8日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前週末比83ドル97セント安の2万6341ドル02セントで終えた。
ボーイングのミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)は5日、インドネシアとエチオピアで墜落事故が相次いだ新型旅客機「737MAX」の生産を一時的に約2割削減すると表明した。業績悪化を見込み、各アナリストが投資判断を引き下げたため、この日は同社株に売りが集中。終値は17.41ドル(4.4%)安の374.52ドルとなり、1銘柄でダウを118ドル分押し下げた。
また、JPモルガン・チェースが投資判断を引き下げた複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)も急落。建機大手キャタピラーなど他の資本財株もつれ安となり、ダウは一時178ドル安まで値を下げた。
このほか、今週から本格化する主要500社の1株利益は前年同期比4.2%減と16年4~6月期以来の減益が見込まれており、発表シーズン入りを前に利益確定売りも出やすかった。
一方、ヘルスケア事業が成長をけん引するとのリポートを受け、アップルが1%あまり上昇。アナリストが投資判断と目標株価を引き上げた日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も買われ、ダウ平均を下支えした。
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方で公益事業や資本財が下落した。
ナスダック総合株価指数は続伸し、15.192ポイント高の7953.884と18年10月上旬以来ほぼ半年ぶりの高値で終えた。アップルのほかアマゾン・ドット・コムなど主力株の一角が買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,341.02-83.97
S&P500種
2,895.77+3.03
ナスダック
7,953.884+15.192
NY金(ドル/トロイオンス)
1,301.90+6.30
NY原油(ドル/バレル)
64.41+0.01
円・ドル
111.48 – 111.49+0.04
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は4営業日ぶりに反落した。6月物は前週末比60円安の2万1790円で引けた。
NYダウ工業株30種平均の反落を受け、先週に買われた反動で日経平均先物は利益確定の売りが出た。この日の6月物安値は2万1715円、高値は2万1965円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21790 ( +20 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21815 ( +45 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7451.89(+5.02)
FTSE100種総合株価指数は小幅に続伸した。前週末の終値に比べ5.02ポイント高の7451.89で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる与野党協議は足踏み状態。10日のEU臨時首脳会議を前に、メイ首相が独仏と9日に首脳会談を開くことが発表されたが、さほど買い材料にならなかった。米中貿易協議にも特段の進展はなかった。
原油相場の上昇を背景に石油株が買われ、株価指数を押し上げた。
個別銘柄では、石油大手BPが1.7%高で上昇率トップ、同ロイヤル・ダッチ・シェルも1.2%高と堅調だった。ネット専業スーパーのオカド・グループの値上がりも目立った。
半面、最近買い戻し傾向にあった総合ヘルスケアのNMCヘルスは4.3%安と軟調。米ボーイングが墜落事故を起こした主力旅客機「737MAX」の減産を決めたことで、悪影響を受けるとみられる投資会社のメルローズ・インダストリーズも売られた。食品サービスのコンパス・グループも下落した。アナリストが利益率の伸びが鈍化すると予想し、投資判断を引き下げたことが影響した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11963.40(-46.35)
ドイツ株式指数(DAX)は8営業日ぶりに反落した。終値は前週末と比べて46.35ポイント安の11963.40だった。買いが続いた後だけに、利益確定の売りが優勢だった。
個別では、ドイツ銀行が下落した。同行とコメルツ銀行との統合について、欧州銀行の監督当局が、人員削減などの詳細を明らかにするよう求めたと伝わり、売りが広がった。経営幹部の辞任が続くITのSAPは、クラウド部門の幹部も辞任したことが週末に明らかとなり、下がった。鉄鋼のティッセン・クルップの下げも目立った。
一方、消費財のヘンケルとドイツポストは上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5471.78(-4.42)
