12月1日の東京株式市場は、堅調な展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万3300円−3万3700円を想定。(11月30日終値3万3486円89銭)
米国株はまちまち。ダウ平均とS&P500が上昇した一方、ナスダックが下落。ダウ平均は520ドル高の35950ドルと値幅を伴った上昇となり、年初来高値を更新した。
日経平均株価は、きのう11月30日に上昇した動きが継続するとみられ、しっかりした値動きが期待される。
売り買いをこなした後はこう着感の強い地合いが続くと予想する。
為替相場は、ドル・円が1ドル=148円台の前半(11月30日は147円05−07銭)と円安方向に傾く一方、ユーロ・円が1ユーロ=161円台の前半(同161円04−08銭)と小動き。対ドルで弱含んでいることから、輸出関連銘柄に見直しの動きがみられそう。ただ、週末要因に加え、現地1日には、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演が予定されていることから、手控えムードが広がることも想定される。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、同30日の大阪取引所清算値比40円高の3万3540円だった。
【好材料銘柄】
■ソリトンシステムズ <3040>
今期経常を一転27%増益に上方修正・2期ぶり最高益、配当も4円増額。
■トビラシステムズ <4441>
前期経常を13%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も2.5円増額。
■東洋電機製造 <6505>
インドネシア通勤鉄道向け新造車両用電機品を受注。受注金額は約55億円。24年5月期〜26年5月期に売上計上する見込み。
■日産車体 <7222>
発行済み株式数の13.86%にあたる2178万6887株の自社株を消却する。消却予定日は12月8日。
【主な経済指標・スケジュール】
1(金)
【国内】
10月失業率(8:30)
10月有効求人倍率(8:30)
《決算発表》
伊藤園
【海外】
中国11月Caixin製造業PMI(10:45)
米11月ISM製造業景況指数(2日0:00)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
11月30日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比520ドル47セント(1.46%)高の3万5950ドル89セントと8月上旬以来、約4カ月ぶりに年初来高値を更新した。2022年1月以来の高値。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ局面が終了したとの見方が相場の支えだった。
前日公表されたセールスフォースの2023年8〜10月期決算は前年同期比で増収増益。業績見通しの上方修正も好感され、取引序盤から急伸したセールスフォースがけん引する形でダウは買い優勢で推移した。
また、午前に発表されたシカゴ景況指数(PMI、季節調整済み)が市場予想を上回る大幅な伸びを記録。ボーイングなど景気敏感株に買いが広がり、ダウは取引終盤に上げ幅を拡大。500ドル超上げて取引を終えた。一方、この日は米長期金利上昇がハイテク株の重しとなった。
足元で米景気やインフレの鈍化を示す経済・物価指標が目立ち、FRB高官からも現在の政策金利が適切との見解を示す発言が増えている。30日発表の10月の米個人消費支出(PCE)物価指数ではエネルギー・食品を除くコア指数が前年同月比3.5%上昇と9月(3.7%上昇)から減速し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と一致した。
ダウ平均では医療保険のユナイテッドヘルス・グループや航空機のボーイングの上げも目立った。
一方、大型ハイテク株の一角が下げ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の重荷となった。11月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が55.8と10月(44.0)から大幅に上昇し、市場予想(46.0)を上回った。「利下げ期待が後退した」との声があった。
米長期金利が4.3%台と前日終値(4.25%)を上回って推移したのも、PER(株価収益率)が高く金利敏感とされるハイテク株の売りを誘った。今月に入って大きく上げていた銘柄が多く、利益確定の売りも出やすかった。
ダウ平均の11月の上げ幅は2898ドルだった。月間の上昇率は8.77%と昨年10月以来の大きさだった。
ナスダック指数は続落し、前日比32.272ポイント(0.22%)安の1万4226.218で終えた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体関連が売られた。ネット検索のアルファベットや電気自動車のテスラも下げた。
ナスダック指数の11月の月間の上昇率は10.70%と、昨年7月以来の大きさだった。
【シカゴ日本株先物概況】
11月30日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比265円高の3万3540円で引けた。30日発表の10月の米個人消費支出(PCE)物価指数でインフレ鈍化が示され、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ局面が終了したとの見方が広がった。
好決算を発表した米顧客管理ソフトウエア大手セールスフォースなど一部銘柄に買いが集まり、米株式相場が上昇し、日経平均先物にも買いが向かった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
33540 ( +40 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
33545 ( +45 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7453.75(+30.29)
30日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比30.29ポイント(0.40%)高の7453.75で終えた。主要産油国による減産が進むとの観測から原油先物相場に買いが先行し、英BPなどエネルギー株を支えた。BPは、出資している太陽光発電会社への出資比率を100%に引き上げると30日に公表したことも買い材料となった。
外国為替市場で英ポンドがドルに対して下落したのを背景に、製薬大手の英アストラゼネカや蒸留酒大手ディアジオなど、売上高に占める海外比率が高い銘柄にも買いが入った。
FTSEの構成銘柄では、段ボール大手スマーフィット・カッパが4.74%高と上昇率トップ。包装資材大手DSスミスが2.25%高、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが2.05%高と続いた。水道大手セバーントレントが4.23%安、水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループが3.02%安、保険大手ビーズリーは2.63%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16215.43(+48.98)
30日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、終値は前日比48.98ポイント(0.30%)高の1万6215.43と8月1日以来の高値を更新した。ユーロ圏のインフレ鈍化を示す指標を材料に、欧州中央銀行(ECB)が来年に利下げに動くとの見方が強まった。欧米金利の先高観が薄れ、投資家心理を支えた。
業種別ではヘルスケアや素材、テクノロジーが上昇した。DAX指数は月間では1405ポイント(9.5%)上昇した。単月としては上昇幅、上昇率ともに2020年11月以来の大きさとなる。
個別では、化学品商社ブレンターク(2.61%高)や製薬大手バイエル(2.25%高)、ヘルスケア大手フレゼニウス(1.82%高)と買われた半面、不動産大手ボノビア(1.66%安)や通販大手ザランド(1.00%安)が売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7310.77(+43.13)
フランスCAC40種指数は0.59%高だった。
ユーロ圏の11月消費者物価指数が前年同月比で鈍化したことなどを受け、主要中央銀行による利下げが近いとの見方が広がり上昇した。