26日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前日比83ドル48セント高の2万8331ドル92セントと半年ぶりの高値で終えた。
主力ハイテク株が軒並み買われ、相場を押し上げた。コロナワクチン開発を巡る好材料も市場心理を支えた。ただ、27日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控え、内容を見極めたい投資家も多くダウ平均の上値は限られた。
米政権は23日夕、新型コロナ感染症から回復した患者の血液成分を利用した治療法を緊急認可したと発表。英紙フィナンシャル・タイムズは、米政府が、英アストラゼネカと英オックスフォード大学が開発するワクチンの緊急使用認可を検討していると報じた。
市場では、新型コロナ対策の進展や経済の早期正常化への期待が広がり、幅広い銘柄が買われ、相場を押し上げた。
相場をけん引したのは主力ハイテク株だ。GAFAM(グーグルの親会社アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)はそろって上昇。SNS(交流サイト)のフェイスブックはネット通販事業の開始をはやした買いが続き、8%高で終えた。動画配信のネットフリックスは12%高と急騰した。コロナ禍でも業績好調が続く主力ハイテク株に資金が集まった。
前日夕に好決算と業績予想の上方修正を発表した顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが26%高で終えた。市場では「クラウド関連の成長期待が強まり、ネット関連銘柄に連想買いを誘った」との声も聞かれた。
ダウ平均は上値が重くなる場面もあった。パウエルFRB議長が27日朝の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)での講演で、金融政策の新たな指針に言及する可能性が意識されている。内容を見極めたいとして、主力ハイテク株以外は積極的な売買が手控えられた。
セクター別ではメディア・娯楽、ソフトウェアサービスが上昇した一方で、エネルギー、不動産が下落した。
ナスダック総合株価指数は5日続伸し、前日比198.59ポイント高の1万1665.06と過去最高値を更新。S&P500種株価指数も5日続伸した。前日比35.11ポイント高の3478.73と過去最高値で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
28,331.92+83.48
S&P500種
3,478.73+35.11
ナスダック
11,665.060+198.588
NY金(ドル/トロイオンス)
1,952.50+29.40
NY原油(ドル/バレル)
43.44+0.05
円・ドル
105.91 – 105.93-0.39
【シカゴ日本株先物概況】
26日のシカゴ日経平均先物は小幅下落。9月物は前日比20円安の2万3280円で取引を終えた。
利益確定の売りでNYダウは下落して寄り付いたものの、全米で新型コロナウイルス感染件数が安定していることやワクチン開発でさらに前進した報道が好感され上昇に転じた。
大阪取引所の終値を60円上回った。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
23280 ( +60 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
23290 ( +70 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6045.60(+8.59)
26日のFTSE100種総合株価指数は小反発だった。前日の終値に比べ8.59ポイント高の6045.60で引けた。株価指数は方向感を欠いた。特段の手掛かり材料もなく、ほぼ横ばいだった。指数構成銘柄全体の約7割が上昇した。
27日のジャクソンホール会議での各国の中銀総裁の講演を控え、発言内容を見極めたいとの動きから様子見姿勢が広がった。フレスニージョなど鉱業株の上昇が株価指数を押し上げる一方で、BPなど石油株の下落が上値を抑えた。
個別銘柄では、産業用ソフトウエアのアヴィバグループは9%超上げた。スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションの上昇も目立った。半面、メディアのITVと酒類のディアジオは売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13190.15(+128.53)
26日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて128.53ポイント(1.0%)高の1万3190.15だった。
ドイツ政府が25日、新型コロナウイルスの影響で業績が低迷する企業への支援策の延長を決めたことが好感された。
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズは4%高。自動車のBMWも買われた。電力のエーオンは下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5048.43(+40.16)
フランスの株価指数CAC40の終値は前日に比べて0.8%上昇した。同国政府が26日、9月上旬に景気てこ入れ策を発表すると明らかにしたことなどが買いを誘った。
