NYダウ79ドル安、キャタピラーボーイングの下落が足かせ

24日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比79ドル22セント安の2万7269ドル97セントで終えた。
 
この日ボーイングとキャタピラーが発表した4~6月期決算はいずれもさえない内容で、2社がダウ指数の下げを主導した。一方、一部企業の好決算をはやして半導体株などが上昇し、ナスダック、S&P500種指数とも終値で最高値を更新した。
 
キャタピラーが24日発表した2019年4~6月期決算はコスト増や中国景気の減速が響き、1株利益が市場予想を下回った。通期予想も予想レンジの下限にとどまると発表した。ボーイングは2度の墜落事故を起こした「737MAX」の運航停止に伴う補償が膨らみ、3年ぶりの最終赤字に転じた。2銘柄でダウ平均を121ドルあまり押し下げた。
 
医療保険大手のアンセムが24日発表した四半期決算で医療費支払いが予想以上に増えたのが嫌気されて大幅安となった。同業に売りが波及し、ダウ平均の構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループが売られたのもダウ平均の重荷だった。
 
一方、好決算発表企業には買いが入った。半導体大手のテキサス・インスツルメンツやテラダイン、宅配大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)などの決算が好感され、他の製造業やIT株にも買いが波及した。
 
米ホワイトハウスは24日、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が中国・上海を訪れて閣僚級の貿易協議を30日から開くと発表した。協議の進展期待が相場を下支えした面もあった。
 
セクター別では、半導体・半導体製造装置や電気通信サービスが上昇する一方で家庭用品・パーソナル用品や食品・飲料・タバコが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、70.097ポイント高の8321.500と約1週ぶりに過去最高値を更新した。半導体関連株の上昇が目立った。24日の取引終了後に決算を発表したフェイスブックも上昇した。
 
S&P500種株価指数は3日続伸し、14.09ポイント高の3019.56と15日以来ほぼ1週ぶりに過去最高値を更新した。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,269.97-79.22
S&P500種
3,019.56+14.09
ナスダック
8,321.500+70.097
NY金(ドル/トロイオンス)
1,423.60+1.90   
NY原油(ドル/バレル)
55.90-0.87
円・ドル
108.12 – 108.13+0.09

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。9月物は前日比50円高の2万1745円で引け、24日の大取終値を75円上回った。
30日から上海で始まる米中貿易協議の進展期待が相場を支えた。朝安で始まった後、円や米株の動きをにらみながらじりじりと引けにかけて上げた。値動き幅は限られた。
この日の9月物高値は2万1750円、安値は2万1600円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21745 ( +75 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21745 ( +75 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7501.46(-55.40)
FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日の終値に比べ55.40ポイント安の7501.46で引けた。
英国の新首相にジョンソン氏が就任し、欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」の懸念が改めて高まった。指数構成銘柄ではないものの、英自動車メーカーのアストンマーティンが25%を超える急落となったことも相場の心理的重しとなった。
指数構成銘柄全体の約半分が下落した。資源株が下落を主導した。
 
個別銘柄では、鉱業のリオ・ティントは4%超の値下がりと目立った。アナリストが投資判断と株価目標をともに引き下げたことも響いた。特殊化学のクローダ・インターナショナルも大幅安だった。米中貿易摩擦が需要に悪影響し、上期利益が市場予想を下回ったことが嫌気された。スタンダードチャータード銀行も4%超下がった。
 
半面、好業績銘柄が物色された。民放大手ITVが6.6%の大幅高。上期決算で減収となったものの、一部の人気番組の貢献で市場予想をやや上回ったことが好感された。情報・出版のインフォーマは、良好な上期決算を発表したほか、2019年の通期業績目標を達成するとの見通しを示したことから、6.5%高と買いが広がった。上期決算を発表した不動産投資信託(REIT)のセグロも上がった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12522.89(+32.15)
ドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前日と比べて32.15ポイント高の12522.89だった。
 
個別銘柄では、素材メーカーのコベストロが3%超上がった。通期の利益見通しを据え置いたことが好感された。
4~6月期の決算を発表した自動車のダイムラーも上昇した。半導体のインフィニオンテクノロジーズも買われた。米同業のテキサス・インスツルメンツが23日に発表した4~6月期決算について、市場が警戒したほど悪くなかったことが好感された。
 
一方で、ドイツ銀行は売られた。4~6月期決算で、大規模なリストラ費用を計上したことが響いて最終赤字になったことが売り材料。日用品のバイヤースドルフも下落した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5605.87(-12.29)

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