NY73ドル高と上昇、米中首脳会談を注視

28日のNYダウ工業株30種平均は4日ぶりに反発し、前日比73ドル38セント高の2万6599ドル96セントで終えた。
 
ロイター通信によれば、ダウは6月月間としては1938年以来、81年ぶりの上昇率となった。同指数はこの日、中盤に一時110ドル超上昇したものの、米中首脳会談を29日に控えて様子見姿勢が広がる中、上値は重かった。
 
会談では米政権による対中制裁関税「第4弾」の発動見送りが焦点となっている。トランプ米大統領はこの日、追加関税の棚上げについて「(中国側と)約束していない」と強調する一方、「生産的な会談になる」との期待感を表明。この他、ショート米副大統領首席補佐官は「米中の協議再開が(会談の)最良のシナリオ」との見方を記者団に語った。
 
この日は金融株の上昇も相場を支えた。27日に米連邦準備理事会(FRB)が米金融大手の資本計画を承認した。自社株買いや増配などを発表したJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスが2銘柄でダウ平均を約55ドル押し上げた。
 
また、米消費関連の指標を受けて、米個人消費の増加基調が続くとの見方が広がったのも投資家心理の好転につながった。同日発表の5月の米個人消費支出(PCE)は市場予想に届かなかったが、4月分が上方修正された。個人所得は市場予想以上に増え、物価指標であるPCEデフレーターも落ち着いていた。6月の消費者態度指数(ミシガン大学調べ)確報値も市場予想を上回った。
 
一方で、米中首脳会談の結果を見極めたいとの様子見ムードから午後は上値が重くなる場面が多かった。デザイン部門のトップをつとめるジョニー・アイブ氏が年内までに独立すると発表したアップルが下げた。経営幹部の入れ替えを発表した医療保険のユナイテッドヘルス・グループも売られ、ダウ平均の重荷となった。
 
月末や期末で機関投資家が運用成績を良くみせるための「お化粧買い」を入れたとの指摘もあった。ダウ平均は取引終了間際に一時111ドル高まで上げ幅を広げた。ダウ平均の6月の上昇幅は1784ドルとなり、月間として過去最大だった。
 
セクター別では、銀行や運輸が上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、同38.485ポイント高の8006.244で終えた。アルファベットやフェイスブックなどが買われた
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,599.96+73.38
S&P500種
2,941.76+16.84
ナスダック
8,006.244+38.485
NY金(ドル/トロイオンス)
1,413.70+1.70   
NY原油(ドル/バレル)
58.20-1.23
円・ドル
107.88 – 107.89-0.16

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続伸した。
9月物は前日比95円高の2万1305円とこの日の高値で終え、大阪取引所の終値を45円上回った。米
中首脳会談を29日に控え、米中貿易協議の進展期待が強まり日経平均先物は買われた。
トランプ米大統領は28日に、習近平(シー・ジンピン)中国・国家主席との会談が生産的なものになると述べた。9月物の安値は2万1155円だった。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21305 ( +85 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21320 ( +100 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日の終値に比べ23.30ポイント高の7425.63で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
鉱業株と不動産関連株が軒並み上昇した。一方で石油株に売りが広がった。
不動産関連株ではバークリー・グループは4.2%高をはじめ住宅建設株や不動産投資信託(REIT)のブリティッシュ・ランドの上げが目立った。次期英首相候補で優位を保つジョンソン前外相が首相に選ばれた場合、欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」事態に備えて、緊急予算案で取得税など不動産関連の減税を検討しているとの英メディア報道を材料に買われた。
 
個別銘柄では、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループが5.0%高、アナリストが投資判断を引き上げたファッションのバーバリー・グループが4.2%高と高かった。
 
半面、英たばこ大手インペリアル・ブランズは2.3%安、英流通・アウトソーシング会社ブンズルは1.8%安、品質検査会社インターテックは1.4%安。英通信大手BTと英ホテル大手インターコンチネンタルホテルズグループはそれぞれ1.1%安とふるわなかった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日と比べて127.77ポイント高の12398.80だった。週末の米中首脳会談の進展期待などを背景に幅広い銘柄が買われた。米ストレステスト(健全性審査)に合格したドイツ銀行が大幅上昇し、相場をけん引した。
 
米連邦準備理事会(FRB)が27日に発表したストレステストの「包括的資本分析審査」で、ドイツ銀を含む18行の計画を認めた。ドイツ銀は過去の審査で不合格となっていたため、好感した買いが入った。
 
個別では、米中協議の進展期待からIT(情報技術)のSAPの上げも目立った。
一方で医薬・化学大手のメルクなど4銘柄が下落した。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,538.97 +45.36

 

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