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[4275]カーリットホールディングス

[2月24日更新]

カーリットホールディングスは26日に新中期経営計画を発表予定、16年3月期の収益改善期待で1月高値を試す

 自動車用緊急保安炎筒などを展開するカーリットホールディングス[4275](東1)の株価は1月高値から反落しましたが、第3四半期累計(4月〜12月)の減益に対するネガティブ反応は限定的で、自律調整一巡感を強めています。低PBRも評価材料であり、来期(16年3月期)の収益改善期待で1月高値を試す展開が想定されます。なお2月26日に「新中期経営計画発表会」を予定しています。

 日本カーリットが株式移転で設立した純粋持株会社が13年10月東証1部市場に上場しました。日本カーリットなど傘下の事業会社で、化学品事業(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、信号炎管、化成品関連、電子材料・機能性材料、危険性評価試験受託、2次電池試験受託など)、ボトリング事業、産業用部材事業(半導体用シリコンウェーハ、研削材、耐火・耐熱金物、スプリングワッシャー)を展開しています。

 自動車用緊急保安炎筒は新車装着用・車検交換用を展開し、国内市場シェアは約8〜9割と想定されています。ボトリング事業は伊藤園<2593>向けが主力です。半導体用シリコンウェーハは小口径4〜6インチのニッチ市場を主力としています。海外は中国・上海、シンガポールに展開しています。

 前中期経営計画「飛躍500」では「事業領域の拡大、市場の拡大、シェアの拡大という、3つの拡大戦略により売上高500億円の化学会社への成長」を基本方針として、グループ収益基盤と総合力強化に向けたM&A戦略で事業の多様化を推進しました。

 12年1月に工業用塗料販売・塗装工事の富士商事、12年8月に耐火・耐熱金物製造販売の並田機工、13年10月に一級建築士事務所の総合設計を子会社化しました。さらに14年2月には東洋発條工業を子会社化しました。自動車・建設機械向けを中心とした各種スプリング分野に展開し、耐火・耐熱金物の並田機工などと合わせた産業用部材事業を新たな収益柱とする方針です。

 2月3日に発表した今期(15年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は売上高が前年同期比14.7%増の332億48百万円、営業利益が同35.5%減の5億95百万円、経常利益が同31.3%減の6億91百万円、純利益が同4.3%減の5億16百万円となりました。

 新規連結子会社ののれん償却を含む販管費の増加、新規事業の受託試験設備の償却負担、ボトリング事業での設備メンテナンスなどが影響して減益となりましたが、産業用部材事業での新規顧客の獲得や、東洋発條工業の新規連結も寄与して大幅増収となりました。

 セグメント別の売上動向を見ると、化学品事業は同8.6%増収となりました。化薬分野で自動車用緊急保安炎筒が国内新車販売低迷の影響などで減収となりましたが、化成品分野ではHU−Aロケット用過塩素酸アンモニウム、電子材料分野では電池材料向け過塩素酸リチウムなどが増収となりました。

 ボトリング事業は同1.7%減収となりました。消費増税や天候不順の影響で国内飲料市場全体が低迷して受託生産量が減少しました。産業用部材事業は同94.1%増収となりました。並田機工の耐火・耐熱金物が都市ごみ焼却施設の補修工事向けや東日本大震災のがれき仮設焼却場向けに増加し、東洋発條工業の連結も寄与しました。

 通期の連結業績見通しは前回予想(5月15日公表)を据え置いて売上高が前期比18.0%増の470億円、営業利益が同0.3%増の16億円、経常利益が同1.4%増の17億円、純利益が同28.1%減の9億円、配当予想が前期と同額の年間10円(期末一括)としています。M&A効果も寄与して増収見込みです。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)106億67百万円、第2四半期(7月〜9月)115億52百万円、第3四半期(10月〜12月)110億29百万円です。そして営業利益は第1四半期54百万円の赤字に対して、第2四半期2億67百万円、第3四半期3億82百万円となりました。営業損益は改善基調を鮮明にしています。

 来期(16年3月期)は消費増税の影響なども概ね一巡し、緊急脱出用ガラス破壊器具付き自動車用緊急保安炎筒「ハイフレヤープラスピック」の拡販、2次電池充放電受託試験の本格稼働に伴う収益化、工業薬品のシェア拡大、光機能性材料の車載用・建材用熱線遮蔽フィルムの拡販、ボトリング事業での新商品受注、並田機工のごみ焼却場向け需要増加、東洋発條工業の寄与などで収益改善が期待されます。

 なお創業100周年の18年度を最終年度とする「新中期経営計画」を2月26日に発表予定としています。次なる100年の礎となる事業基盤を確立するため「基盤商品・事業の拡充」「グループ体制の信頼性向上、安全の徹底」「事業領域を超える戦略的な事業開発と市場開拓」「ガバナンスの強化」を重点施策と位置付ける方針です。M&A戦略も奏功して中期的に収益拡大基調が期待されます。

 14年12月24日発表した自己株式取得(取得株式総数の上限40万株、取得価額総額の上限2億60百万円、取得期間15年1月7日〜4月30日)については、2月4日時点で累計取得株式総数38万2500株、取得価額総額2億5995万8700円に達したため終了しました。

 株価の動きを見ると、1月高値722円から利益確定売りで反落しましたが自律調整の範囲と考えられます。取引時間中に第3四半期累計業績を発表した2月3日は前日比24円安となりましたが、翌4日には前日比24円高と切り返し、その後も高値圏650円〜700円近辺で推移しています。第3四半期累計の減益に対するネガティブ反応は限定的で、今期利益下振れの可能性はほぼ織り込み済みのようです。

 2月23日の終値649円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS43円71銭で算出)は15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS922円98銭で算出)は0.7倍近辺です。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を一旦割り込みましたが、週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近して再動意のタイミングのようです。0.7倍近辺の低PBRも評価材料であり、来期の収益改善期待で1月高値を試す展開が想定されます。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月19日更新]
カーリットホールディングスは強基調で14年6月高値に接近、自己株式取得や低PBRを評価して上値試す 自動車用緊急保安炎筒などを展開するカーリットホールディングス<4275>(東1)の株価は、戻り高値を突破して14年6月高値685円に接近している。強基調の形であり、自己株式取得や0.7倍近辺の低PBRを評価して上値を試す展開だろう。

日本カーリットが純粋持株会社を設立して13年10月東証1部市場に上場した。化学品事業(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、化成品関連、電子材料・機能性材料、信号炎管、危険性評価試験受託、2次電池試験受託など)、ボトリング事業、産業用部材事業(半導体用シリコンウェーハ、研削材、耐火・耐熱金物、スプリングワッシャー)を展開している。

自動車用緊急保安炎筒は新車装着用・車検交換用を展開し、国内市場シェアは約8〜9割と想定されている。ボトリング事業は伊藤園<2593>向けが主力だ。半導体用シリコンウェーハは小口径4〜6インチのニッチ市場を主力としている。海外は中国・上海、シンガポールに展開している。

前中期経営計画「飛躍500」では「事業領域の拡大、市場の拡大、シェアの拡大という、3つの拡大戦略により売上高500億円の化学会社への成長」を基本方針として、グループ収益基盤と総合力強化に向けたM&A戦略を積極展開して事業を多様化してきた。

12年1月に工業用塗料販売・塗装工事の富士商事、12年8月に耐火・耐熱金物製造販売の並田機工、13年10月に一級建築士事務所の総合設計を子会社化した。そして14年2月には東洋発條工業を子会社化した。自動車・建設機械向けを中心とした各種スプリング分野に展開し、耐火・耐熱金物の並田機工などと合わせた産業用部材事業を新たな収益柱とする方針だ。

そして次なる100年企業への礎作りとして、18年度を最終年度とする新中期経営計画を15年2月に発表予定としている。M&A戦略も奏功して中期的に収益拡大基調だろう。

今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月15日公表)は売上高が前期比18.0%増の470億円、営業利益が同0.3%増の16億円、経常利益が同1.4%増の17億円、純利益が同28.1%減の9億円、配当予想が前期と同額の年間10円(期末一括)としている。M&A効果も寄与して増収見込みだ。

第2四半期累計(4月〜9月)は、持株会社移行前の日本カーリットの前年同期との比較で、新規連結子会社ののれん償却、新規事業の受託試験設備の償却負担、ボトリング事業での設備メンテナンスなどが影響して減益だったが、産業用部材事業での新規顧客の獲得や東洋発條工業の新規連結も寄与して増収だった。

通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は低水準だが、通期ベースでは緊急脱出用ガラス破壊器具付き自動車用緊急保安炎筒「ハイフレヤープラスピック」の拡販、新規事業の2次電池充放電受託試験の本格稼働、工業薬品のシェア拡大、光機能性材料の車載用・建材用熱線遮蔽フィルムの拡販、ボトリング事業での生産性向上、並田機工のごみ焼却場向け需要増加、新規連結の東洋発條工業の寄与などで挽回が期待される。

なお12月24日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限40万株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合1.94%)、取得価額総額の上限2億60百万円、取得期間15年1月7日〜4月30日としている。

株価の動きを見ると戻り高値を突破して上伸している。12月17日の直近安値565円から切り返し、12月29日に638円を付けて12月8日の戻り高値630円を突破した。そして1月15日には652円まで上伸して14年6月高値685円に接近している。

1月16日の終値645円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS43円71銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS922円98銭で算出)は0.7倍近辺である。

週足チャートで見ると、26週移動平均線近辺から切り返して戻り高値を突破した。サポートラインを確認して強基調の形だ。自己株式取得や0.7倍近辺の低PBRを評価して14年6月高値685円を試す展開だろう。

(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月24日更新]
カーリットホールディングスは12月8日の戻り高値から一旦反落したが切り返しの動き、低PBRも評価して上値試す

 自動車用緊急保安炎筒などを展開するカーリットホールディングス<4275>(東1)の株価は、12月8日の戻り高値630円から利益確定売りなどで一旦反落したが、足元では切り返しの動きを強めている。0.6倍近辺の低PBRも評価材料として上値を試す展開だろう。6月の高値685円も視野に入りそうだ。

 日本カーリットが純粋持株会社を設立して13年10月東証1部市場に上場した。化学品事業(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、信号炎管、危険性評価試験受託、2次電池試験受託、化成品関連、電子材料・機能性材料など)、ボトリング事業、産業用部材事業(半導体用シリコンウェーハ、研削材、耐火・耐熱金物、スプリングワッシャー)を展開している。

 自動車用緊急保安炎筒は新車装着用・車検交換用を展開し、国内市場シェアは約8割と想定されている。ボトリング事業は伊藤園 <2593> 向けが主力だ。半導体用シリコンウェーハは小口径4〜6インチのニッチ市場を主力としている。海外は中国・上海、シンガポールに展開している。

 前中期経営計画「飛躍500」では「事業領域の拡大、市場の拡大、シェアの拡大という、3つの拡大戦略により売上高500億円の化学会社への成長」を基本方針として、グループ収益基盤と総合力強化に向けたM&A戦略を積極展開して事業を多様化してきた。

 12年1月に工業用塗料販売・塗装工事の富士商事、12年8月に耐火・耐熱金物製造販売の並田機工、13年10月に一級建築士事務所の総合設計を子会社化した。そして14年2月には東洋発條工業を子会社化した。自動車・建設機械向けを中心とした各種スプリング分野に展開し、耐火・耐熱金物の並田機工などと合わせた産業用部材事業を新たな収益柱とする方針だ。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(5月15日公表)を据え置いて売上高が前期比18.0%増の470億円、営業利益が同0.3%増の16億円、経常利益が同1.4%増の17億円、純利益が同28.1%減の9億円、配当予想が前期と同額の年間10円(期末一括)としている。M&A効果も寄与して大幅増収見込みだ。

 第2四半期累計(4月〜9月)は、売上高が222億19百万円、営業利益が2億13百万円、経常利益が2億54百万円、純利益が2億83百万円だった。前年同期は持株会社移行前のため、日本カーリットの前年同期との比較で見ると16.0%増収、63.7%営業減益、60.3%経常減益、25.7%最終減益だった。

 新規連結子会社ののれん償却、新規事業の受託試験設備の償却負担、ボトリング事業での設備メンテナンスなどが影響して減益だったが、産業用部材事業での需要拡大、新製品上市や東洋発條工業の新規連結も寄与して増収だった。なお営業利益と経常利益は期初計画を下回ったが、売上高は期初計画を上回り、純利益は保土ヶ谷工場跡地譲渡による固定資産売却益2億74百万円が寄与して期初計画を上回った。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は、ボトリング事業のメンテナンス費用の発生等あり低水準だが、通期ベースでは緊急脱出用ガラス破壊器具付き自動車用緊急保安炎筒「ハイフレヤープラスピック」の拡販、新規事業の2次電池充放電受託試験の本格稼働、工業薬品のシェア拡大、光機能性材料の車載用・建材用熱線遮蔽フィルムの拡販、ボトリング事業での新商品受注、並田機工のごみ焼却場向け需要増加などで挽回が期待される。

 なお次なる100年企業への礎作りとして、18年度を最終年度とする新中期経営計画を15年2月に発表予定としている。M&A戦略も奏功して中期的に収益拡大基調だろう。

 株価の動き(12月9日付で貸借銘柄)を見ると、10月17日の直近安値518円から切り返し、12月8日の戻り高値630円まで上伸した。その後は利益確定売りなどで一旦反落したが、12月17日の565円から切り返しの動きを強めている。

 12月22日の終値587円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS43円71銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS922円98銭で算出)は0.6倍近辺である。

 週足チャートで見ると、26週移動平均線近辺で下ヒゲを付けて反発の動きを強めている。下値を切り上げる形でありサポートラインを確認したようだ。0.6倍近辺の低PBRも評価材料として上値を試す展開だろう。6月の高値685円も視野に入りそうだ。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
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