9日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比377ドル19セント(1.2%)高の3万2151ドル71セントで終えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利上げ継続が景気後退を招くことへの懸念が根強く、株価は8月半ば以降、下落基調をたどってきた。ただ、売られ過ぎとの見方も広がる中で買い戻しが入り、主要株価指数は3日続伸。ダウ平均は週間では4週ぶりに上昇した。
8月中旬以降の調整局面で下げがきつかったハイテク株や景気敏感株を中心に買われた。
市場では、9月20〜21日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続で0.75%の利上げが決まるとの見方が大勢だ。週初に急上昇した長期金利は9日は3.3%前後と前日から横ばいで推移し、株の買い安心感につながった。ダウ平均は直近3営業日で1006ドル上昇し、8月中旬からの下落幅の3分の1を戻した。
S&P500種株価指数は、週初にチャートの下値支持線である3900近辺まで下げていた。だが「前日に4000台に戻したことで投資家心理が改善し、週末とあって持ち高調整の買いが強まった」との指摘もあった。
長期金利の上昇局面で売られた高PER(株価収益率)銘柄のハイテク株が買い直された。米原油先物相場の上昇で石油のシェブロンが上げ、原油高になると買われやすい建機のキャタピラーの上昇も目立った。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスや映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連株の一角も高い。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比250.178ポイント(2.1%)高の1万2112.307で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズや電気自動車のテスラなど主力株が総じて上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
9日のシカゴ日経平均先物は続伸した。12月物は前日比330円高の2万8195円で引けた。9日の米株式相場が続伸したのに連れ高した。企業収益の重しとなっているドル高の流れが一服したことが追い風となり、足もとの株価反発が続いた。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
28195 ( +195 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
28240 ( +240 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
9日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ89.01ポイント(1.23%)高の7351.07で引けた。中国政府による産業支援策への期待から商品相場が上昇し、資源株が買われた。
FTSEでは9割超の銘柄が上昇。エネルギー小売り大手セントリカが5.0%高で上昇率トップとなったほか、鉱業大手アングロ・アメリカンが4.7%高、産銅大手アントファガスタが3.9%高、資源大手グレンコアが3.7%高で続いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
9日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前日に比べ183.89ポイント(1.43%)高の1万3088.21で終えた。欧州中央銀行(ECB)がインフレ抑制を明確にし、金融引き締めを継続する方針を示した。金融政策を巡る不透明感が後退し、株をいったん買い直す動きが広がった。
DAXでは、食材宅配大手ハローフレッシュが4.5%高と急伸。医療サービスのフレゼニウスとドイツテレコムが3.9%高、ドイツ銀行も3.3%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は1.41%高だった。
前日の欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げを受けて金融株も値上がりした。