NYダウ88ドル高、コロナウイルス懸念が一服

6日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。前日比88ドル92セント高の2万9379ドル77セントで終え、3週間ぶりに過去最高値を更新した。
 
米中貿易協議「第1段階」合意を受け、米国が対中制裁関税の一部引き下げを表明したのに合わせ、中国も報復関税の一部を下げると発表した。市場は米中摩擦の緊張緩和を好感し、ダウ平均は午前中、一時2万9408.05ドルまで上昇し、取引時間中の最高値も更新した。米労働省が午前中に発表した新規失業保険申請件数が市場予想よりも少なかったことも株価上昇を後押しした。
 
航空機のボーイングが3%強大幅高となったことも指数を押し上げた。
2度の墜落事故の影響で運航を停止している「737MAX」について「米連邦航空局(FAA)トップが数週間以内にテスト飛行を実施すると示唆した」と伝えた。早期に再認証されるとの観測が浮上した。
景気の変動の影響を受けにくいドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや通信のベライゾン・コミュニケーションズも上昇した。
また、2019年10~12月期決算で売上高が四半期として初めて10億ドルを突破したツイッターの株価が急伸したほか、ハイテク関連株に買いが集まり、相場をけん引した。
 
ただ、その後は、高値への警戒感もあり、利益確定売りが出て、前日終値比プラス圏内でもみ合う展開。新型肺炎の感染拡大への懸念が残っていることも、上値を抑えた。
 
新型肺炎の拡大について「想定外に感染の広がりが再加速する可能性は大きい」(JPモルガン・チェース)との懸念はなおくすぶる。ダウ平均は5日までの3日間で1034ドル上昇したこともあり、利益を確定する売りも出やすかった。午前中には前日終値を下回る場面もあった。
 
セクター別では、メディアやソフトウェア・サービスが上昇する一方で自動車・自動車部品やエネルギーが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は前日比63.471ポイント高の9572.154、S&P500種株価指数は11.09ポイント高の3345.78で終えた。ともに4日続伸し、過去最高値を更新した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル
29,379.77+88.92
S&P500種
3,345.78+11.09
ナスダック
9,572.154+63.471
NY金(ドル/トロイオンス)
1,570.00+7.20
NY原油(ドル/バレル)
51.09+0.34
円・ドル
109.99 – 110.00+0.09
 


【シカゴ日本株先物概況】

6日のシカゴ日経平均先物は4営業日続伸した。
米中貿易協議の進展期待が広がり日経平均先物は米株とともに買われた。
中国政府は6日、大豆など米国からの輸入製品(約750億ドル分)の関税引き下げを14日に実施すると発表した。6日のNYダウ工業株30種平均など主要株価指数が軒並み最高値を更新した。その後は、コロナウイルスを巡る懸念が一服したこともあり、堅調推移となった。
3月物は前日比255円高の2万3945円で引け、同限月物終値ベースで今年1月17日以来の高値をつけた。6日の大取終値を5円下回った。
この日の3月物高値は2万3975円、安値は2万3630円
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23945 ( -5 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23960 ( +10 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7504.79(+22.31)
6日のFTSE100種総合株価指数はもみ合いの中を4日続伸した。前日の終値に比べ22.31ポイント高の7504.79で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
中国政府が対米追加関税の一部を引き下げると発表し、米中貿易摩擦への警戒感が薄らいだ。欧州各国の株式相場はそろって上昇した。英国では、銀行など幅広い業種で買いが広がった。
その後は、コロナウイルスを巡る懸念が一服したこともあり、堅調推移となった。
 
個別銘柄では、食品サービスのコンパス・グループは買われた。経費削減に加え、北米の良好な業績を背景に2019年10~12月期の売上高が増加したことが好感された。小売りのキングフィッシャーと、携帯電話サービスのボーダフォン・グループも上げた。
 
一方、石油株は下落した。医薬品のグラクソ・スミスクラインはアナリストによる株価目標引き下げなどが響いて下げた。総合ヘルスケアのNMCヘルスは、創業者が積極的にリーダーシップを取ると語ったと伝わり、午前は買われたが結局7%超下げた。
住宅大手バラット・デベロップメンツは4.2%安。アイルランドの賭け屋フラッター・エンタテイメントと英資産運用会社ハーグリーブズ・ランズダウンはそれぞれ2.7%安と売られた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13574.82(+96.49)
6日のドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前日と比べて96.49ポイント高の13574.82だった。米中貿易摩擦への警戒感が薄らぎ、欧州各国の株式相場が上げた。
 
個別では、ドイツ銀行は約13%高となった。同社株式の3.1%を米投資会社キャピタル・グループが取得したことが買いにつながった。アナリストが株価目標を引き上げた電力のRWEも上昇した。一方、重電のシーメンスとタイヤのコンチネンタルは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6038.18(+52.78)

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