2日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前週末比97ドル31セント安の3万4838ドル16セントで終えた。欧州の株高などを受けて買いが先行したが、米長期金利が低下すると景気減速の懸念が強まり、景気敏感株を中心に売りが広がった。
朝方のダウはバイデン米政権が公約した成長戦略の実現をめぐる期待感が広がり、景気敏感株を中心に買いが膨らみ、一時取引時間中の史上最高値を更新。だが、午前に発表された米サプライ管理協会（ISM）の7月の製造業購買担当者景況指数（PMI）が前月から低下し、市場予想も下回ったため、投資家心理が悪化し、売り優勢の展開に転じた。
取引中盤以降は新型コロナ再拡大による景気への影響が懸念される中、弱含みに推移し、終盤に下げ幅をやや拡大した。ダウは史上最高値近辺で取引されているため、利食い売りが出やすい状況。ただ、企業決算が総じて堅調で今後も好業績が期待されており、底堅い展開が続いた。
長期金利は正午頃に前週末比0.07%低い1.15%まで下げる場面があった。米国では新型コロナウイルスのワクチンを接種済みの人にも感染が広がっている。集団免疫の獲得には時間がかかるとの見方が強まっており、景気減速を見越した債券買いが強まった。
原材料や労働力の不足が、米国の製造業の業績回復の勢いを抑えており、債券買い・株売りの材料になった。
化学のダウや建機のキャタピラー、航空機のボーイングなど景気敏感株が総じて安い。クレジットカードのビザやアメリカン・エキスプレス（アメックス）が売られ、ダウ平均の重荷になった。決済サービスのスクエアが、後払い決済サービスを提供するオーストラリアのアフターペイを買収すると1日に発表し、競争激化が警戒された。
ナスダック総合株価指数は小幅に反発した。前週末比8.391ポイント高の1万4681.069で終えた。電気自動車のテスラが買われた。7月30日に8%安と急落したネット通販のアマゾン・ドット・コムは小反発。一方、SNS（交流サイト）のフェイスブックは下げた。
NYダウ工業株30種（ドル）
34,838.16－97.31
S&P500種
4,387.16－8.10
ナスダック
14,681.069＋8.391
NY金（ドル/トロイオンス）
1,822.20＋5.00
NY原油（ドル/バレル）
71.55＋0.292日 18:02
円・ドル
109.31 – 109.33－0.35
【シカゴ日本株先物概況】
2日のシカゴ日経平均先物は小幅反発した。9月物は前週末比50円高の2万7500円で引け、2日の大取終値を240円下回った。
2日朝の市場で米株が上昇して始まり、日経平均先物も朝方に買われた。その後、新型コロナウイルス変異株（デルタ株）流行拡大を警戒し長期金利が再び2月来の水準に低下すると、景気減速懸念から売りに拍車がかかり、下落に転じた。2日発表の米サプライマネジメント協会（ISM）の7月の米製造業景況感指数が市場予想を下回り、投資家心理が悪化した。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27500 ( -240 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27525 ( -215 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7081．72（＋49．42）
2日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前週末の終値に比べ49.42ポイント高の7081.72で引けた。欧州主要国の株価指数も総じて堅調だった。日本や中国の株高などを受け、投資家のリスク選好機運が強まった。企業決算の発表が相次ぐ中、好業績銘柄を物色する動きも広がった。
構成銘柄の約9割が上昇した。アジアと欧州の株高に連動した。鉱業株の上昇が株価指数の上げに大きく影響した。
個別銘柄では、投資会社のメルローズ・インダストリーズは5%超上げた。航空機エンジンのロールス・ロイスの上昇も目立った。航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ（IAG）も3.2％高となるなど、航空関連株も堅調だった。
半面、銀行のHSBCホールディングスは、2021年1～6月期の純利益が前年同期比で大幅に増え午前は買われていたが、午後には下落に転じた。教育事業のピアソンは5%近く下げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15568．73（＋24．34）
2日のドイツ株式指数（DAX）は小幅に反発した。終値は前週末と比べて24.34ポイント（0.2%）高の1万5568.73だった。
個別では、アナリストが株価目標を引き上げたアディダスが買われた。半導体のインフィニオンテクノロジーズの上昇も目立った。保険のアリアンツは7%超下げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6675．90（＋63．14）
フランスの株価指数CAC40は上昇し、終値ベースで2000年9月以来の高値で引けた。
