NYダウ86ドル安、米中対立を警戒

 
17日のNYダウ工業株30種平均は小反落した。前週末比86ドル11セント安の2万7844ドル91セントで終えた。追加経済対策を巡る米与野党協議の停滞する中、景気敏感株には買い見送りムードが強まった。米中関係への懸念も相場の重荷だった。
 
商務省はこの日、中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)に対する輸出禁止措置を強化すると発表。米中関係悪化への警戒感が広がった。また、新型コロナウイルス危機を受けた追加経済対策の先行きが不透明なことも引き続き心理的な圧迫要因となっている。
 
経済対策を巡る米与野党協議は落としどころが見えにくくなり、成立が9月にずれ込むとの見方が強まっている。トランプ米大統領は前週末、ツイッターの投稿で「家計への現金支給や中小企業の支援増強を用意している。それを妨げているのは民主党だ」と民主党の対応を批判した。焦点の失業保険の増額の議論も進展がなく、個人消費を冷やしかねないとの懸念がくすぶっている。
景気敏感銘柄が総じて売られ、中でも航空機のボーイングやクレジットカードのアメリカン・エクスプレスの下げが目立った。中国売上高が多い建機のキャタピラー、化学のダウ、スポーツ用品のナイキも下げた。
 
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイが、米銀行株の保有を削減したことが先週、判明。売却対象のゴールドマン・サックスなど金融株が下落し、ダウを押し下げた。
 
半面、ホームセンターのホーム・デポが3%高となり、ダウ平均を下支えした。堅調な米住宅市場やアナリストによる目標株価引き上げが買い材料になった。
 
セクター別では、自動車・自動車部品が上昇した一方で、銀行、保険が下落した。
 
業績が景気の影響を受けにくいハイテク株は底堅く推移した。ナスダック総合株価指数は反発し、前週末比110.42ポイント(1.0%)高の1万1129.72で終え、過去最高値を更新した。ソフトウエアのマイクロソフトなど主力株が上昇。19日に決算発表を控える半導体のエヌビディアはアナリストの目標株価引き上げが相次ぎ、大幅高となった。
 
電気自動車のテスラやビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズも大幅高。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,844.91-86.11
S&P500種
3,381.99+9.14
ナスダック
11,129.725+110.424
NY金(ドル/トロイオンス)
1,998.70+48.90
NY原油(ドル/バレル)
42.79-0.1017日 18:16
円・ドル
106.01 – 106.02-0.47

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
17日のシカゴ日経平均先物は小幅上昇した。
9月物は前週末比10円高の2万3150円で引け、17日の大取終値を70円上回った。
中国人民銀行が市場に資金を供給したため上昇で寄り付いたが、ニューヨーク地区連銀製造業景気指数が予想を下回ったほか、著名投資家のバフェット氏が銀行株を売却したことが明らかとなりNYダウの重しとなった。
また、米中高官の第1段階貿易協定を巡る会合が延期され、米国政府が中国ファーウェイへの制裁強化を発表し、米中対立への懸念も根強い。一方、ハイテクは終日堅調に推移した。
この日の9月物高値は2万3240円、安値は2万3050円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
23150 ( +70 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
23165 ( +85 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6127.44(+37.40)
17日のロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日の終値に比べ37.40ポイント(0.6%)高の6127.44で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。 中国株の上昇を受け、中国経済に敏感な資源株を中心に買いが先行した。ただ、新型コロナウイルスの感染再拡大で欧州域内の観光需要冷え込みが懸念される中、上値は重かった。
外国為替相場でポンドが弱含んだこともポンド安の恩恵を受けやすい多国籍企業の買いを誘い上げ幅を拡大した。鉱業株や医薬品株、たばこ株、酒類のディアジオなどの多国籍企業が軒並み上昇した。なかでも中国との関連が強い鉱業株が高かった。アナリストが投資判断を引き上げたパーシモンをはじめ、住宅建設株も上げた。
 
個別銘柄では、製薬大手アストラゼネカが2.4%高と堅調。鉱業大手アングロ・アメリカンは2.8%高と上伸した。
半面、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループやレジャー・外食のウィットブレッドなどの旅行レジャー関連株は売られた。銀行株と石油株も下落した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12920.66(+19.32)
17日のドイツ株式指数(DAX)は小幅ながら3営業日ぶりに反発した。終値は前週末と比べて19.32ポイント(0.2%)高の1万2920.66だった。
夏季休暇シーズンで商いは薄かった。
 
個別銘柄では、半導体のインフィニオンテクノロジーズや素材メーカーのコベストロの上げが目立った。前週末に上昇したタイヤのコンチネンタルは利益確定の売りで下落した。前週末に引き続き6月に破産申請したオンライン決済サービスのワイヤーカードが大幅に下落した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4971.94(+9.01)

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