27日のNYダウ工業株30種平均は前日比70ドル87セント(0.3%)安の2万6820ドル25セントと続落で終えた。
ダウは買い優勢でスタート。米CNBCテレビが26日に米中両政府が来月10、11日にワシントンで閣僚級の貿易協議を開く予定だと報じ、交渉進展への期待が再燃。ダウは一時120ドル超上昇した。
しかし、米ブルームバーグ通信が27日午前、トランプ政権が米国から中国企業への証券投資の制限を検討していると報道。米市場に上場している中国企業の上場廃止も検討しているとも伝えられた。報道を受けて、株式市場では一転して米中対立の激化の懸念が高まり、ハイテク株全体が売られる展開となり、マイクロソフトやアルファベット、フェイスブックなど主要ハイテク株の下げも目立った。ダウはマイナス圏に沈み、175ドル安まで下げ幅を拡大する場面もあった。
米株式市場に上場する電子商取引のアリババ集団やネット通販の京東集団(JDドットコム)のADRが大幅安となった。米国株では中国へ収益依存度が高いアップルや航空機のボーイングなどの売りが目立った。
半導体関連株の下げも相場の重荷だった。米中関係を巡る不透明感に加え、メモリー大手のマイクロン・テクノロジーが26日夕の2019年6~8月期決算と併せて発表した業績見通しが弱いと受け止められた。同社株は11%安と急落し、他の半導体関連株に売りが波及した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%あまり下落した。
セクター別では、銀行や家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方で半導体・半導体製造装置やソフトウェア・サービスが下落した。
ナスダック総合株価指数は同91.034ポイント安の7939.627と、9月3日以来の安値で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,820.25-70.87
S&P500種
2,961.79-15.83
ナスダック
7,939.627-91.034
NY金(ドル/トロイオンス)
1,506.40-8.80
NY原油(ドル/バレル)
56.18-0.23
円・ドル
107.92 – 107.93+0.24
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。
12月物は前日比260円安の2万1705円で引け、27日の大取終値を105円下回った。
複数のメディアが27日、トランプ米政権が米国の対中証券投資の制限を検討していると伝え、米中貿易交渉が難航するとの警戒感が広がった。同報道によると米市場に上場する中国企業の上場廃止も検討しているとみられる。
この日の12月物高値は2万1985円、安値は2万1670円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21705 ( -105 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21730 ( -80 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は大幅に続伸した。前日の終値に比べ75.13ポイント高の7426.21で引けた。
米中貿易協議の進展期待が広がったほか、外為市場のポンド安も追い風となった。タカ派で知られる英イングランド銀行(中央銀行)のソーンダース金融政策委員が利下げを示唆したことで、ポンドは売られ、株価には支援材料となった。通貨安の恩恵を受けやすい多国籍企業銘柄が買われ、朝方から高値圏で推移した。資源と金融株の上昇が株価指数の上げに大きく貢献した。構成銘柄の約8割が上昇した。
個別銘柄では、住宅建設のパーシモンは、アナリストが投資判断と株価目標をともに引き上げたことが好感され5.2%高で上昇率トップ。小売りのキングフィッシャーも大幅高と目立った。
半面、金相場の下落を背景に、関連のフレスニージョは下がった。前日に軟調な業績見通しを示し急落した教育事業のピアソンは、この日も複数のアナリストが株価目標を引き下げたことが響いて売られた。たばこのインペリアル・ブランズもアナリストによる株価目標引き下げなどを受けて下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて92.40ポイント高の12380.94だった。米中貿易協議の進展が期待され、欧州各国株式相場が上昇した。
個別では、航空のルフトハンザと素材メーカーのコベストロはともに3%前後上昇した。下落したのは、半導体のインフィニオンテクノロジーズを含む4銘柄だけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,640.58 +20.01
