NYダウ94ドル安、インフレ上昇を警戒

15日のNYダウ工業株30種平均は続落した。前日比94ドル42セント(0.3%)安の3万4299ドル33セントで終えた。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)は15、16両日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催。FRBは最近のインフレ加速は「一時的」とみるが、市場では物価上昇を受けて早期の量的緩和縮小に警戒感も出ている。前日にナスダック総合指数が史上最高値を更新しており、買われ過ぎ感もあるハイテク株に利食い売りが膨らむ中、ダウは終日軟調な展開を維持した。
 
FOMCに関しては、テーパリング(資産購入の縮小)についてパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がどのように触れるか関心が高い。同時に示す政策金利見通しで、2023年の利上げ開始が示されるとの観測もある。
前日に堅調だったハイテク株は売りが優勢だった。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが売られ、スマートフォンのアップルも軟調だった。
 
米商務省が15日朝方に発表した5月の小売売上高は前月比1.3%減と市場予想(0.6%減)以上に減った。ホームセンターのホーム・デポやスポーツ用品のナイキなど消費関連株の一角が下げた。14日に2021年12月期通期の純金利収入見通しを引き下げた金融のJPモルガン・チェースは続落した。
 
ただ、FOMCを控えて売りの勢いは限られた。原油高を受けて石油のシェブロンが2%高となるなどエネルギー株が買われ、相場を下支えした。
 
前日に1カ月半ぶりに過去最高値を更新したナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日比101.286ポイント(0.7%安)の1万4072.857で終えた。主力のハイテク株が軟調だった。半導体株も総じて売られた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,299.33-94.42
S&P500種
4,246.59-8.56
ナスダック
14,072.857-101.286
NY金(ドル/トロイオンス)
1,856.40-9.50
NY原油(ドル/バレル)
72.43+0.31
円・ドル
110.05 – 110.07+0.01
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

15日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比85円高の2万9320円で引け、15日の大取終値を90円下回った。
NYダウは、16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え金融政策の先行きを見極めたいとの向きが多く、模様眺め気分が広がった。5月小売売上高が予想以上に鈍化したほか、生産者物価指数が予想を上回る伸びを示したことが警戒材料となり、寄り付き後、下落した。米株安が上値を抑えた一方、円が下げた局面で買われる場面もあった。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
29320 ( -90 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
29345 ( -65 )
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7172.48(+25.80)
15日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日の終値に比べ25.80ポイント(0.4%)高の7172.48と、前日に続いて終値ベースで2020年2月以来、約1年4カ月ぶりの高値水準となった。構成銘柄の6割超が上昇した。
 
欧米で金融緩和策が長期化するとの観測が相場の支えになった。市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が16日に現行の政策金利を維持するとの見方が大勢となっている。
原油高で時価総額の大きい石油株が上げた。外国為替市場でポンドが下落し、ポンド安の恩恵を受けやすいたばこ株や医薬品株、食品・日用品のユニリーバなどの多国籍企業が高かった。
 
個別銘柄では、食品・小売大手アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズが3.3%高、通信大手BTが2.9%高、石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルが2.3%高、蒸気システム大手スパイラックス・サーコと医療機器・精密部品大手スミスグループが2.1%高と買われた。
 
一方、産銅大手アントファガスタが4.1%安、資産運用会社インターメディエイト・キャピタル・グループと鉱業大手アングロ・アメリカンが3.7%安、産金大手フレスニロ2.8%安とさえなかった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15729.52(+55.88)
15日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて55.88ポイント(0.4%)高の1万5729.52となり、終値ベースで11日に付けた過去最高値を更新した。
欧米の中銀が金融緩和策を継続するとの観測が相場を支えた。米国の景気回復の期待が強まっていることも投資家心理の改善につながった。
 
個別では、産業機器のシーメンスと、アナリストが目標株価を引き上げた航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズが高かった。フォルクスワーゲン(VW)は続落し、BMWも売られた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6639.52(+23.17)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に続いて2000年9月以来の高値(終値ベース)となった。
 

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