18日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比82ドル66セント高の2万3675ドル64セントで終えた。
前日の大幅下落で主要株式指数が年初来安値を記録したこともあり、買い戻しが先行。
中国や欧州をはじめとした世界的な景気減速懸念を背景に、17日までの2営業日でダウ平均の下げ幅は1000ドルを超えた。前日にはナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数が今年の安値を付けていた。この日は大幅下落を受けて値頃感の出たハイテク株などに買い戻しが入り、ダウ平均は朝方に一時334ドル高まで上昇した。
医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が17日夕に自社株取得枠の設定を発表し、3営業日ぶりに反発した。ベビーパウダーのアスベスト混入を長年隠蔽していたとの報道以来、前日までに急落していた。自社株買い増額と増配を発表した航空機のボーイングも買われ、2銘柄でダウ平均を89ドルあまり押し上げた。
ただ、午後に入るとダウ平均は下げに転じる場面もあった。19日のFOMCの結果発表や米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の記者会見を見極めたい投資家が多く、買いの勢いが弱まった。米原油先物相場が大幅に3日続落し、エクソンモービルやシェブロンなど石油株が売られたのも相場の重荷だった。
米国の与野党がメキシコ国境の壁建設を巡り、予算案で対立している。週末までにまとまらなければ政府機関が閉鎖される可能性が懸念されたとの指摘もあった。
市場関係者は「米経済は強く、企業業績も堅調だが、原油相場の動向を懸念している。原油安が一段と進めば、金融市場でエネルギー企業の社債やローンへの不安が高まる可能性がある」と指摘した。
セクター別では、小売や半導体・同製造装置が上昇する一方でエネルギーや食品・飲料・タバコが軟調。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比30.178ポイント高の6783.911で終えた。アマゾン・ドット・コムやフェイスブック、アルファベット(グーグル)などの主力株が買われて指数を支えた。
個別では、ソフトウェアのオラクル(ORCL)やレストラン運営のダーデンレストランツ(DRI)は予想を上回る決算を発表して上昇した。航空機メーカーのボーイング(BA)は、増配と自社株買い枠の拡大を発表して上昇。医療用大麻のティルレイ(TLRY)は、製薬大手のノバルティスAGと医療用大麻の供給で提携し大幅上昇となった。
メディアのCBS(CBS)はムーンベス前会長のセクハラ疑惑を受け、1億2千万ドルの退職金を支払わないことを発表したが小幅下落となった。
一方で原油価格の下落を受けて、エクソン・モービル(XOM)やマラソン・オイル(MRO)が売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,675.64+82.66
S&P500種
2,546.16+0.22
ナスダック
6,783.911+30.178
NY金(ドル/トロイオンス)
1,251.80+10.40
NY原油(ドル/バレル)
46.02-3.86
円・ドル
112.48 – 112.49-0.03
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は3営業日続落した。
3月物は前日比115円安の2万0970円で引け、17日の大取終値を100円下回った。
反発して始まったものの、午後に米株が下げに転じた場面で売られた。円高も売り材料。19日まで開く米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいと取引に慎重な向きが多い。
この日の3月物安値は2万0945円、高値は2万1265円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
20970 ( -100 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21005 ( -65 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6701.59(-71.65)
FTSE100種総合株価指数は4営業日続落となり、英FT100種平均株価指数(FTSE100)は前日終値比71.65ポイント安の6701.59で終了した。終値ベースで2016年11月以来、約2年1カ月ぶりの安値水準に沈んだ。構成銘柄の半数以上が下落した。
世界経済の減速懸念が強まる中、海外市場の株安を眺めて終日マイナス圏で推移した。英国の欧州連合(EU)からの離脱の混迷も市場心理の重しとなっている。
原油相場の下落を背景に石油株が売られ、株価指数の下落に大きく寄与した。
個別銘柄では、電力・ガス供給のナショナル・グリッドは9%超下がった。英規制当局がネットワークのための資本コストをさらに引き下げるよう提案したことが響いた。
石油のロイヤル・ダッチ・シェルは、米テキサス州を拠点とする同業他社を買収する方向で交渉しているとの一部報道を受けて2.5%安と売られた。医薬品株も軟調だった。シャイアーは3%超下落した。同社を買収する武田薬品工業の株価が急落したのが重荷となった。総合ヘルスケアのNMCヘルスは前日に引き続き3.6%安と大幅安となった。
半面、前日に売られた小売り関連株はこの日買い戻された。キングフィッシャーとネクスト、マークス・アンド・スペンサー(M&S)の買い戻しが目立った。鉱業のランドゴールド・リソーシズは3%超上がった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10740.89(-31.31)
ドイツ株式指数(DAX)は4日続落した。終値は前日と比べて31.31ポイント安の10740.89だった。
17日の米国株と18日にアジア株の下落を受けて、欧州各国とも下がって始まったものの、その後各国とも下げ渋り、一部諸国は上昇に転じた。ただ、午後には再び売りが強まり各国とも下げて引けた。
個別銘柄では、医療機器のフレゼニウスの値下がりが目立った。医薬・化学大手の独メルクも売られた。
一方で、航空のルフトハンザと素材メーカーのコベストロの値上がりが大きくなった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4754.08(-45.79)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて1%近く下落した。
