14日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比85ドル85セント安の3万4393ドル75セントで終えた。
インフレ率の上昇への懸念が広がる中、米連邦準備制度理事会(FRB)は15、16の両日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。市場では、現行の金融緩和を維持するとの見方が大勢だが、今後の量的緩和縮小に向けた議論に注目が集まっている。参加者の政策金利と経済見通しも公表される予定で、利上げ想定時期が前倒しされるとの見方も出ている。
経済再開の期待から上昇基調にあった消費関連株や景気敏感株に持ち高調整の売りが出た。一方。ハイテク株の一角は買われ、相場を下支えした。
FOMCでは量的緩和の縮小(テーパリング)の議論を始めるかどうかが注目されている。FRBのゼロ金利政策は2023年までは続くとの見方が優勢だが、目前に迫ったFOMCの結果を確認したい投資家が多い。
消費関連株や景気敏感株が持ち高調整の売りに押され、ホームセンターのホーム・デポやクレジットカードのビザ、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが安い。化学のダウと航空機のボーイングも下げた。21年12月期通期の純金利収入見通しを引き下げたJPモルガン・チェースは2%安だった。
ただ、米長期金利は1.5%前後で落ち着いており、高PER(株価収益率)銘柄が多いハイテク株への買いが続いた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムとスマートフォンのアップルは2%上昇した。
ダウ平均の構成銘柄以外では交流サイトのフェイスブック、ネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力ハイテク株は軒並み上昇。動画配信のネットフリックスも2%高だった。暗号資産(仮想通貨)のビットコイン価格が4万ドル台を一時回復し、ビットコインの保有が多い電気自動車のテスラや決済サービスのスクエアも上げた。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前週末比104.720ポイント(0.7%)高の1万4174.143で終えた。4月26日以来、1カ月半ぶりに過去最高値を更新した。
S&P500種株価指数は前週末比7.71(0.2%)高の4255.15で終え、連日で過去最高値を更新した。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,393.75-85.85
S&P500種
4,255.15+7.71
ナスダック
14,174.143+104.720
NY金(ドル/トロイオンス)
1,865.90-13.70
NY原油(ドル/バレル)
71.10+0.22
円・ドル
110.05 – 110.07+0.36
【シカゴ日本株先物概況】
14日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前週末比235円高の2万9235円で引け、14日の大取終値を95円上回った。
NYダウ平均は85ドル安の34393ドルで取引を終えた。ナスダック総合株価指数が過去最高値を更新し、日経平均先物に買いが波及した。
15~16日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、金融政策の先行きを見極めたいとの向きも多い。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
29235 ( +95 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
29265 ( +125 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7146.68(+12.62)
14日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前週末の終値に比べ12.62ポイント(0.2%)高の7146.68と終値ベースで2020年2月以来、約1年4カ月ぶりの高値で引けた。構成銘柄の5割超が上昇した。
原油相場の上昇でロイヤル・ダッチ・シェルなど石油株が買われ、株価指数を押し上げた。新型コロナウイルス対策の規制緩和を巡る英国政府の決定を前に、上げ幅は限定的だった。
個別では、投資会社のインターミディエイト・キャピタル・グループの上昇も目立った。ヘルス・安全装置関連のハルマは2.1%高、アナリストによる株価目標引き上げなどが好感され買われた。
一方、規制緩和の先送りなどが懸念され、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は4%超下げた。航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが4.1%安、食品・小売大手アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズが2.8%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15673.64(-19.63)
14日のドイツ株式指数(DAX)は小反落した。終値は前週末と比べて19.63ポイント(0.1%)安の1万5673.64だった。欧米の中銀が金融緩和策を継続するとの観測で上昇して始まったが、午後には下落に転じた。
個別では、素材メーカーのコベストロと自動車のフォルクスワーゲン(VW)の下げが目立った。エネルギー関連のシーメンス・エナジーは買われた。ノルウェーの送電網の強化で現地の電力事業者と合意したことが材料となった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6616.35(+15.69)
フランスの株価指数CAC40は終値ベースで2000年9月以来の高値で引けた。
