NYダウは91ドル安、FOMC議事録を嫌気
17日の米株式相場は反落した。NYダウ工業株30種平均は前日比91ドル74セント安の2万5706ドル68セントで終えた。
この日のNYダウは、金融大手など米主要企業の好決算を好感して急反発。547ドルも上昇しただけに、17日は取引開始から利益確定売りが広がった。ダウ構成銘柄ではIBMが大幅安となり、相場の下げを主導。前日夕に発表した7~9月期決算が減収減益となったことが嫌気された。
一方、17日朝に発表された9月の米住宅着工件数は3カ月ぶりのマイナス。金利上昇による住宅市場の冷え込みへの懸念が高まり、ダウ構成銘柄である住宅改装用品小売り大手ホーム・デポも売られた。IBM と2銘柄でダウを130ドルあまり押し下げた。
午前は売りが先行し、ダウ平均は300ドルあまり下げる場面があった。売り一巡後は小幅高に転じる場面もあったが、午後に米連邦準備理事会(FRB)が公表した9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて再び売りが優勢になった。
議事要旨では複数の委員が政策金利を一時的に中立金利を上回る水準に引き上げることが必要になるとみていたことが明らかになった。当面は政策金利の引き上げが続くとして、株式市場では利上げ観測が強まったとの受け止めがあった。
金融株などが相場を支え、ダウ平均は一時上げに転じた。決算発表シーズンが好調な滑り出しとなり、業績改善期待の買いもあった。
15日に発表された2018会計年度(17年10月~18年9月)の財政赤字が前年比17%増えたことを受け、トランプ米大統領が財政支出を減らす方針を明らかにしたが、相場の反応は限られた。
セクター別では、銀行や保険が上昇する一方で耐久消費財・アパレルや小売が下落した。
ナスダック総合株価指数も反落し、同2.787ポイント安の7642.703で終えた。主要ハイテク株の一角に売りが出た。前日夕に好決算を発表した動画配信のネットフリックスは大幅高で終えた。
個別では、自動車部品小売のアドバンス・オート・パーツ(AAP)は、昨日に小売最大手のウォルマート(WMT)とのオンライン販売での提携を発表したものの、粗利益率の低下が指摘され軟調推移。同業のオートゾーン(AZO)やオライリー・オートモーティブ(ORLY)も売られた。
一方で、動画ストリーミングのネットフリックス(NFLX)は、契約者数の伸びが予想を上振れ上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,706.68-91.74
S&P500種
2,809.21-0.71
ナスダック
7,642.703-2.787
米10年債利回り(%)
3.2069 +0.051
米2年債利回り(%)
2.8906 +0.025
NY金(ドル/トロイオンス)
1,227.40-3.60
NY原油(ドル/バレル)
69.99+0.24
円・ドル
112.69 – 112.70+0.46
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅反落した。
12月物は前日比5円安の2万2870円で引け、17日の大取終値を20円下回った。この日発表になった9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を受けて利上げ継続見通しが広がり、米株とともに売りに押された。
一方、円安進行を好感する買いも入り、下げ幅は限られた。
この日の12月物安値は2万2635円、高値は2万2945円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22870 ( -20 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22900 ( +10 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7054.60(-4.80)
FTSE100種総合株価指数は米株安を受けて3営業日ぶりに小反落した。前日16日の終値に比べ4.80ポイント安の7054.60で引けた。
指数構成銘柄全体の6割弱が下落。英EU離脱交渉の難航を手掛かりに、空運に影響が及ぶとの懸念から旅行関連株の下げが目立った。
午前中は高値圏でのもみ合いだったが、午後に入ってニューヨーク株式市場がオープンすると、米株安を眺めて値を消した。
食品サービスのコンパス・グループと石油株の値下がりが株価指数を押し下げる一方で、たばこ株と医薬品株の値上がりが指数の下値を支えた。
個別銘柄では格安航空大手イージージェットも5.0%の大幅安。コンパス・グループは、は証券会社の目標株価引き下げを受けて3.5%安と値を崩し、広告大手WPPも3.2%安と緩んだ。原油相場の一段安を受けて、午前に上がっていた石油株が下落に転じた。
半面、医薬品株とたばこ株が上昇した。第3四半期に良好な業績を示した不動産投資信託(REIT)のセグロの値上がりも目立った。教育事業のピアソンは2.2%高と買われた。オンラインとバーチャルの教育部門の需要が伸びていることから、2018年通期には黒字転換する見通しを示した。金融サービスのハーグリーブス・ランズダウンは、アナリストによる投資評価の引き上げが好感され上がった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11715.03(-61.52)
ドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反落した。終値は前日16日と比べて61.52ポイント安の11715.03だった。上昇と下落の銘柄数は同じだった。
個別では、透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアは16%安。北米市場での透析サービスの伸びが鈍化したことから、通期の利益目標を引き下げたことが響いた。同社の親会社である医療機器のフレゼニウスも9%近く下がった。素材メーカーのコベストロの下げも目立った。
一方で、医薬・化学大手の独メルクと不動産のボノビアは値上がりが大きくなった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5144.95(-28.10)
