[4421]ディ・アイ・システム
[02月28日更新]
ディ・アイ・システム<4421>(東証スタンダード)は独立系のシステムインテグレーターである。中期成長に向けて顧客企業のDX推進を支援するためのサービスの強化・拡充を推進している。23年9月期第1四半期は主力のシステムインテグレーション事業が好調に推移し、M&Aも寄与して大幅増収増益だった。そして通期も大幅増収増益予想(2月14日付で各利益を小幅に上方修正)としている。DX関連を中心に需要は高水準であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は順調に水準を切り上げて昨年来高値更新の展開となった。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となっている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。
■独立系のシステムインテグレーター
独立系のシステムインテグレーターである。連結子会社はアスリーブレインズ、ステップコム、ウイーズ・システムズである。
システムインテグレーション事業(業務用アプリケーション設計開発業務、インフラシステム設計構築業務、運用・保守)を主力として、教育サービス・セキュリティソリューション事業(アスリーブレインズが展開する新入社員・中堅技術者向けIT研修サービス、および22年7月に子会社化したウイーズ・システムズが展開するセキュリティソリューション)も展開している。
NTTコミュニケーションズなど大手SIerと長期取引関係を構築し、ワンストップサービスによる高い生産性、新卒者継続採用と教育サービスのシナジー効果などを特徴・強みとしている。21年10月には、福岡エリアの案件増加に伴うオフィス環境整備、および福岡エリアにおける採用拠点としての活用を目的として、福岡サテライトオフィス(福岡県福岡市)を開設した。
22年9月期のセグメント別売上高と利益(全社費用等調整前営業利益)は、システムインテグレーション事業は、売上高が21年9月期比15.7%増の51億02百万円(内訳は業務用アプリケーション設計開発業務が14.1%増の21億69百万円、インフラシステム設計構築業務が22.0%増の21億49百万円、運用・保守が5.2%増の7億83百万円)で、利益が16.1%増の9億95百万円だった。
教育サービス・セキュリティソリューション事業は、売上高が3億95百万円(内訳は新卒向け研修サービスが26.6%増の2億58百万円、中堅向け研修サービスが19.2%減の35百万円、セキュリティソリューションが1億01百万円)で、利益が1億85百万円だった。21年9月期は売上高が2億47百万円で利益が82百万円だった。
なお四半期変動の季節要因として、システムインテグレーション事業は、顧客の検収が多い第2四半期(1月〜3月)および第4四半期(7月〜9月)の売上と利益の構成比が高くなる傾向がある。ただし22年9月期から収益認識会計基準を適用しているため、これまでの売上高の四半期変動傾向に若干の影響(主に原価回収基準の影響)が生じる可能性があるとしている。教育サービス・セキュリティソリューション事業は、新卒向け研修サービスにおいて毎年4〜6月に新入社員向け研修の受注が増加するため、第3四半期(4月〜6月)の売上高が拡大する傾向がある。
■DX推進に向けて人材育成・サービス拡充
中期経営計画(21年9月期〜23年9月期)の目標数値(2月14日付で各利益を小幅に上方修正)は、23年9月期の売上高64億07百万円、売上総利益13億49百万円、営業利益3億38百万円、経常利益3億37百万円、親会社株主帰属当期純利益2億26百万円としている。23年9月期は23年10月にスタートする新中期経営計画の基盤づくりの年と位置付け、さらに中長期目標として売上高100億円、営業利益10億円(営業利益率10%)を目指すとしている。株主還元については、連結配当性向25.0%〜30.0%の配当を維持しつつ、継続的な増配を検討する。
経営方針には、人材の確保・育成およびビジネスパートナー拡大、企業のデジタル化やリモート化などキーワードに応じたIT技術の提供、顧客のDX推進を背景とするサービス拡充に向けた研究開発・新製品開発、M&Aの活用、新基幹システム導入による内部管理体制強化、ガバナンス・コンプライアンスの徹底などを掲げている。
成長戦略として、システムインテグレーション事業では、ワンストップ体制の強みを活かした元請け案件獲得加速や常駐ビジネス案件獲得継続、大手プレイヤーが希薄な中小規模案件への積極取り組みなどを推進する。なお元請け比率(21年9月期から全社ベースで算出)は24.0%(21年9月期は24.6%)だった。システムインテグレーション事業の22年9月期の常駐ビジネス比率は69.1%だった。
教育サービス・セキュリティソリューション事業では、リモート研修サービスの体制強化、自社製品開発によるユニークな市場への展開、全社ベースでの人材採用および育成における教育サービス業務とのシナジー創出などを推進する。22年8月には「メタバース体験研修」の提供を開始、22年12月にはメタバース空間構築技術を学べる「メタバース技術研修Hubs&Spoke」の提供を開始し、23年2月には仮想空間で現実世界の環境を再現する「デジタルツイン研修」の提供を開始した。
なお22年9月末時点でスタンダード市場における上場維持基準に適合しない状況(流通時価総額が不適合)となったため、22年12月13日付で上場維持基準適合に向けた計画書を公表した。
上述の成長戦略の遂行、中期経営計画の達成、株主還元としての長期的で安定した配当の継続、およびIR活動を中心とした企業認知度向上のための活動強化など、各種取り組みを推進し、継続的な企業価値の向上に資する活動を通じて株式価値の向上に努める。そして23年9月までに上場維持基準の適合を目指すとしている。
■23年9月期1Q大幅増収増益、通期も大幅増収増益予想
23年9月期連結業績予想(2月14日付で各利益を小幅に上方修正)は、売上高が22年9月期比16.5%増の64億07百万円、営業利益が18.1%増の3億38百万円、経常利益が18.1%増の3億37百万円、親会社株主帰属当期純利益が16.4%増の2億26百万円としている。配当予想は22年9月期比5円増配の20円(期末一括)としている。連続増配予想である。
前回予想に対して営業利益を20百万円、経常利益を20百万円、親会社株主帰属当期純利益を13百万円、それぞれ上方修正した。修正後のセグメント別の計画は、システムインテグレーション事業の売上高が14.6%増の58億48百万円で利益(全社費用等調整前営業利益)が15.3%増の11億47百万円、教育サービス・セキュリティソリューション事業の売上高が41.2%増の5億58百万円で利益が8.8%増の2億01百万円としている。
システムインテグレーション事業では、新規案件や元請け案件の増加に加えて、DX推進関連サービスの好調推移を見込んでいる。教育サービス・セキュリティソリューション事業については、メタバース関連研修の提供強化により、これまでの繁忙期(第3四半期)以外の時期の案件獲得を推進する。なお教育サービス・セキュリティソリューション事業では、22年9月期第4四半期から新規連結したウイーズ・システムズの通期寄与によって売上高は大幅増収だが、セキュリティソリューションが加わるため利益率が低下する見込みとしている。
第1四半期は、売上高が前年同期比20.8%増の14億59百万円、営業利益が242.1%増の1億12百万円、経常利益が242.7%増の1億12百万円、親会社株主帰属四半期純利益が244.0%増の74百万円だった。主力のシステムインテグレーション事業が好調に推移し、M&Aも寄与して大幅増収増益だった。
セグメント別に見ると、システムインテグレーション事業は売上高が14.8%増の13億75百万円で利益(全社費用等調整前営業利益)が36.8%増の3億07百万円、教育サービス・セキュリティソリューション事業は売上高が84百万円(前年同期は10百万円)で利益が33百万円(同2百万円)だった。
システムインテグレーション事業では企業のDX化を背景に、ERP導入・運用支援、ITインフラ構築、クラウド移行、サーバリプレイスなどの案件が増加した。教育サービス・セキュリティソリューション事業では、インフラやサーバ関連の中堅向け研修サービスが好調に推移し、M&Aによるセキュリティソリューションも寄与した。
通期についてもDX関連を中心に需要が高水準であり、主力のシステムインテグレーション事業の好調が牽引して増収増益予想としている。前期のM&A実施による自社商材(セキュリティ製品)の追加、新たな自社製品の開発に加えて、元請け案件の獲得増加によって利益率の向上も目指す方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は昨年来高値更新
株価は順調に水準を切り上げて昨年来高値更新の展開となった。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となっている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。2月27日の終値は958円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円08銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS363円34銭で算出)は約2.6倍、そして時価総額は約29億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月27日更新]
ディ・アイ・システム<4421>(東証スタンダード)は独立系のシステムインテグレーターである。中期成長に向けて顧客企業のDX推進を支援するためのサービスの強化・拡充を推進している。IT教育サービスでは2月7日より仮想空間で現実世界の環境を再現する「デジタルツイン研修」を提供開始する。23年9月期はシステムインテグレーション事業が好調に推移して増収増益予想・連続増配予想としている。元請け案件の獲得増加によって利益率の向上も目指す方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は順調に水準を切り上げている。そして急伸した22年9月の昨年来高値に接近している。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。なお2月14日に23年9月期第1四半期決算発表を予定している。
■独立系のシステムインテグレーター
独立系のシステムインテグレーターである。連結子会社はアスリーブレインズ、ステップコム、ウイーズ・システムズである。
システムインテグレーション事業(業務用アプリケーション設計開発業務、インフラシステム設計構築業務、運用・保守)を主力として、教育サービス・セキュリティソリューション事業(アスリーブレインズが展開する新入社員・中堅技術者向けIT研修サービス、および22年7月に子会社化したウイーズ・システムズが展開するセキュリティソリューション)も展開している。
NTTコミュニケーションズなど大手SIerと長期取引関係を構築し、ワンストップサービスによる高い生産性、新卒者継続採用と教育サービスのシナジー効果などを特徴・強みとしている。21年10月には、福岡エリアの案件増加に伴うオフィス環境整備、および福岡エリアにおける採用拠点としての活用を目的として、福岡サテライトオフィス(福岡県福岡市)を開設した。
22年9月期のセグメント別売上高と利益(全社費用等調整前営業利益)は、システムインテグレーション事業は、売上高が21年9月期比15.7%増の51億02百万円(内訳は業務用アプリケーション設計開発業務が14.1%増の21億69百万円、インフラシステム設計構築業務が22.0%増の21億49百万円、運用・保守が5.2%増の7億83百万円)で、利益が16.1%増の9億95百万円だった。
教育サービス・セキュリティソリューション事業は、売上高が3億95百万円(内訳は新卒向け研修サービスが26.6%増の2億58百万円、中堅向け研修サービスが19.2%減の35百万円、セキュリティソリューションが1億01百万円)で、利益が1億85百万円だった。21年9月期は売上高が2億47百万円で利益が82百万円だった。
なお四半期変動の季節要因として、システムインテグレーション事業は、顧客の検収が多い第2四半期(1月〜3月)および第4四半期(7月〜9月)の売上と利益の構成比が高くなる傾向がある。ただし22年9月期から収益認識会計基準を適用しているため、これまでの売上高の四半期変動傾向に若干の影響(主に原価回収基準の影響)が生じる可能性があるとしている。教育サービス・セキュリティソリューション事業は、新卒向け研修サービスにおいて毎年4〜6月に新入社員向け研修の受注が増加するため、第3四半期(4月〜6月)の売上高が拡大する傾向がある。
■DX推進に向けて人材育成・サービス拡充
中期経営計画(21年9月期〜23年9月期)の目標数値は、23年9月期売上高64億07百万円、売上総利益13億39百万円、営業利益3億18百万円、経常利益3億17百万円、親会社株主帰属当期純利益2億13百万円としている。23年9月期は23年10月にスタートする新中期経営計画の基盤づくりの年と位置付け、さらに中長期目標として売上高100億円、営業利益10億円(営業利益率10%)を目指すとしている。株主還元については、連結配当性向25.0%〜30.0%の配当を維持しつつ、継続的な増配を検討する。
経営方針には、人材の確保・育成およびビジネスパートナー拡大、企業のデジタル化やリモート化などキーワードに応じたIT技術の提供、顧客のDX推進を背景とするサービス拡充に向けた研究開発・新製品開発、M&Aの活用、新基幹システム導入による内部管理体制強化、ガバナンス・コンプライアンスの徹底などを掲げている。
システムインテグレーション事業では、元請け案件獲得加速(元請け比率20%目標)に向けたビジネスパートナーの拡大とワンストップ体制の確立、大手プレイヤーが希薄な中小規模案件への積極取り組みなどを推進する。なお21年9月期の元請け比率は20年9月期比8.3ポイント上昇して24.6%となった。
教育サービス・セキュリティソリューション事業ではリモート研修サービスの体制強化などを推進する。22年8月には「メタバース体験研修」の提供を開始、22年12月にはメタバース空間構築技術を学べる「メタバース技術研修Hubs&Spoke」を提供開始した。さらに23年2月7日より仮想空間で現実世界の環境を再現する「デジタルツイン研修」を提供開始する。
なお22年9月末時点でスタンダード市場における上場維持基準に適合しない状況(流通時価総額が不適合)となったため、22年12月13日付で上場維持基準適合に向けた計画書を公表した。
上述の成長戦略の遂行、中期経営計画の達成、株主還元としての長期的で安定した配当の継続、およびIR活動を中心とした企業認知度向上のための活動強化など、各種取り組みを推進し、継続的な企業価値の向上に資する活動を通じて株式価値の向上に努める。そして23年9月までに上場維持基準の適合を目指すとしている。
■23年9月期増収増益・連続増配予想で収益拡大基調
23年9月期連結業績予想は、売上高が22年9月期比16.5%増の64億07百万円、営業利益が11.2%増の3億18百万円、経常利益が11.1%増の3億17百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.5%増の2億13百万円としている。配当予想は22年9月期比5円増配の20円(期末一括)としている。連続増配予想である。
セグメント別計画は、システムインテグレーション事業の売上高が14.6%増の58億48百万円で利益(全社費用等調整前営業利益)が14.3%増の11億37百万円、教育サービス・セキュリティソリューション事業の売上高が41.2%増の5億58百万円で利益が8.8%増の2億01百万円としている。
システムインテグレーション事業では、新規案件や元請け案件の増加に加えて、DX推進関連サービスの好調推移を見込んでいる。教育サービス・セキュリティソリューション事業については、メタバース関連研修の提供強化により、これまでの繁忙期(第3四半期)以外の時期の案件獲得を推進する。なおウイーズ・システムズの通期寄与(22年9月期第4四半期から連結)によってセグメント売上高は大幅増収だが、セキュリティソリューションが加わるため利益率が低下する見込みとしている。
DX関連の需要が高水準であり、主力のシステムインテグレーション事業の好調が牽引して増収増益予想としている。前期のM&A実施による自社商材(セキュリティ製品)の追加、新たな自社製品の開発に加えて、元請け案件の獲得増加によって利益率の向上も目指す方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は上値試す
株価は順調に水準を切り上げている。そして急伸した22年9月の昨年来高値に接近している。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。1月26日の終値は874円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS73円46銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS363円34銭で算出)は約2.4倍、そして時価総額は約27億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月16日更新]
ディ・アイ・システム<4421>(東証スタンダード)は独立系のシステムインテグレーターである。大手SIerと長期取引関係を構築し、ワンストップサービスによる高い生産性などを強みとしている。さらなる成長に向けて顧客企業のDX推進を支援するためのサービスの強化・拡充を推進している。IT教育サービスでは12月19日からメタバース空間構築技術を学べる「メタバース技術研修Hubs&Spoke」を提供開始する。23年9月期はシステムインテグレーション事業が好調に推移して増収増益予想・連続増配予想としている。元請け案件の獲得増加によって利益率の向上も目指すとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は着実に下値を切り上げている。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインのだ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。
■独立系のシステムインテグレーター
独立系のシステムインテグレーターである。連結子会社はアスリーブレインズ、ステップコム、ウイーズ・システムズである。
システムインテグレーション事業(業務用アプリケーション設計開発業務、インフラシステム設計構築業務、運用・保守)を主力として、教育サービス・セキュリティソリューション事業(アスリーブレインズが展開する新入社員・中堅技術者向けIT研修サービス、および22年7月に子会社化したウイーズ・システムズが展開するセキュリティソリューション)も展開している。
NTTコミュニケーションズなど大手SIerと長期取引関係を構築し、ワンストップサービスによる高い生産性、新卒者継続採用と教育サービスのシナジー効果などを特徴・強みとしている。21年10月には、福岡エリアの案件増加に伴うオフィス環境整備、および福岡エリアにおける採用拠点としての活用を目的として、福岡サテライトオフィス(福岡県福岡市)を開設した。
22年9月期のセグメント別売上高と利益(全社費用等調整前営業利益)は、システムインテグレーション事業は、売上高が21年9月期比15.7%増の51億02百万円(内訳は業務用アプリケーション設計開発業務が14.1%増の21億69百万円、インフラシステム設計構築業務が22.0%増の21億49百万円、運用・保守が5.2%増の7億83百万円)で、利益が16.1%増の9億95百万円だった。
教育サービス・セキュリティソリューション事業は、売上高が3億95百万円(内訳は新卒向け研修サービスが26.6%増の2億58百万円、中堅向け研修サービスが19.2%減の35百万円、セキュリティソリューションが1億01百万円)で、利益が1億85百万円だった。21年9月期は売上高が2億47百万円で利益が82百万円だった。
なお四半期変動の季節要因として、システムインテグレーション事業は、顧客の検収が多い第2四半期(1月〜3月)および第4四半期(7月〜9月)の売上と利益の構成比が高くなる傾向がある。ただし22年9月期から収益認識会計基準を適用しているため、これまでの売上高の四半期変動傾向に若干の影響(主に原価回収基準の影響)が生じる可能性があるとしている。教育サービス・セキュリティソリューション事業は、新卒向け研修サービスにおいて毎年4〜6月に新入社員向け研修の受注が増加するため、第3四半期(4月〜6月)の売上高が拡大する傾向がある。
■DX推進に向けて人材育成・サービス拡充
中期経営計画(21年9月期〜23年9月期)の目標数値は、23年9月期売上高64億07百万円、売上総利益13億39百万円、営業利益3億18百万円、経常利益3億17百万円、親会社株主帰属当期純利益2億13百万円としている。23年9月期は23年10月にスタートする新中期経営計画の基盤づくりの年と位置付け、さらに中長期目標として売上高100億円、営業利益10億円(営業利益率10%)を目指すとしている。株主還元については、連結配当性向25.0%〜30.0%の配当を維持しつつ、継続的な増配を検討する。
経営方針には、人材の確保・育成およびビジネスパートナー拡大、企業のデジタル化やリモート化などキーワードに応じたIT技術の提供、顧客のDX推進を背景とするサービス拡充に向けた研究開発・新製品開発、M&Aの活用、新基幹システム導入による内部管理体制強化、ガバナンス・コンプライアンスの徹底などを掲げている。
システムインテグレーション事業では、元請け案件獲得加速(元請け比率20%目標)に向けたビジネスパートナーの拡大とワンストップ体制の確立、大手プレイヤーが希薄な中小規模案件への積極取り組みなどを推進する。なお21年9月期の元請け比率は20年9月期比8.3ポイント上昇して24.6%となった。
教育サービス・セキュリティソリューション事業ではリモート研修サービスの体制強化などを推進する。22年8月には「メタバース体験研修」の提供を開始した。さらに22年12月19日から、メタバース空間構築技術を学べる「メタバース技術研修Hubs&Spoke」を提供開始する。
なお22年9月末時点でスタンダード市場における上場維持基準に適合しない状況(流通時価総額が不適合)となったため、22年12月13日付で上場維持基準適合に向けた計画書を公表した。
上述の成長戦略の遂行、中期経営計画の達成、株主還元としての長期的で安定した配当の継続、およびIR活動を中心とした企業認知度向上のための活動強化など、各種取り組みを推進し、継続的な企業価値の向上に資する活動を通じて株式価値の向上に努める。そして23年9月までに上場維持基準の適合を目指すとしている。
■23年9月期増収増益・連続増配予想で収益拡大基調
23年9月期連結業績予想は、売上高が22年9月期比16.5%増の64億07百万円、営業利益が11.2%増の3億18百万円、経常利益が11.1%増の3億17百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.5%増の2億13百万円としている。配当予想は22年9月期比5円増配の20円(期末一括)としている。連続増配予想である。
セグメント別計画は、システムインテグレーション事業の売上高が14.6%増の58億48百万円で利益(全社費用等調整前営業利益)が14.3%増の11億37百万円、教育サービス・セキュリティソリューション事業の売上高が41.2%増の5億58百万円で利益が8.8%増の2億01百万円としている。
システムインテグレーション事業では、新規案件や元請け案件の増加に加えて、DX推進関連サービスの好調推移を見込んでいる。教育サービス・セキュリティソリューション事業については、メタバース関連研修の提供強化により、これまでの繁忙期(第3四半期)以外の時期の案件獲得を推進する。なおウイーズ・システムズの通期寄与(22年9月期第4四半期から連結)によってセグメント売上高は大幅増収だが、セキュリティソリューションが加わるため利益率が低下する見込みとしている。
DX関連の需要が高水準であり、主力のシステムインテグレーション事業の好調が牽引して増収増益予想としている。前期のM&A実施による自社商材(セキュリティ製品)の追加、新たな自社製品の開発に加えて、元請け案件の獲得増加によって利益率の向上も目指すとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は上値試す
株価は着実に下値を切り上げている。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。そして26週移動平均線も上向きに転じてきた。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。12月15日の終値は781円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS73円46銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS363円34銭で算出)は約2.1倍、そして時価総額は約24億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
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