NYダウ65ドル安、ロシア・ウクライナ停戦期待が後退

 
 
30日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比65ドル38セント(0.2%)安の3万5228ドル81セントで終えた。前日までの4日続伸で900ドル強上げた後とあって、短期的な過熱感から、上昇をけん引していた消費関連やハイテク株が利益確定売りに押された。
 
ウクライナは前日開かれた停戦交渉で、ロシアが支配する南部クリミア半島の帰属問題を棚上げする譲歩案を提示した。一方、ロシアは首都キエフなどでの軍事作戦を縮小すると発表した。ただ、ロシアがウクライナ側の提案に同意するかは不透明。ロシア軍は南東部マリウポリの包囲を続け、攻撃を強める構えを示している。
前日の株式市場では、停戦交渉進展への期待から上昇していたが、この日は一転、売りが先行。前日まで4営業日連続で上昇していた反動で、利益確定の売りもみられ、下落した。
 
ウクライナ情勢の不透明感や米原油在庫の減少などで米原油先物が3%強上昇したのも株売りを誘った。ガソリン高による消費圧迫が意識されて消費関連株が売られ、ホームセンターのホーム・デポやクレジットカードのビザ、映画・娯楽のウォルト・ディズニーの下げが目立った。
 
ただ、ダウ平均の下値は堅かった。世界経済の先行き不透明感から、欧州に比べ相対的に景気が底堅い米国に資金を移す動きが継続しているとみられる。
 
アナリストが投資判断を引き下げた日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下落した。前日まで戻りが続いたハイテク株も利益確定売りが優勢だった。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムは3%下落し、スマートフォンのアップルは12営業日ぶりに反落した。
 
一方、ディフェンシブ株の一角は買われた。医療保険のユナイテッドヘルス・グループや小売りのウォルマートが高い。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比177.361ポイント(1.2%)安の1万4442.275で終えた。前日夕に発表した四半期決算と見通しが市場予想を上回った半導体のマイクロン・テクノロジーは買い先行後、下げて終えた。クアルコムやエヌビディアなど他の半導体株も総じて安い。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
35,228.81-65.38
S&P500種
4,602.45-29.15
ナスダック
14,442.275-177.361
FTウィルシャー5000
46,975.77-374.22
NY金(ドル/トロイオンス)
1,939.00+21.00
NY原油(ドル/バレル)
107.52-0.30
円・ドル
121.87 – 121.90+0.01
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

30日のシカゴ日経平均先物は反落した。6月物は前日比580円安の2万7760円で引け、30日の大取終値を240円下回った。

ロシアは29日にウクライナの首都キエフなどで軍事活動を縮小すると発表した後も攻撃を続けており、停戦への期待が薄れ売られた。原油相場の反発も弱材料だった。景気後退入りの可能性への懸念も根強く、終日軟調に推移した。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27760 ( -240 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27805 ( -195 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7578.75(+41.50)
30日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ41.50ポイント(0.55%)高の7578.75で引けた。原油など商品相場の上昇で、エネルギー株や資源株に買いが入った。
資源株が占める割合が他国に比べて高く、相対的に堅調だった。FTSEの個別銘柄を見ると、原油高を背景に英石油大手シェル(4.4%高)、同BP(3.1%高)と石油株が堅調。英鉱業大手アングロ・アメリカン(4.6%高)、スイス資源大手グレンコア(4.2%高)も締まった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14606.05(-214.28)
30日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落し、前日比214.28ポイント(1.45%)安の1万4606.05で終えた。ウクライナとロシアとの停戦協議に楽観的な見通しが広がった前日に大きく上昇していたため、利益確定の売りが出た。
独総合電機大手シーメンスが3.3%安だった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6741.59(-50.57)
フランスCAC40種指数は0.74%安となった。欧州航空機大手エアバスが1.9%と軟調だった。

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