NYダウ94ドル高、金利低下でハイテク株に買い

28日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比94ドル65セント(0.3%)高の3万4955ドル89セントで終えた。
新型コロナウイルスの感染が広がる中国・上海市の東半分で28日、事実上のロックダウン(都市封鎖)が導入された。中国経済の中心地でもある上海の都市封鎖を受け、原油需要が減退するとの警戒感が広がり、原油相場が急落した。
エネルギー株が売り込まれ、相場全体の重しとなったほか、ウクライナとロシアの停戦交渉をめぐる不透明感も根強く、朝方からダウは軟調に推移した。ほぼ終日マイナス圏で推移したが、長期金利の上昇一服を眺めてハイテク株が買われる中、引け際にプラス圏に浮上した。
業種別では一般消費財、IT、不動産が堅調。エネルギーが特に軟調だった。
 
米原油先物相場が終値で7%下落した。ガソリン高が消費を冷やすとの懸念が後退し、小売りのウォルマートやホームセンターのホーム・デポ、クレジットカードのビザなど消費関連銘柄が上昇した。
 
ハイテク株も高い。ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムは2%高で終え、ダウ平均を押し上げた。市場では「四半期末が近づき、年初来で相対的に下げが大きいハイテク株に持ち高調整の買いが続いている」との声があった。
 
米株は午前は売りが先行し、ダウ平均は昼ごろに309ドル安まで下げる場面があった。前週まで急上昇した反動で利益確定売りが出た。今週は2月の米個人消費支出(PCE)の物価指数、3月の米雇用統計が発表される。29日にはウクライナとロシアの停戦交渉が再開される見通しだ。これらの結果を見極めたい投資家も多く、午前中は上値を追う動きに欠けた。
 
米債券市場では長期債や超長期債の利回りが低下する一方、2年債や短期債の利回りは上昇し、利回り曲線が平たん化した。利ざや縮小につながるとの見方から金融のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスが下げた。原油相場の下落で石油のシェブロンも安い。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、前週末比185.602ポイント(1.3%)高の1万4354.902で終えた。株式分割の計画が明らかになった電気自動車のテスラが8%高で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや半導体のエヌビディアなど主力株が上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,955.89+94.65
S&P500種
4,575.52+32.46
ナスダック
14,354.902+185.602
FTウィルシャー5000
46,693.45+320.15
NY金(ドル/トロイオンス)
1,939.80-14.40
NY原油(ドル/バレル)
104.01-1.95
円・ドル
123.86 – 123.90-0.06
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

28日のシカゴ日経平均先物は小幅に下落した。6月物は前週末比35円安の2万8010円で引け、28日の大取終値を360円上回った。朝安で始まった。引けにかけ、ロシアとウクライナの2週間ぶりの対面協議を控えた停戦期待に下げ幅を縮小。さらに、金利低下に伴うハイテク株の上昇が相場を押し上げ、引けにかけプラス圏を回復した。日経平均先物は米株が上昇するにつれ、下げ幅を縮めた。
市場関係者は29日に開かれる見通しのロシアとウクライナの停戦交渉の行方に注目している。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28010 ( +360 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28060 ( +410 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7473.14(-10.21)
28日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前週末に比べ10.21ポイント(0.14%)安の7473.14で引けた。原油先物相場が下落し、エネルギー株の売りが指数を押し下げた。
FTSEの個別銘柄を見ると、原油安を受けて英石油大手シェル(2.3%安)、同BP(2.8安)が大幅安。先週末に急伸した英航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが10%超の下落となり、株価指数を押し下げた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14417.37(+111.61)
28日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前週末比111.61ポイント(0.78%)高の1万4417.37で終えた。原油先物相場の下落で、コスト高によるドイツの景気減速懸念が和らいだ。個別では、独商用車大手ダイムラー・トラックが3.7%高と堅調となった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6589.11(+35.43)
フランスCAC40種指数は0.54%高となった。ロシアとウクライナの停戦交渉に期待が広がった半面、中国・上海の都市封鎖(ロックダウン)で景気への悪影響に懸念も強まった。仏金融大手BNPパリバが2.1%高と締まった。

 

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