7月の相場上昇に乗り遅れ、焦って買いを入れている」との指摘があった。
前日に急上昇した米長期金利は午後に水準を切り下げ、前日終値(2.75%)を下回って推移した。長期金利上昇への懸念が和らぎ、高PER(株価収益率)のハイテク株の買いを誘った。スマートフォンのアップルが4%高、顧客情報管理のセールスフォースとソフトウエアのマイクロソフトはともに3%高で終えた。
映画・娯楽のウォルト・ディズニーやスポーツ用品のナイキ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど消費関連株の上昇も目立った。一方、原油安を受けて石油のシェブロンは下げた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比319.401ポイント(2.6%)高の1万2668.159と5月上旬以来の高値で終えた。主力株は軒並み上げ、ネット通販のアマゾン・ドット・コムが4%高、交流サイトのメタプラットフォームズが5%上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は反発した。9月物は前日比230円高の2万7975円で引け、3日の大取終値を265円上回った。
好調だった米経済指標を受けて、景気後退懸念が和らぎ反発した。
3日発表の米サプライマネジメント協会(ISM)の7月の非製造業景況感指数が予想以上の景気の底堅さを示し、投資家心理が上向いた。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27975 ( +265 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27995 ( +285 )
※( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7445.68(+36.57)
3日のロンドン株式市場でFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日に比べ36.57ポイント(0.49%)高の7445.68で引けた。イングランド銀行(英中央銀行)が大幅な利上げを決めるとの観測から英国債利回りが上昇した。英金利の上昇で、利ざや改善期待が高まった銀行株に買いが入った。
FTSEでは、指数構成銘柄の約7割が上昇。セキュリティソフト大手アバストが43.8%高と急騰した。米社による買収が英当局に承認されたと報じられらたことが材料となった。スタンダード・チャータード(2.5%高)など金融関連株も堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13587.56(+138.36)
3日のフランクフルト株式市場でドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。前日に比べ138.36ポイント(1.03%)高の1万3587.56で終えた。ペロシ米下院議長が台湾を出発し、米中対立への投資家の過度な警戒が薄れた。前日に売られていたハイテク株や消費関連株が買い直された。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6472.06(+62.26)
フランスCAC40種指数は0.97%高だった。
ペロシ米下院議長が台湾訪問を終えたことで、リスク回避ムードがやや後退し、買い戻す動きが広がった。
CACでは保険大手アクサが5.7%高と買われた。