21日のNYダウ工業株30種平均は続落した。前日比631ドル56セント安の2万3018ドル88セントで終えた。
前日の米原油先物市場では、新型コロナ感染拡大によるエネルギー需要減少や貯蔵余力への懸念から、WTI5月物がマイナス価格となった。この日は、事実上取引の中心となった6月物が4割超下落した。原油市場の混乱を受け、投資家のリスク回避姿勢が強まり、幅広い銘柄が売られた。
原油先物に連動する上場投資信託(ETF)で個人に人気の「ユナイテッド・ステーツ・オイル・ファンド」は4割近く下落した。原油安が米経済の足を引っ張り、石油関連企業の信用不安を招きかねないとの懸念が高まった。
3月後半以降の戻り相場をけん引してきたネット通販のアマゾン・ドット・コムやソフトウエアのマイクロソフトなど、大型ハイテク株の下落が目立った。原油急落で痛手を負ったヘッジファンドなどが、損失穴埋めのために利益の出ているハイテク株を売ったとの見方があった。
トランプ米大統領は21日、石油企業に資金支援する方針を示した。原油安による経営環境が悪化する石油企業はトランプ氏の支持基盤の一つ。11月の大統領選をにらみ、積極的に支援する姿勢をみせた。エクソンモービルなど石油株が一時上昇したものの、相場全体への影響は限られた。
2020年1~3月期の決算発表が本格化。新型コロナの感染封じ込めのための経済活動縮小による業績悪化への警戒感が広がっており、株売りを促した。4月に入り、販売量が25%減少していると明らかにしたコカ・コーラは2.5%安となった。新型コロナの打撃が大きい航空関連銘柄やクルーズ船運営会社も売られた。米債券市場では長期金利が低下し、利ざやの悪化懸念からJPモルガン・チェースなど金融株も売られた。
セクター別では半導体・同製造装置やソフトウェアサービスの下げが目立った一方、エネルギーの下げは小幅にとどまった。
ナスダック総合株価指数も前日比297.50ポイント安の8263.23と続落した。大型ハイテク株は総崩れだった。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など、戻り歩調が鮮明だった半導体株の一角も利益確定売りに押された。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,018.88-631.56
S&P500種
2,736.56-86.60
ナスダック
8,263.229-297.499
NY金(ドル/トロイオンス)
1,687.80-23.40
NY原油(ドル/バレル)
12.70+1.13
円・ドル
107.80 – 107.81+0.42
【シカゴ日本株先物概況】
21日のシカゴ日経平均先物は続落した。
6月物は前日比275円安の1万9035円で引け、21日の大取終値を285円下回った。
20日の市場で初のマイナス価格をつけた原油相場が下げ止まらず、引き続き売り圧力となった。原油安を受け新型コロナウイルスによる景気停滞への警戒感が強まった。21日のNYダウ工業株30種平均は続落した。
この日の6月物安値は1万8970円、高値は1万9515円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
19035 ( -285 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
19110 ( -210 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5641.03(-171.80)
21日のロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は4日ぶりに反落した。前日の終値に比べ171.8ポイント安い5641.03で引けた。
原油相場の暴落を受け、投資家のリスク回避姿勢から株価指数は終日マイナス圏で推移した。新型コロナウイルスによる世界経済の悪化が改めて意識され、幅広い業種に売りが広がった。指数構成銘柄全体の約8割が下落した。
個別銘柄では、特に、原油価格の下落で採算が悪化するとの懸念から、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルやBPなどの石油株が大きく売られた。スイス系資源大手グレンコアや豪英BHPビリトンなどの資源株の下げも目立った。金融大手HSBCホールディングスが4.5%安となるなど、銀行株も総じてさえなかった。
半面、小売り大手セインズベリーが3.1%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10249.85(-426.05)
21日のドイツ株式指数(DAX)は4日ぶりに反落した。終値は前日と比べて426.05ポイント(4.0%)安の10249.85だった。
原油先物相場が下げ止まらず、投資家心理が冷え込んだ。新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした世界経済の停滞が改めて意識され、企業業績の下振れに対する警戒が強まった。建設や銀行セクターの売りが特に目立っている。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4357.46(-170.84)
