2日の東京株式市場は、続伸後も堅調か。
日経平均株価の予想レンジは、3万3100円−3万1500円を想定。(1日終値3万1148円01銭)
米国株は上昇。ダウ平均は153ドル高の33061ドルで取引を終えた。5月ADP民間部門雇用者数が強い結果となったことで金融引き締め長期化が意識され、序盤には200ドル超下げる場面もあった。しかし、5月ISM製造業PMIが予想を下回る結果となったことで過度な警戒が後退。早い時間にプラス圏に浮上すると、その後も上げ幅を広げた。
日経平均株価はきのう1日に大幅反発したことや、現地1日の欧米株式が上昇した動きから、買い優勢のスタートとなりそう。1日の市場では「出遅れていた投資家による買いや押し目を拾う動きがみられた」との声も聞かれ、相場の支えとなりそう。
為替相場は、ドル・円が1ドル=138円台の後半(1日は139円91−92銭)と円高に振れる一方、ユーロ・円が1ユーロ=149円台の前半(同149円29−33銭)と小動き。対ドルでの円高を警戒し、輸出関連銘柄には重しとなる場面も想定される。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、1日の大阪取引所清算値比250円高の3万1400円だった。
【好材料銘柄】
■ベクター <2656>
スイスのUnify Platformと日本進出サポートに関する業務委託契約を締結。
■ニーズウェル <3992>
業種別AIソリューションが港湾施設に採用。
■リプロセル <4978>
AIを活用した個別化医療プラットフォーム「Pharmacology-AI」を用いた新規ビジネスを開始。また、米国子会社がメリーランド州内における幹細胞治療・研究に関連する技術強化、発展を目的とした補助金の受賞者として選定。
■ANYCOLOR <5032>
東証が8日付で東証プライムに市場区分を変更する。
【主な経済指標・スケジュール】
2(金)
【国内】
5月マネタリーベース(8:50)
【海外】
米5月雇用統計(21:30)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
1日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比153ドル30セント(0.5%)高の3万3061ドル57セントで終えた。
米下院は5月31日夜、連邦政府の債務上限を停止する法案を可決した。今後の上院での審議についても、過半数を占める民主党のシューマー院内総務が採決を急ぐ姿勢をみせている。米債務上限問題への警戒感が一段と和らぎ、次第に買いが優勢となった。
米政府の資金繰りが行き詰まるとされる5日が近づくなか、シューマー氏は1日、法案を通すまで上院の議事を続ける方針を示したと伝わった。法案に不満を抱える議員が民主、共和の両党にいるものの、議会指導部が法案成立を急いでいるという。米国債のデフォルト(債務不履行)といった最悪の事態を避けられるとの見方が広がっている。
朝方発表された米民間雇用サービス会社ADPの全米雇用報告では、非農業部門の民間就業者数が市場予想を上回る内容。新規失業保険申請件数は悪化したものの市場予想を下回り、労働市場の堅調さが示された。これらの指標を受けて米金融政策の不透明感が広がり、取引序盤のダウは売りが先行した。
だが、その後明らかにされた米サプライ管理協会(ISM)の米製造業PMIが市場予想を下回り、景気減速が意識されたため、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを見送るとの見方が台頭。米債務上限問題で米国がデフォルト(債務不履行)に陥ることへの懸念が和らいだことも地合いを強める要因となり、ダウは買いが優勢な展開に転じた。
ダウ平均の構成銘柄では、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス、建機のキャタピラー、ホームセンターのホーム・デポが上げた。一方、前日に2〜4月期決算を発表した顧客情報管理のセールスフォースが下落。バイオ製薬のアムジェン、金融のゴールドマン・サックスが売られた。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比165.697ポイント(1.3%)高の1万3100.982で終えた。2022年8月中旬以来およそ9カ月半ぶり高値。半導体のエヌビディア、交流サイトのメタプラットフォームズが上げた。
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比620円高の3万1400円で終えた。米下院が5月31日に米連邦政府の債務上限を2025年1月まで停止する法案を可決したのを好感し、1日の米株式相場が上昇した。日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
31400 ( +250 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
31410 ( +260 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
1日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日に比べ44.13ポイント(0.59%)高の7490.27で終えた。米連邦議会下院が5月31日夜に連邦政府債務の上限を停止する法案を可決し、投資家心理が改善した。前日に2カ月ぶりの安値を付けた後で、押し目買いが入りやすかった。素材やエネルギーといった景気敏感銘柄を中心に上昇した。
では、産金大手フレスニロが4.51%高で上昇率トップ。小売り大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールは3.84%高、投資会社メルローズ・インダストリーズは3.56%高、鉱業大手アングロ・アメリカンも3.42%高となった。一方、送電大手ナショナル・グリッドは4.57%安、オンライン食品販売大手オカド・グループは4.50%安、中古車販売サイトのオートトレーダー・グループは3.40%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
1日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反発し、前日比189.64ポイント(1.21%)高の1万5853.66で終えた。米連邦議会下院が5月31日夜に連邦政府債務の上限を停止する法案を可決した。債務不履行(デフォルト)の回避に向け前進し、投資家心理が改善した。金融など幅広いセクターに買いが入った。
個別では、航空機大手エアバスが2.76%高、ハノーバー再保険が2.60%高、医療機器のザルトリウスが2.39%高と買われた半面、通販大手ザランドは2.07%安、不動産大手ボノビアは1.17%安、スポーツ用品大手アディダスは0.50%安となった。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.56%高だった。欧州中央銀行(ECB)の追加利上げ観測が後退し、相場の上昇を支援した。
06月02日 毎日コラム
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櫻井英明の株式辞典【い行】 |
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