【大引け概況】
3日の日経平均株価は反落し、終値は前日比387円06銭(0.97%)安の3万9451円85銭だった。
本日のマーケット動画
時間:00:01:38 容量:19.63M ▼音声 VOICEVOX Nemo
過去のマーケット動画はこちら
きょうは主力株を中心に総じて売りが優勢の地合いとなり日経平均は反落、朝方に台湾で発生した地震の影響への警戒感から、株価指数先物に運用リスクを回避する売りが出て、600円超の大幅安で3万9200円台まで水準を切り下げる場面があった。
米国では想定を上回る強い経済指標が相次いでおり、前日の米国株市場ではFRBによる早期利下げ期待が後退、米10年債利回りが上昇基調を強め、株式の相対的な割高感が意識されNYダウが400ドル近い下げとなった。円安環境で原油価格や金価格も急ピッチの上昇をみせており、東京株式市場でもインフレ警戒感がくすぶる状況下で買いが手控えられた。
また、朝方に台湾付近を震源とする地震が発生し、これを嫌気した先物への売りが全体指数の下げを助長した。ただ、後場に入ると中小型株を中心に押し目買いが入り日経平均は下げ渋っている。値上がり銘柄数が値下がりを小幅ながら上回った。
2日のNYダウ工業株30種平均が下落した。米景気の底堅さから米連邦準備理事会(FRB)が利下げを始める時期を先送りするとの観測が強まった。米長期金利が一時4.40%まで上昇し、成長期待の高い半導体株が売られた。東京株式市場でも半導体関連の一角に売りが先行した。
日本時間3日9時ごろに台湾付近を震源とする地震が発生した。台湾は世界の半導体産業の集積地となっている。半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が工場の生産ラインから一部のスタッフを退避させたと伝わった。供給網への影響を懸念する短期筋から日本の株価指数先物に売りが出て、日経平均は下げ幅を広げた。
売り一巡後は下げ渋った。朝方に売られた東エレクなど半導体関連の一角に押し目買いが入った。原油高を手掛かりにINPEXなど石油関連株が買われ、銀行や海運といったバリュー(割安)株にも物色が向かった。伊藤忠は3日午後に発表した今期の株主還元方針が好感されて株価が急伸。その他の商社株にも買いが広がった。
米国では3日、3月のADP全米雇用報告の発表やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演などが予定されている。労働市場の力強さが示され、パウエル氏の講演で利下げの後ずれを示す発言が出るのか確認したいと考える向きが多く、積極的に買い上がる雰囲気にはなっていない。また、投資家の関心は企業業績に移り始めており、2025年3月期の業績向上が続くかも見極めたいようで、目先は様子見ムードの強い展開が続きそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は3日続落した。終値は7.94ポイント(0.29%)安の2706.51だった。JPXプライム150指数は3日続落し、7.82ポイント(0.66%)安の1179.07で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆7608億円、売買高は17億9795万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は791。値上がりは807、横ばいは54だった。
業種別株価指数(33業種)は電気機器、精密機器、情報・通信業が下落。上昇は銀行業、海運業、卸売業など。
個別では、レーザーテック、ディスコ、アドバンテストなど半導体製造装置関連が安かったほか、任天堂も売られた。ファーストリテイリングの下げが目立ち、ソフトバンクグループ(SBG)も下値を模索。三井E&Sが安く、さくらインターネットは急落、霞ヶ関キャピタルも大幅安となった。清水建設は値下がり率トップに売り込まれた。リョーサン菱洋ホールディングスの下げもきつい。
半面、伊藤忠商事が物色人気、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも堅調。富士石油、北海道電力が値を飛ばし、東京電力ホールディングスも商いを伴い高い。ミスミグループ本社も値を上げた。安田倉庫、力の源ホールディングスなどが高くINPEXも買われた。このほか住友ファーマ、コマツ、JR東海、日本取引所も上昇した。
【寄り付き概況】
3日の日経平均株価は反落で始まった。始値は前日比335円19銭安の3万9503円72銭。
前日の欧州株市場では最高値更新の続いていた独DAXが9日ぶりに反落するなど総じて軟調な地合いだったほか、米国株市場ではNYダウが一時500ドルあまりの下落をみせるなどリスク回避ムードの強い展開を強いられた。相次ぐ強い米経済指標の発表を受けFRBによる早期利下げ期待が後退、米金利の上昇基調が鮮明となるなか買い手控え感が拭えない。
欧米株安を受け東京株式市場でも投資家のセンチメントが足もと弱気に傾いている。日経平均株価は下値模索の動きだが、取引時間中は米株価指数先物や為替市場の動きなどに左右されそうだ。
米国のインフレ圧力の根強さを背景に米連邦準備理事会(FRB)が利下げを始める時期が先送りになるとの見方から、半導体関連などが下げた。東京株式市場でも東エレクやアドテストに売りが波及している。
気象庁は3日9時ごろ、地震の発生を受け、沖縄本島地方、宮古島・八重山地方に津波警報を出した。先行き警戒感から株価指数先物に売りの勢いが強まり、日経平均は下げ幅を広げた。
原油高がINPEXや出光興産などの石油関連株の買いを誘っている。2日のニューヨーク原油先物相場は続伸し一時は1バレル85ドル台半ばと、期近物として約5カ月ぶりの高値をつけた。中東の地政学リスクが供給面の懸念となっているほか、「米中の景況感が改善傾向にあり、原油の需要が伸びればエネルギー価格が起点のインフレが長引く懸念がある」との声がある。
東証株価指数(TOPIX)は続落している。
個別では、ファストリやソフトバンクグループ、ダイキンが下落している。一方、JR東海やクボタ、楽天グループが上昇している。
3日の東京株式市場は反落後、もみ合い展開となりそう。
日経平均株価の予想レンジは、3万9500円-4万円を想定。(2日終値3万9838円91銭)
米国株は下落。ダウ平均は396ドル安の39170ドルで取引を終えた。米国株安を受けて売りに押される展開を予想する。
日経平均株価は、きのう2日に反発したものの、上値の重い展開だったことや、現地2日の米国株式が下落したこともあり、売り先行スタートとなろう。その後は、落ち着きどころを探る動きとなることが見込まれる。
為替相場は、ドル・円が1ドル=151円台の半ば(2日は151円67-69銭)と小動きの一方、ユーロ・円が1ユーロ=163円台の前半(同162円91-95銭)とやや円安に振れている。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、2日の大阪取引所清算値比250円安の3万9670円だった。
【好材料銘柄】
■ACSL <6232>
ドローンメーカーとして初めて一般社団法人日本防衛装備工業会の正会員として承認。
■第一商品 <8746>
金の価格と連動する暗号資産「Kinka」が新たな海外の暗号資産取引プラットフォーム「MEXC」で取扱銘柄に指定。
【主な経済指標・スケジュール】
3(水)
【国内】
《決算発表》
西松屋チェ、ワールド
【海外】
中国3月財新サービス部門PMI(10:45)
米3月ADP雇用統計(21:15)
米3月ISM非製造業景況指数(23:00)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
2日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比396ドル61セント(1.00%)安の3万9170ドル24セントで終えた。
最近の経済指標が強い内容だったことや、連邦準備制度理事会(FRB)高官が利下げを急がない考えを述べたことを受け、長期金利が上昇。半導体やIT銘柄の多くが値下がりした。米長期金利が一時約4カ月ぶりの水準に上昇(債券価格は下落)し、株式の相対的な割高感につながった。
「利下げ開始が7月以降になるとの見方が相場の重荷となった」前日発表の3月の米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業景況感指数が1年半ぶりに好不況の境目である50を上回った。価格指数の上昇も目立った。2日発表の2月の米雇用動態調査(JOLTS)では求人件数が1月から小幅に増え、労働市場の底堅さを示した。
米長期金利が4.40%(1日終値は4.31%)と、昨年11月下旬以来の水準を付ける場面があった。米原油先物相場が一時1バレル85ドル台半ばと期近物として昨年10月以来の水準に上昇したのもインフレ懸念につながった。
ダウ平均は500ドルあまり下げる場面があった。最近まで主要株価指数の最高値更新が続いてきたため、利益確定や持ち高調整の売りも出た。一方、米長期金利が4.3%台半ばに水準を切り下げたこともあり、引けにかけてダウ平均は下げ幅を縮小する場面があった。
FRB高官発言ではクリーブランド連銀のメスター総裁が年内に0.25%の利下げを3回実施することについて「引き続き妥当とみているが、五分五分だ」との見解を示した。6月の利下げの可能性は排除しなかった。一方、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁はインフレ減速が緩やかななか、利下げについて「緊急性がない」と述べた。これまでの高官発言と大きく離れた内容ではなかったと受け止められた。
米医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループは6.4%安となり、ダウ平均を約200ドル引き下げた。当局が民間の高齢者向け医療保険プログラムに支払う2025年の負担率が市場予想を下回ったことが嫌気された。
アムジェンやインテルが売られたほか、ウォルマートやナイキなど消費関連株の下げも目立った。一方、ダウやウォルト・ディズニーは上昇した。
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比156.383ポイント(0.95%)安の1万6240.449で終えた。2日に発表した24年1〜3月期の世界の電気自動車(EV)販売台数が前年同期を下回ったテスラが売られた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株も安かった。
【シカゴ日本株先物概況】
2日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比315円安の3万9670円で終えた。同日の米株式相場は下落した。
NYダウ平均は、米医療保険大手株の急落や長期金利の上昇を背景に続落した。
投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、日経平均先物への売りにつながった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
39670 ( -250 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
39705 ( -215 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7935.09(-17.653)
2日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前営業日だった3月28日の終値に比べ17.53ポイント(0.22%)安の7935.09で終えた。
2日の米株式市場で主要な株価指数が下落しているのも、投資家心理の重荷だった。医薬品株が下げたほか、英長期金利の上昇を背景に不動産関連の銘柄も売りが優勢となった。半面、原油先物相場の上昇を支えに英シェルなどエネルギー株は買われ、指数を下支えした。
朝方は主力株に買いが先行した。FTSE100種指数は8015.63を付け、2023年2月に付けた終値での最高値(8014.31)を上回って推移する場面があった。
FTSEの構成銘柄では、一部金融機関が目標株価を引き下げたと伝わった生活用品大手レキット・ベンキーザーが5.25%安、賭け屋大手エンテインが4.99%安、オンライン食品販売大手オカド・グループが4.22%安と下げを主導。一方、産金大手フレスニロは7.58%高、鉱業大手アングロ・アメリカンは4.60%高、石油大手シェルは3.50%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18283.13(-209.36)
2日のドイツ株価指数(DAX)は9営業日ぶりに反落し、前営業日だった3月28日の終値比209.36ポイント(1.13%)安の1万8283.13で終えた。米国での利下げ開始時期が市場の想定より遅くなる可能性が意識され、投資家心理の重荷となった。
米長期金利が2日の取引で一段と上昇したのを背景に2日の米株式市場で主要な株価指数が下げて始まると、DAXも下げ幅を広げた。米長期金利の上昇につれる形でドイツ長期金利が上昇したのも嫌気された。不動産や消費の関連銘柄を中心に幅広い業種・銘柄に売りが出て、DAXを構成する40銘柄のうち前営業日比で上昇して終えたのは、風力発電機を手掛ける独シーメンス・エナジーなど4銘柄にとどまった。
個別では、不動産大手ボノビアが3.65%安、医薬大手メルクが3.61%安、医療機器のザルトリウスが3.34%安と下げた半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは2.53%高、化学大手BASFは1.68%高、日用品大手ヘンケルは1.61%高と逆行高を演じた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 8130.05(-75.76)
欧州株式市場ではフランスの主要な株価指数であるCAC40は4営業日ぶりに反落した。終値は前営業日3月28日の終値と比べて75.76(0.92%)安の8130.05だった。