11日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比409ドル74セント(0.96%)高の4万2863ドル86セントで終えた。2日ぶりに最高値を更新した。主力企業の決算発表が始まり、市場予想を上回る内容だった金融株を中心に買いが入った。米経済への楽観姿勢も相場の支えとなった。
米金融大手JPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴがこの日発表した7~9月期決算は、いずれも投資家の事前の期待を上回る内容だった。金融関連株が積極的に買われたほか、米経済の堅調さが意識され、景気動向に敏感なメーカーや小売りなど幅広い銘柄に買いが集まった。
同日発表の9月の米卸売物価指数(PPI)は
前月比横ばいとなり、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.1%上昇)を下回った。市場では、「(前日に)9月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回った後で、米連邦準備理事会(FRB)が11月会合で0.25%の利下げをするとの見方を支えた」との声が聞かれた。
米経済の先行きに対する楽観姿勢も相場の支えとなった。
「人工知能(AI)関連需要への期待も根強く、割高であったとしても上昇基調を逃したくない投資家が多い」との指摘があった。
個別ではJPモルガン・チェースが4.4%高で終えた。11日発表の2024年7〜9月期決算では、売上高に相当する純営業収益と1株利益が市場予想以上だった。24年12月期通期の見通しも引き上げ、好感した買いが入った。ダウ平均の構成銘柄ではないが、決算を発表したウェルズ・ファーゴも上昇。金融株全般に買いが波及した。
ダウ平均の構成銘柄では、ゴールドマン・サックスが買われた。ボーイングやアメリカン・エキスプレス、アムジェンなども高かった。一方、セールスフォースとアップルは売られた。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比60.888ポイント(0.33%)高の1万8342.937で終えた。メタプラットフォームズやアルファベット、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が上げた。一方、テスラは8.8%安だった。10日夜に自動運転タクシーの試作車を公表したが、量産やサービス開始の時期など収益の拡大につながる具体的な情報に乏しかったとの見方が多く、売りが膨らんだ。
S&P500種株価指数も反発し、前日比34.98ポイント(0.60%)高の5815.03で終えた。最高値を更新し、初めて5800台に乗せた。
【シカゴ日本株先物概況】
11日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比485円高の3万9855円で終えた。
NYダウ工業株30種平均は米大手銀の好決算を受け景気への楽観が広がり、最高値を更新するなど米株式相場が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39855 ( +245 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39980 ( +370 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
11日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前日比15.92ポイント(0.19%)高の8253.65で終えた。午前中は前日終値を下回る場面があったものの、米国で11月に利下げが決まるとの観測を背景に米株式市場で主要な株価指数が水準を切り上げると、FTSE100種指数も上昇した。
FTSEの構成銘柄では、産金大手エンデバー・マイニングが2.59%高、包装資材大手DSスミスが2.45%高、住宅大手ビストリー・グループが2.44%高と買われた。一方、筆頭株主のカタール投資庁が持ち分の一部を売却したと伝わった流通大手セインズベリーは5.90%安と急落。保険大手プルデンシャルが1.71%安、製薬大手GSKが1.66%安で続いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
11日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比162.93ポイント(0.84%)高の1万9373.83で終えた。米利下げ観測を背景に11日の米株式市場で主要な株価指数が上昇した。中国当局による景気支援策への根強い期待とともに、投資家心理を支えた。
個別では、航空機大手エアバスが4.21%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.80%高、高級車メーカーのポルシェが2.29%高と上げを主導。半面、防衛大手ラインメタルは1.43%安、製薬大手バイエルは1.42%安、自動車大手BMWは0.65%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は反発し、前日比0.48%高で終えた。