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[4832]JFEシステムズ

[12月17日更新]

JFEシステムズは調整一巡して戻り歩調、16年3月期業績予想に増額余地で指標面に割安感

 JFEシステムズ<4832>(東2)は鉄鋼向けシステム構築を主力とする情報サービス企業で、一般顧客向け複合ソリューション事業なども拡大している。株価は8月下旬〜11月中旬の直近安値圏1100円台で調整が一巡して戻り歩調の展開だ。16年3月期通期業績予想に増額余地があり、3期連続増配予想や指標面の割安感も評価材料である。1月の年初来高値1400円を目指す展開だろう。

■JFEスチール系の情報サービス企業

 川崎製鉄(現JFEスチール)のシステム部門を分離した情報サービス企業である。鉄鋼向け情報システム構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業や、自社開発のプロダクト・ソリューション事業も強化している。

 なお13年5月に大阪ガス<9532>子会社オージス総研と協業、ビジネスブレイン太田昭和<9658>と資本・業務提携している。

■中期経営計画で18年3月期EPS150円以上目指す

 16年3月期スタートの新中期経営計画では、高収益事業への構造転換を目指して、目標数値に最終年度18年3月期の売上高400億円以上、経常利益20億円以上、純利益12億円以上、EPS150円以上を掲げている。

 重点課題は、JFEスチール製鉄所業務プロセス改革に向けたシステム刷新の遂行、ERPに自社ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業の拡大、基盤サービス事業の拡大に向けたクラウドサービスの立ち上げとして、自動車など製造業顧客基盤の拡大、e−文書(電子帳票)ソリューションなど自社プロダクト拡販の推進も継続する。

 JFEスチール製鉄所の業務プロセス改革への対応で多くの技術・ノウハウを蓄積し、基盤サービス事業やソリューション事業に活用して一般顧客向け売上拡大を目指す戦略だ。製造業向けERPなど基幹系システムやサプライチェーン計画系システムに組み合わせて拡販し、高収益な事業構造への転換を推進する。

■鉄鋼はJFE製鉄所システム刷新に対応

 鉄鋼事業ではJFEグループの海外展開を支援すべく、タイCGL(溶融亜鉛めっきライン)工場向けで開発した海外製造拠点向け標準システムを、インドネシアCGL工場へ導入中だ。

 そしてJFEスチール製鉄所の業務プロセス改革に向けて、システムを刷新して生産管理システムの高度化・共通化を推進する。16年からの本格対応に向けて製鉄所システムプロジェクトを新設し、JFEスチールの製鉄所業務プロセス改革斑との連携を強化している。

■一般顧客向け複合ソリューションを拡大

 ERPに自社ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューションでは、自動車メーカー向けなどに新規受注が増加している。さらなる事業拡大に向けてアライアンス戦略も積極活用している。

 15年6月にはセールスフォース・ドットコム社と、同社のクラウド・アプリケーション「Sales Cloud」およびクラウド・アプリケーション開発基盤「Force.com」に関する販売パートナー契約を締結した。

 同社の「Force.com」を利用して親会社JFEスチール向けに「販売情報共有システム」を構築した実績を持ち、15年5月には経済産業省と東京証券取引所が企画する「攻めのIT経営銘柄」(18銘柄)にJFEホールディングス<5411>が選定された。JFEスチールの「販売情報共有システム」が選考のポイントの一つとして挙げられている。

 また15年9月には、ITホールディングス<3626>グループのTISと、当社のデータ分析基盤構築テンプレート「KPIMart(ケイピーアイマート)」の販売代理店契約を締結した。ビジネス・インテリジェンス(BI)およびデータウェアハウス(DWH)分野で協業し、製造業への一層の販路拡大を図る方針だ。

■食品の品質情報管理分野のデファクト化目指す

 食の安全・安心を支える食品業界全体の品質情報管理向上への取り組みを強化している。15年7月には自社開発「MerQurius Net(メルクリウスネット)原料規格書サービス」登録サプライヤ企業が3000社を超えた。原料規格書は食品メーカーがサプライヤから購入する原料の品質に係る情報である。

 さらに15年10月には、食品品質情報管理ソリューション「MerQurius」のクラウドサービス「MerQurius クラウド」の販売を開始した。16年1月からサービス開始する。

 製菓、冷凍食品、調味料など大手食品メーカー中心に200社以上の利用実績を持つ「MerQurius」をクラウド環境で利用可能とするもので、同時に加入する「MerQurius Net 原料規格書サービス」と連携して原料規格書の授受を効率化する。クラウドサービスによって売上高100億円未満の中堅・中小食品メーカー約1200社をターゲットに拡販を推進してデファクト化を目指す方針だ。

■e−文書(電子帳票)ソリューション分野も強化

 15年10月には、電子帳票システム「FiBridge2」事例として、第一生命保険<8750>の導入事例を公開している。

 15年11月には、シーイーシー<9692>と税務関係書類の管理分野において提携し、両社が強みとする製品を組み合わせた電子データ化・長期保存ソリューションの提供を開始すると発表した。

■厚生労働省「均等・両立推進企業表彰」で東京労働局長賞を受賞

 なお15年10月に、厚生労働省が実施する平成27年度「均等・両立推進企業表彰」の均等推進企業部門において「東京労働局長奨励賞」を受賞したと発表している。

 「均等・両立推進企業表彰」は「女性労働者の能力発揮を促進するための積極的な取組」(ポジティブ・アクション)および「仕事と育児・介護との両立を支援する取組」について、他の模範ともいうべき取組を推進している企業を「均等・両立推進企業」として表彰するもので、平成27年度東京労働局長賞は当社を含めて5社が選定された。

■第4四半期の構成比が高い収益構造

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)77億69百万円、第2四半期(7月〜9月)89億33百万円、第3四半期(10月〜12月)84億38百万円、第4四半期(1月〜3月)106億67百万円、営業利益は第1四半期83百万円の赤字、第2四半期5億28百万円、第3四半期4億77百万円、第4四半期7億79百万円だった。

 第4四半期の構成比が高い収益構造である。そして営業損益は改善基調である。また15年3月期の配当性向は26.3%だった。ROEは14年3月期比2.5ポイント上昇して8.4%、自己資本比率は同1.8ポイント低下して49.5%となった。

■16年3月期第2四半期累計は計画超で増収増益

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.9%増の171億86百万円で、営業利益が同13.6%増の5億05百万円、経常利益が同14.9%増の4億95百万円、純利益が同18.6%増の2億81百万円だった。

 下期売上計上予定の高収益案件の前倒しが寄与して、期初計画の減益予想から一転して増益(10月19日に増額修正)となった。前年同期との比較で見ると、売上は鉄鋼がほぼ横ばいだったが、自動車や金融向けの一般顧客が増収だった。売上総利益率(17.3%)は鉄鋼事業の先行投資で同0.3ポイント低下したが、販管費比率(14.3%)は同0.6ポイント低下した。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)80億12百万円、第2四半期(7月〜9月)91億74百万円、営業利益は第1四半期56百万円、第2四半期4億49百万円だった。

■16年3月期通期営業減益予想だが増額余地

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想は前回予想(4月27日公表)を据え置いて売上高が前期比5.6%増の378億円、営業利益が同3.0%減の16億50百万円、経常利益が同1.3%減の16億60百万円、純利益が同16.2%増の9億70百万円としている。配当予想(4月27日公表)は同2円増配の年間30円(期末一括)で予想配当性向は24.3%となる。3期連続の増配で配当額は上場後の最高となる。

 売上面ではJFEスチール向けや一般顧客向けが好調に推移して増収、営業利益と経常利益は開発労務費の増加に加えて、製鉄所業務プロセス改革対応や基盤サービス事業強化といった戦略的先行投資コストを勘案して減益、純利益は15年度税制改正の影響で増益見込みとしている。

 事業別売上高の計画を見ると、鉄鋼は下期にJFEスチール製鉄所システム刷新に着手して同11億円増加の166億円、一般顧客は複合ソリューション拡大で同8億円増加の141億円、基盤サービスはJFEグループ会社向けが寄与して同1億円増加の29億円、子会社が機器販売からサービス分野にシフトして同横ばいの42億円としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が45.5%、営業利益が30.6%、経常利益が29.8%、純利益が29.0%である。やや低水準の形だが、第4四半期の構成比が高い収益構造であり、企業の高水準なIT投資、鉄鋼向け案件の規模拡大、複合ソリューションの収益改善なども考慮すれば、16年3月期会社予想は保守的な印象も強く、増額余地があるだろう。

■ウェブサイトの受賞相次ぐ

 なお15年7月、当社ウェブサイトがモーニングスターによる「GomezIRサイトランキング2015」において総合91位を獲得し、銅賞を受賞したと発表している。

 また12月15日には当社ウェブサイトが、日興アイ・アール「2015年度全上場企業ホームページ充実度ランキング」で最優秀サイト、大和インベスター・リレーションズ「2015年インターネットIR表彰」で優良賞を受賞したと発表している。

■株価は調整一巡して戻り歩調

 株価の動きを見ると、8月下旬〜11月中旬の直近安値圏1100円台で調整が一巡して戻り歩調の展開だ。12月7日と8日には1263円まで上伸した。

 12月16日の終値1205円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS123円52銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1309円13銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約95億円である。

 日足チャートで見ると上向きに転じた25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。調整が一巡して強基調に転換したようだ。16年3月期通期業績予想に増額余地があり、3期連続増配予想や指標面の割安感も評価材料である。1月の年初来高値1400円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月20日更新]

JFEシステムズは16年3月期業績予想に増額余地、指標面に割安感

 JFEシステムズ<4832>(東2)は鉄鋼向けシステム構築を主力とする情報サービス企業である。株価は調整が一巡して強基調に転換する動きのようだ。16年3月期通期業績予想にも増額余地があり、3期連続増配予想や指標面の割安感も評価材料だ。モミ合い上放れて1月の年初来高値1400円を目指す展開だろう。

■JFEスチール系の情報サービス企業

 川崎製鉄(現JFEスチール)のシステム部門を分離した情報サービス企業である。鉄鋼向け情報システム構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業や、自社開発のプロダクト・ソリューション事業も強化している。

 なお13年5月に大阪ガス<9532>子会社オージス総研と協業、ビジネスブレイン太田昭和<9658>と資本・業務提携している。

■中期経営計画で18年3月期EPS150円以上目指す

 16年3月期スタートの新中期経営計画では、高収益事業への構造転換を目指して、目標数値に最終年度18年3月期の売上高400億円以上、経常利益20億円以上、純利益12億円以上、EPS150円以上を掲げている。

 重点課題は、JFEスチール製鉄所業務プロセス改革に向けたシステム刷新の遂行、ERPに自社ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業の拡大、基盤サービス事業の拡大に向けたクラウドサービスの立ち上げとして、自動車など製造業顧客基盤の拡大、e−文書(電子帳票)ソリューションなど自社プロダクト拡販の推進も継続する。

 JFEスチール製鉄所の業務プロセス改革への対応で多くの技術・ノウハウを蓄積し、基盤サービス事業やソリューション事業に活用して一般顧客向け売上拡大を目指す戦略だ。製造業向けERPなど基幹系システムやサプライチェーン計画系システムに組み合わせて拡販し、高収益な事業構造への転換を推進する。

■鉄鋼はJFE製鉄所システム刷新に対応

 鉄鋼事業ではJFEグループの海外展開を支援すべく、タイCGL(溶融亜鉛めっきライン)工場向けで開発した海外製造拠点向け標準システムを、インドネシアCGL工場へ導入中だ。

 そしてJFEスチール製鉄所の業務プロセス改革に向けて、システムを刷新して生産管理システムの高度化・共通化を推進する。16年からの本格対応に向けて製鉄所システムプロジェクトを新設し、JFEスチールの製鉄所業務プロセス改革斑との連携を強化している。

■一般顧客向け複合ソリューションを拡大

 ERPに自社ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューションでは、自動車メーカー向けなどに新規受注が増加している。さらなる事業拡大に向けてアライアンス戦略も積極活用している。

 15年6月にはセールスフォース・ドットコム社と、同社のクラウド・アプリケーション「Sales Cloud」およびクラウド・アプリケーション開発基盤「Force.com」に関する販売パートナー契約を締結した。

 同社の「Force.com」を利用して親会社JFEスチール向けに「販売情報共有システム」を構築した実績を持ち、15年5月には経済産業省と東京証券取引所が企画する「攻めのIT経営銘柄」(18銘柄)にJFEホールディングス<5411>が選定された。JFEスチールの「販売情報共有システム」が選考のポイントの一つとして挙げられている。

 また15年9月には、ITホールディングス<3626>グループのTISと、当社のデータ分析基盤構築テンプレート「KPIMart(ケイピーアイマート)」の販売代理店契約を締結した。ビジネス・インテリジェンス(BI)およびデータウェアハウス(DWH)分野で協業し、製造業への一層の販路拡大を図る方針だ。

■食品の品質情報管理分野のデファクト化目指す

 食の安全・安心を支える食品業界全体の品質情報管理向上への取り組みを強化している。15年7月には自社開発「MerQurius Net(メルクリウスネット)原料規格書サービス」登録サプライヤ企業が3000社を超えた。原料規格書は食品メーカーがサプライヤから購入する原料の品質に係る情報である。

 さらに15年10月には、食品品質情報管理ソリューション「MerQurius」のクラウドサービス「MerQurius クラウド」の販売を開始した。16年1月からサービス開始する。

 製菓、冷凍食品、調味料など大手食品メーカー中心に200社以上の利用実績を持つ「MerQurius」をクラウド環境で利用可能とするもので、同時に加入する「MerQurius Net 原料規格書サービス」と連携して原料規格書の授受を効率化する。クラウドサービスによって売上高100億円未満の中堅・中小食品メーカー約1200社をターゲットに拡販を推進してデファクト化を目指す方針だ。

■e−文書(電子帳票)ソリューション分野も強化

 15年10月には、電子帳票システム「FiBridge2」事例として、第一生命保険<8750>の導入事例を公開している。

 また11月17日には、シーイーシー<9692>と税務関係書類の管理分野において提携し、両社が強みとする製品を組み合わせた電子データ化・長期保存ソリューションの提供を開始すると発表した。

■厚生労働省「均等・両立推進企業表彰」で東京労働局長賞を受賞

 なお15年10月に、厚生労働省が実施する平成27年度「均等・両立推進企業表彰」の均等推進企業部門において「東京労働局長奨励賞」を受賞したと発表している。

 「均等・両立推進企業表彰」は「女性労働者の能力発揮を促進するための積極的な取組」(ポジティブ・アクション)および「仕事と育児・介護との両立を支援する取組」について、他の模範ともいうべき取組を推進している企業を「均等・両立推進企業」として表彰するもので、平成27年度東京労働局長賞は当社を含めて5社が選定された。

■第4四半期の構成比が高い収益構造

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)77億69百万円、第2四半期(7月〜9月)89億33百万円、第3四半期(10月〜12月)84億38百万円、第4四半期(1月〜3月)106億67百万円、営業利益は第1四半期83百万円の赤字、第2四半期5億28百万円、第3四半期4億77百万円、第4四半期7億79百万円だった。

 第4四半期の構成比が高い収益構造である。そして営業損益は改善基調である。また15年3月期の配当性向は26.3%だった。ROEは14年3月期比2.5ポイント上昇して8.4%、自己資本比率は同1.8ポイント低下して49.5%となった。

■16年3月期第2四半期累計は計画超、通期も増額余地

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.9%増の171億86百万円で、営業利益が同13.6%増の5億05百万円、経常利益が同14.9%増の4億95百万円、純利益が同18.6%増の2億81百万円だった。

 下期売上計上予定の高収益案件の前倒しが寄与して、期初計画の減益予想から一転して増益となった(10月19日に増額修正)。前年同期との比較で見ると、売上は鉄鋼がほぼ横ばいだったが、自動車や金融向けの一般顧客が増収だった。売上総利益率(17.3%)は鉄鋼事業の先行投資で同0.3ポイント低下したが、販管費比率(14.3%)は同0.6ポイント低下した。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)80億12百万円、第2四半期(7月〜9月)91億74百万円、営業利益は第1四半期56百万円、第2四半期4億49百万円だった。

 通期の連結業績予想は前回予想(4月27日公表)を据え置いて売上高が前期比5.6%増の378億円、営業利益が同3.0%減の16億50百万円、経常利益が同1.3%減の16億60百万円、純利益が同16.2%増の9億70百万円としている。配当予想は同2円増配の年間30円(期末一括)で、予想配当性向は24.3%となる。3期連続の増配で配当額は上場後の最高となる。

 売上面ではJFEスチール向けや一般顧客向けが好調に推移して増収、営業利益と経常利益は開発労務費の増加に加えて、製鉄所業務プロセス改革対応や基盤サービス事業強化といった戦略的先行投資コストを勘案して減益、純利益は15年度税制改正の影響で増益見込みとしている。

 事業別売上高の計画は、鉄鋼が下期にJFEスチール製鉄所システム刷新に着手して同11億円増加の166億円、一般顧客が複合ソリューション拡大で同8億円増加の141億円、基盤サービスがJFEグループ会社向けが寄与して同1億円増加の29億円、子会社が機器販売からサービス分野にシフトして同横ばいの42億円としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が45.5%、営業利益が30.6%、経常利益が29.8%、純利益が29.0%である。やや低水準の形だが、第4四半期の構成比が高い収益構造であり、企業の高水準なIT投資、鉄鋼向け案件の規模拡大、複合ソリューションの収益改善なども考慮すれば、16年3月期会社予想は保守的な印象も強く、増額余地があるだろう。

■株価は調整一巡してモミ合い上放れ

 なお15年7月、当社ウェブサイトがモーニングスターによる「GomezIRサイトランキング2015」において総合91位を獲得し、銅賞を受賞したと発表している。

 株価の動きを見ると、9月の年初来安値1039円から反発して1100円〜1200円近辺でモミ合う展開だ。そして調整が一巡してモミ合い上放れの動きを強めている。

 11月19日の終値1167円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS123円52銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1309円13銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約92億円である。

 週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線突破の動きを強めている。調整が一巡して強基調に転換する動きのようだ。16年3月期通期業績予想にも増額余地があり、3期連続増配予想や指標面の割安感も評価材料だ。モミ合い上放れて1月の年初来高値1400円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月20日更新]

JFEシステムズは16年3月期第2四半期累計業績予想を大幅増額修正

 JFEシステムズ[4832](東2)は鉄鋼向けシステム構築を主力とする情報サービス企業である。19日の取引時間中に16年3月期第2四半期累計(4月〜9月)連結業績予想の大幅増額修正を発表し、株価はこれを好感する動きとなった。16年3月期通期業績予想にも増額余地があり、3期連続増配予想や指標面の割安感も評価材料だ。8月下旬〜9月中旬の年初来安値圏で調整が一巡して出直り展開だろう。なお10月27日に第2四半期累計の業績発表を予定している。

■JFEスチール系の情報サービス企業

 川崎製鉄(現JFEスチール)のシステム部門を分離した情報サービス企業である。鉄鋼向け情報システム構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業や、自社開発のプロダクト・ソリューション事業も展開している。

 鉄鋼事業ではJFEグループの海外展開を支援すべく、タイCGL(溶融亜鉛めっきライン)工場向けで開発した海外製造拠点向け標準システムを、インドネシアCGL工場へ導入中だ。

 また「食の安全・安心」を支える食品業界全体の品質情報管理向上への取り組みを加速している。15年8月には自社開発・販売の原料規格書収集クラウドサービス「MerQurius Net(メルクリウスネット)原料規格書サービス」の加入企業が100社に達し、サプライヤ企業が3000社を超えた。原料規格書は食品メーカーがサプライヤから購入する原料の品質に係る情報である。そして新たに「MerQurius Net原料規格書管理サービス」を開始する。

 なお10月14日には、電子帳票システム「FiBridge2」事例として、第一生命保険<8750>の導入事例を公開している。

■アライアンスも強化

 アライアンス戦略では、13年5月に大阪ガス<9532>子会社オージス総研と協業、ビジネスブレイン太田昭和<9658>と資本・業務提携した。

 15年5月にはセールスフォース・ドットコム社と、同社のクラウド・アプリケーション「Sales Cloud」およびクラウド・アプリケーション開発基盤「Force.com」に関する販売パートナー契約を締結した。

 同社の「Force.com」を利用して、親会社JFEスチール向けに「販売情報共有システム」を構築した実績を持つ。そして15年5月には、経済産業省と東京証券取引所が企画する「攻めのIT経営銘柄」(18銘柄)にJFEホールディングス<5411>が選定された。JFEスチールの「販売情報共有システム」が選考のポイントの一つとして挙げられている。

 15年9月には、ITホールディングス<3626>グループのTISと、当社のデータ分析基盤構築テンプレート「KPIMart(ケイピーアイマート)」の販売代理店契約を締結した。ビジネス・インテリジェンス(BI)およびデータウェアハウス(DWH)分野での協業を開始する。

■中期計画で18年3月期EPS150円以上目指す

 16年3月期スタートの新中期計画では、目標数値として最終年度18年3月期の売上高400億円以上、経常利益20億円以上、純利益12億円以上、EPS150円以上を掲げている。

 重点課題をJFEスチール製鉄所業務プロセス改革への対応、ERPを核とした製造流通向けソリューション事業の拡大、基盤サービス事業の拡大に向けたクラウドサービスの立ち上げとして、自動車など製造業顧客基盤の拡大や、電子帳簿(e−文書保存ソリューション)など自社プロダクト拡販の推進も継続する。

 JFEスチール製鉄所の業務プロセス改革への対応で多くの技術・ノウハウを蓄積し、基盤事業やソリューション事業に活用して一般顧客向け売上拡大を目指す戦略だ。製造業向けERPなど基幹系システムやサプライチェーン計画系システムに組み合わせて拡販し、高収益な事業構造への転換を推進する。

■厚生労働省「均等・両立推進企業表彰」で東京労働局長賞を受賞

 なお10月5日に、厚生労働省が実施する平成27年度「均等・両立推進企業表彰」の均等推進企業部門において「東京労働局長奨励賞」を受賞したと発表している。

 「均等・両立推進企業表彰」は「女性労働者の能力発揮を促進するための積極的な取組」(ポジティブ・アクション)および「仕事と育児・介護との両立を支援する取組」について、他の模範ともいうべき取組を推進している企業を「均等・両立推進企業」として表彰するもので、平成27年度東京労働局長賞は当社を含めて5社が選定された。

■第4四半期の構成比が高い収益構造

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)77億69百万円、第2四半期(7月〜9月)89億33百万円、第3四半期(10月〜12月)84億38百万円、第4四半期(1月〜3月)106億67百万円、営業利益は第1四半期83百万円の赤字、第2四半期5億28百万円、第3四半期4億77百万円、第4四半期7億79百万円だった。

 第4四半期の構成比が高い収益構造である。そして営業損益は改善基調である。また15年3月期の配当性向は26.3%だった。ROEは14年3月期比2.5ポイント上昇して8.4%、自己資本比率は同1.8ポイント低下して49.5%となった。

■16年3月期第2四半期累計を増額修正、通期も増額余地

 10月19日に今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)連結業績予想の増額修正を発表した。前回予想(4月27日公表)に対して、売上高は80百万円増額して前年同期比2.9%増の171億80百万円、営業利益は1億60百万円増額して同12.4%増の5億円、経常利益は1億50百万円増額して同13.7%増の4億90百万円、純利益は90百万円増額して同18.2%増の2億80百万円とした。

 各利益は大幅増額修正で、期初計画の減益予想から一転して増益となった。高収益案件の前倒しで収益が改善したとしている。

 通期の連結業績予想は前回予想(4月27日公表)を据え置いて売上高が前期比5.6%増の378億円、営業利益が同3.0%減の16億50百万円、経常利益が同1.3%減の16億60百万円、純利益が同16.2%増の9億70百万円としている。配当予想は同2円増配の年間30円(期末一括)で、予想配当性向は24.3%となる。また3期連続の増配で配当額は上場後の最高となる。

 売上面はJFEスチール向けや製造流通向けが好調に推移して増収、営業利益と経常利益は開発労務費の増加に加えて、製鉄所業務プロセス改革対応や基盤サービス事業強化といった戦略的先行投資コストを勘案して微減益、純利益は15年度税制改正の影響で増益見込みとしている。

 事業別売上高の計画は、JFEスチールのIT投資増加で鉄鋼が同14.5億円増加の196億円、製造流通向け複合ソリューションの拡大で一般顧客が同5.5億円増加の140億円、子会社が同横ばいの42億円としている。

 なお第1四半期(4月〜6月)は、売上高が前年同期比3.1%増の80億12百万円、営業利益が56百万円(前年同期は83百万円の赤字)、経常利益が63百万円(同75百万円の赤字)、純利益が25百万円(同61百万円の赤字)だった。

 売上面では製造流通向けおよび金融向けが好調に推移し、利益面では増収効果に加えて、自社プロダクト事業の利益率改善や販管費抑制などが寄与して各利益とも黒字化した。売上総利益率は16.2%で同1.0ポイント改善、販管費比率は15.5%で同0.8ポイント改善した。

 通期会社予想に対する第2四半期累計(修正後)の進捗率を見ると、売上高45.5%、営業利益30.3%、経常利益29.5%、純利益28.9%である。第4四半期の構成比が高い収益構造であり、売上総利益率の改善、企業の高水準なIT投資、鉄鋼向け案件の規模拡大、複合ソリューションの収益改善なども考慮すれば、16年3月期会社予想は保守的な印象も強く増額余地があるだろう。

■株価は第2四半期増額修正を好感、調整一巡して出直り

 なお15年7月、当社ウェブサイトがモーニングスターによる「GomezIRサイトランキング2015」において総合91位を獲得し、銅賞を受賞したと発表している。

 株価の動きを見ると下値を切り上げる展開だ。悪地合いの影響を受けた8月下旬〜9月中旬の年初来安値圏1050円近辺で調整が一巡したようだ。そして10月19日は第2四半期累計業績予想の増額修正を好感して前日比74円(6.61%)高の1194円まで急伸する場面があった。

 10月19日の終値1148円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS123円52銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1309円13銭で算出)は0.9倍近辺である。なお時価総額は約90億円である。

 週足チャートで見ると下値を切り上げて13週移動平均線突破の動きを強めている。調整が一巡して強基調に転換する動きのようだ。16年3月期通期業績予想にも増額余地があり、3期連続増配予想や指標面の割安感も評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
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