2日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比337ドル98セント(1.1%)安の3万1318ドル44セントで終えた。
朝方発表された8月の雇用統計によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比31万5000人増と、伸びは前月(52万6000人増)から鈍化。市場予想(30万人増=ロイター通信調べ)はやや上回ったが、6、7月両月分は下方修正された。また、失業率は0.2ポイント悪化の3.7%だったほか、平均時給の前月比の伸びは減速した。
ダウは雇用統計が極めて堅調な内容とはならなかったのを好感し、取引中盤までは買いが優勢な展開。ただ、同統計消化後は今月発表される米消費者物価指数(CPI)が意識され、米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的に利上げを進めるとの懸念が再燃する中、マイナス圏に沈むと終盤まで軟調な値動きが続いた。
朝方発表の8月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想の範囲内にとどまり、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速の懸念が和らいで買いが先行した。だが、金融引き締めの長期化が景気を冷やすとの観測自体は変わらず。買い一巡後は売りが優勢になり、午後に下げに転じた。
多少減速したとはいえ雇用は堅調を保っており、これでFRBの金融引き締め姿勢が緩むことはないとの見方が広がった。ロシアの国営天然ガス会社ガスプロムが2日、欧州向けガスパイプライン「ノルドストリーム」の停止を延長すると発表した。欧州景気の下振れにつながるとの懸念も投資家のリスク回避を促した。
ダウ平均は午後に474ドル安まで下げる場面があった。日中の高値から安値までの下落幅は844ドルに達し、不安定な相場だった。
景気敏感株の下げが目立った。工業製品・事務用品のスリーエムや機械のハネウェル・インターナショナル、化学のダウが安い。半面、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが上昇するなど、ディフェンシブ株の一角は底堅かった。
ナスダック総合株価指数は6日続落し、前日比154.261ポイント(1.3%)安の1万1630.865で終えた。6日続落は2019年8月以来の連続下落記録。交流サイトのメタプラットフォームズや電気自動車のテスラの下げが目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
2日のシカゴ日経平均先物は続落した。9月物は前日比270円安の2万7515円で引けた。米金融引き締めの長期化が景気悪化を招くとの懸念が根強く、売りが優勢だった。ロシアからの天然ガスと原油の供給不安を背景にエネルギー高が続き、欧州景気が下振れするとの懸念も投資家のリスク回避姿勢を強めた。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27515 ( -145 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27515 ( -145 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
2日のFTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに反発した。前日に比べ132.69ポイント(1.86%)高の7281.19で引けた。前日まで大幅に4日続落していたため、値ごろ感から幅広い銘柄が買い直された。
FTSEでは、資産運用大手アバディーンが7.5%高と上昇率トップ。プルーデンシャル(6.2%高)やバークレイズ(4.5%高)など金融関連株も買われた。原油の上昇を受け、BP(2.8%高)やシェル(2.2%高)も堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
2日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに大幅に反発した。前日に比べ420.04ポイント(3.33%)高の1万3050.27で終えた。ロシアからの天然ガス供給の停止が長期化するとの過度な警戒感が後退した。
2日発表の8月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想の範囲内にとどまり、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを一段と加速するほどではないと受け止められたことも買い安心感につながった。
DAXでは、フォルクスワーゲン(6.7%高)など自動車関連株が買われた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は2.21%高だった。
朝方から買いが先行。米雇用統計を受けて米国の積極的な利上げ観測がやや後退したことで、上げ幅を広げた。