28日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比69ドル16セント安の2万5916ドル00セントで終えた。
米朝首脳会談はこの日、2日間の日程を終えたが、北朝鮮の非核化で合意に至らず、文書の署名は見送られた。これが幾分重しとなり、株価は寄り付きから軟調に推移。北朝鮮の「後ろ盾」を自認する中国との貿易交渉の行方にも注目が集まる中、市場では若干様子見の姿勢が広がっていた。米中通商交渉をめぐっては、投資家の間で依然として期待と不安が入り交じっている。
薬価引き下げや医療制度改革の不透明感から、ユナイテッドヘルス・グループなど医療保険株への売りが続いたことも相場の重荷だった。建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)、化学のダウ・デュポンの下げも目立った。
一方、28日朝に出た市場予想を上回る米経済指標を受けて朝方は上げる場面もあった。米商務省が発表した2018年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は、前期比年率2.6%増と市場予想を上回った。米シカゴ購買部協会が発表した2月の景気指数(PMI)も予想以上に上げ、1年2カ月ぶりの高水準となったことから、株価の下値は限られた。
市場からは「米金利やドル相場、原油相場の上昇がやや株価のプレッシャーになっているものの、現時点で米国株を売るほどの材料がない」との指摘が聞かれた。
セクター別では、商業・専門サービスや食品・飲料・タバコが上昇する一方で素材やテクノロジー・ハード・機器が下落した。
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比21.977ポイント(0.3%)安の7532.532で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,916.00-69.16
S&P500種
2,784.49-7.89
ナスダック
7,532.532-21.977
NY金(ドル/トロイオンス)
1,321.20-7.30
NY原油(ドル/バレル)
57.25+0.31
円・ドル
111.39 – 111.40+0.64
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。
3月物は前日比70円安の2万1490円で引け、28日の大取終値より100円上げた。
米朝首脳会談が北朝鮮の非核化で合意できず、米株式相場が小安く引けたことにつれ安した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21490 ( +100 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21490 ( +100 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7074.73(-32.47)
FTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日27日の終値に比べ32.47ポイント安の7074.73で引けた。構成銘柄の半数以上が下落した。
米朝首脳会談が合意に至らないまま終わり、地政学的リスクへの懸念が強まった。
アジア市場での株安が波及し、売りが先行して始まった。午後に入り石油株が値下げ幅を縮小し、下げ渋る局面があったものの、指数への寄与度が大きい鉱業株が売られ、株価指数の重荷になった。
主力の鉱業株が終日、全面安で推移した。28日に発表になった2月の中国の景況感指数が悪化したこと受けて、需要減速を意識した売りが出た。
個別銘柄では、原油安を背景に石油株も午前は全面安だったが、BPが小幅高に転じた。エネルギー関連サービスのウッド・グループが安かった。
配当の権利落ちとなった航空のイージージェットが値下げ幅を拡大し、6%超安と指数の下げを主導した。2019年度の業績見通しに慎重な見方を示した製紙のモンディも大幅安で引けた。
半面、通期決算が市場予想を上回った有害生物管理会社レントキル・イニシャルが大幅に上昇した。前日27日にネット専業スーパーのオカドと共同出資会社の設立を発表し、急落した小売り大手のマークス・アンド・スペンサー(M&S)は買い戻された。オカドは続伸した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11515.64(+28.31)
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日27日と比べて28.31ポイント高の11515.64だった。
売りが優勢で始まったあと、徐々に上昇した。上昇・下落銘柄数は拮抗した。
個別銘柄では、素材メーカーのコベストロとオンライン決済サービスのワイヤーカードが高くなった。欧州の長期金利の上昇を背景にドイツ銀行も上げた。
一方で航空のルフトハンザと鉄鋼のティッセン・クルップが安かった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5240.53(+15.18)
