3日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比236ドル08セント高の2万6664ドル40セントで終えた。
主力ハイテク株がM&A(合併・買収)などを材料に買われ、相場をけん引した。追加の米経済対策の協議が進展するとの期待や、米国でコロナ感染の鈍化が意識されたことも投資家のリスク選好姿勢を強めた。
ソフトウエアのマイクロソフトは2日、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業買収に向け、交渉を続けると表明した。トランプ米大統領は安全保障上の懸念から同アプリの禁止を視野に入れていたが、強硬策は当面回避する。買収への期待から
マイクロソフトが上場来高値を更新し、6%近く上げた。
また、株式分割を前週に発表し、個人投資家の買いが増えるとの観測からスマートフォンのアップルは2%超上昇。マイクロソフトとアップルの2銘柄でダウ平均を150ドルあまり押し上げた。
追加の米経済対策を巡る与野党協議が難航する中、家計への最大1200ドルの現金給付で合意したと伝わった。「協議の前進を受け投資家心理がやや上向いた」との声が聞かれた。
コロナの新規感染者数の伸びが弱まったことも買いを誘った。ピークでは7万人を大幅に超えていた米国の新規感染者数が2日に5万人を下回った。南部のアリゾナ州やフロリダ州では感染の増加ペースが鈍化したと伝わった。
米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した7月の米製造業景況感指数は前月から1.6ポイント上昇の54.2と1年4カ月ぶりの高水準となり、市場予想(53.8)も上回った。これを受け、投資家心理が上向いたとの指摘もあった。
セクター別では、ソフトウェアサービスや自動車・自動車部品が上昇した一方、不動産、公益事業が下落した。
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前週末比157.52ポイント高の1万0902.80と2週ぶりに過去最高値を更新した。顧客管理ソフトのセールスフォース・ドットコムなどソフトウエア銘柄が上昇した。エヌビディアとクアルコムがともに約4%上げるなど半導体株が買われ、ギリアド・サイエンシズなどバイオ製薬の一角も上げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,664.40+236.08
S&P500種
3,294.61+23.49
ナスダック
10,902.797+157.522
NY金(ドル/トロイオンス)
1,986.30+0.40
NY原油(ドル/バレル)
40.74-0.27
円・ドル
105.97 – 105.99+0.08
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は反発した。
9月物は前週末比465円高の2万2385円で引け、3日の大取終値を295円上回った。
政府の2兆ドル規模の追加財政策がいずれ成立するとの期待から、上昇して寄り付いた。7月ISM製造業景況指数が予想以上の改善を示したほか、ハイテク株が引き続き牽引し、上げ幅を拡大する展開となった。景気回復期待から米株高となり、日経平均先物にも買いが波及した。
3日の米株式市場でナスダック総合株価指数が過去最高値を更新した。
この日の9月物高値は2万2395円、安値は2万1870円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22385 ( +295 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22405 ( +315 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6032.85(+135.09)
3日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに大幅反発した。前週末の終値に比べ135.09ポイント高の6032.85で引けた。
この日のFT指数は安寄り後、序盤で反発に転じ、その後は一本調子で値を上げた。英通貨ポンド安も支援材料となった。
米国市場の株高が波及し、午後に上げ幅を拡大した。幅広い銘柄に買いが広がり、構成銘柄の約9割が上昇した。中国や米国、ユーロ圏で発表になった経済指標が軒並み改善したことで投資家心理が上向いた。
米株式市場でマイクロソフトが大幅高となり、英株市場でもソフトウエア関連株が買われた。時価総額の大きい鉱業株と石油株も高かった。
個別銘柄では、銀行のロイズ・バンキング・グループやナットウエスト・グループも大幅に上昇して引けた。英金融大手ナットウエスト・グループ(旧ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)は4.8%高、品質検査会社インターテックは4.5%高だった。
一方、上期決算が大幅減益を発表した英金融大手HSBCホールディングスは2.9%安とふるわなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12646.98(+333.62)
3日のドイツ株式指数(DAX)は5営業日ぶりに大幅反発した。終値は前週末と比べて333.62ポイント高の1万2646.98だった。下落したのは1銘柄だけだった。
3日朝に発表された7月のユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が速報値から上方修正されたほか、中国や米国の経済指標も改善したことで投資家のリスク選好が高まった。
自動車株に買いが集まった。下落したのはミュンヘン再保険だけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4875.93(+92.24)
