NYダウ8日ぶり反落127ドル安、利益確定売り

 
16日のNYダウ工業株30種平均は8営業日ぶりに反落し、前日比127ドル51セント(0.4%)安の3万2825ドル95セントで終えた。
米金融市場では最近、景気に楽観的な見方が強まり、株買い・債券売りの流れが継続している。だが、この日のNYダウは前日まで7営業日続伸で2000ドルあまり上昇した反動で、利益確定の売りに押されやすい展開が続いた。ダウは前日まで4営業日連続で終値の史上最高値を更新していた。主力ハイテク株には押し目買いが入り、相場を下支えした。
 
17日午後に発表されるFOMC声明やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見が待たれる中、終日軟調な展開だったものの、下値も堅かった。
 
米連邦準備理事会(FRB)は17日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表する。会合後に公表する米経済と政策金利の見通しや、パウエル議長の会見を見極めたいとのムードが広がった。「上昇が続いていた景気敏感株には、持ち高を中立方向に戻す目的の売りが出た」との声が聞かれた。
 
上昇基調にあった景気敏感株の航空機のボーイングが4%安、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが3%安となった。原油先物相場が下落し、石油のシェブロンは2%下げた。ゴールドマン・サックスなど金融株や、映画・娯楽のウォルト・ディズニーの下げも目立った。
 
米長期金利が1.6%前後と前日終値近辺で推移し、上昇の勢いが鈍った。高PER(株価収益率)株の相対的な割高感が薄れ、スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトが上昇。ダウ平均の構成銘柄以外では交流サイトのフェイスブックやグーグルの親会社アルファベットが上げた。
 
朝方発表の2月の米小売売上高は前月比3%減と市場予想(0.4%減)より悪かった。ただ、寒波の悪影響が理由とみられ、相場への影響は限られた。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に続伸し、前日比11.859ポイント(0.1%)高の1万3471.567で終えた。主力ハイテク株の一角が上昇をけん引した。半導体株も堅調に推移した。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
32,825.95-127.51
S&P500種
3,962.71-6.23
ナスダック
13,471.567+11.859
NY金(ドル/トロイオンス)
1,730.90+1.70
NY原油(ドル/バレル)
64.97+0.17
円・ドル
108.99 – 109.01-0.26

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
16日のシカゴ日経平均先物は上昇した。
6月物は前日比75円高の2万9700円で引け、16日の大取終値を20円下回った。
連日で史上最高値を更新したのち、利益確定売りも目立ちNYダウは終日軟調に推移。一方で、米長期金利の上昇一服を受けナスダック総合株価指数が小幅に続伸し、日経平均先物の買いを支えた。
市場は今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表や日銀の金融政策決定会合に注目している。
 
この日の6月物高値は2万9860円、安値は2万9570円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29700 ( -20 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29725 ( +5 )
 ( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6803.61(+53.91)
16日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ53.91ポイント(0.8%)高の6803.61で引けた。構成銘柄の8割が上昇した。ドイツなどの欧州諸国の株高に連れ高した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見気分が強かったが、追加経済対策に対する期待感を背景に株式相場は堅調に推移した。時価総額の大きい多国籍企業銘柄を中心に上昇した。
 
個別銘柄では、医薬品株や食品・日用品のユニリーバ、酒類のディアジオの上げが目立った。アストラゼネカはが3.6%高と堅調、欧州の規制当局が同社の新型コロナウイルスのワクチンについて「効果は引き続きリスクを上回る」との見方を示したことも買い手掛かりになった。アナリストが目標株価を引き上げた航空機エンジンのロールス・ロイスが大幅高だった。ブリティッシュ・ランドを筆頭に不動産関連株も買われた。
 
半面、原油安を受けて石油株は下落した。前日に大幅上昇したブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメントは、利益確定の売りで下げた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14557.58(+96.16)
16日のドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。終値は前日と比べて96.16ポイント(0.7%)高の1万4557.58だった。
指数への影響が大きい自動車株が上昇し、相場を押し上げた。
個別では、フォルクスワーゲン(VW)が大幅続伸した。電気自動車(EV)の生産拡大を期待した買いが続いた。タイヤのコンチネンタルやBMWも高かった。半面、アディダスと電力のRWEの下げが目立った。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6055.43(+19.46)
 
 
 

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