NYダウ91ドル高と反発、米中協議進展に期待

28日のNYダウ工業株30種平均は前日比91ドル87セント高の2万5717ドル46セントと反発で終えた。
米中両政府はこの日、閣僚級協議を約1カ月ぶりに再開。双方の対立が続く中国による知的財産権侵害などが議論される。株価は反発して寄り付き、中国市場への依存度が比較的高い建機のキャタピラーや工業製品のスリーエム(3M)などの銘柄が買われた。
 
ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン米財務長官が訪中し、28日に米中の閣僚級協議が再開された。ロイター通信が「中国政府がIT技術の移転などでこれまでにない提案をした」と報じ、合意に向け交渉が前進しているとの期待が広がった。
 
米長期金利の指標である10年物国債利回りが前日比で上昇した。利ざや縮小への警戒感が後退し、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が買われた。「金利低下が世界景気への懸念につながっていたが、やや和らいだ」という。
 
ただ、朝方に発表された一連の経済指標が軟調だったため上値は重く、一時前日終値を挟んで小動きとなった。米商務省が発表した2018年10~12月期の実質GDP(国内総生産)確定値は前期比2.2%増と、速報値(2.6%増)から下方修正され、市場予想(2.4%増)も下回った。同四半期の税引き後企業利益も前期比横ばいにとどまり、米経済の減速懸念を強める結果となった。
 
また、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が米中協議について「交渉を数週間から数カ月延長する用意がある」と述べたと伝わった。協議の難航を意識した売りを誘った。
 
セクター別では、自動車・自動車部品や銀行が上昇する一方で電気通信サービスや公益事業が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は前日比25.789ポイント高の7669.166で終了した。アマゾン・ドット・コムやアップルなど主力株の一角が上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,717.46+91.87
S&P500種
2,815.44+10.07
ナスダック
7,669.166+25.789
NY金(ドル/トロイオンス)
1,295.30-21.60
NY原油(ドル/バレル)
59.50+0.20
円・ドル
110.64 – 110.65+0.
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅反発した。
6月物は前日比15円高の2万1205円で引け、28日の大取終値を145円上回った。
米メディア報道を手掛かりに、28日に再開した閣僚級の米中貿易協議を巡る進展期待が広がり、日経平均先物は米株とともに買われた。円相場の反落も支援材料になった。
この日の6月物高値は2万1220円、安値は2万0965円。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21205 ( +145 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21225 ( +165 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7234.33(+40.14)
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ40.14ポイント高の7234.33で引けた。
英国の欧州連合(EU)離脱が混迷を深めているが、これを受けて通貨ポンドが急落しているため、株式相場には追い風となった。とはいえ、上値は重かった。
27日夜にメイ首相が離脱後の辞任を表明し、離脱合意案への支持を呼び掛けたが、打開にはつながらないとの見方が広がった。一方、英議会は代替案を模索する投票を行ったが、全ての選択肢に「ノー」が突き付けられた。指数構成銘柄全体の約7割が上昇した。
 
個別銘柄では、医薬品株が上昇した。たばこのインペリアル・ブランズは2.3%高とブリティッシュ・アメリカン・タバコが2.0%高とともに、アナリストによる投資判断引き上げも好感され上がった。資源株も高くなった。
総合ヘルスケアのNMCヘルスは前日に急落した反動で買われた。新しいバッテリーの材料を製造する用地をポーランドに取得した鉱業・化学のジョンソン・マッセイの値上がりも目立った。オンライン食品販売オカド・グループが5.3%高と急伸。最近1カ月間の株価上昇は際立っていた。
 
半面、保険株と住宅建設株は下落した。保険のプルーデンシャルと資産運用のシュローダーズ、不動産投資信託(REIT)のブリティッシュ・ランドはそれぞれ配当権利落ちで売られた。アナリストが株価目標を引き下げた航空のイージージェットも大幅安、アイスランドの格安航空WOWエアが事実上の経営破たんとなり、連れ安した格好となった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11428.16(+9.12)
ドイツ株式指数(DAX)は小反発した。終値は前日と比べて9.12ポイント高の11428.16だった。
 
個別銘柄では、工業用ガスのリンデは、UBSが株価目標を引き上げたことを受けて買われた。医薬・化学大手の独メルクも上昇した。バイオ医薬品の生産能力を拡大するための投資を発表したことが好感された。透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアの値上がりも目立った。
一方で、ドイツ銀行が大幅安となった。半導体のインフィニオンテクノロジーズは前日に続いて、この日も売られた。複数のアナリストが株価目標を引き下げたことが影響した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5296.54(-4.70)
 

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