NYダウ622ドル安、下げ幅今年最大

 

17日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比622ドル24セント(1.8%)安の3万4312ドル03セントで終えた。下落額、下落率とも今年最大。
 
バイデン米大統領はこの日、ロシアによるウクライナ侵攻が「数日以内」に起こり得ると指摘。ブリンケン米国務長官は国連安保理で演説し、ロシアのウクライナ侵攻は「差し迫った脅威だ」と強調した。
これらの発言を受けて地政学的リスクの高まりが嫌気される中、金や米国債などにリスク回避目的の買いが膨らんだ一方、株などのリスク資産の売りが広がり、ダウは終日軟調な展開を維持した。
 
朝方発表された最新週の新規失業保険申請件数は前週比2万3000件増の24万8000件と、市場予想(ロイター通信調べ)の21万9000件を上回ったほか、1月の住宅着工件数は市場予想を下回った。
 
ハイテク株から景気敏感株まで幅広い銘柄が売られた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムは6%下落した。ソフトウエアのマイクロソフトとアップルも安い。建機のキャタピラーと工業製品・事務用品のスリーエム(3M)はともに4%下げた。
 
一方、好決算を発表した小売りのウォルマートとネットワーク機器のシスコシステムズが上昇。飲料のコカ・コーラや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などディフェンシブ株の一角も買われた。
 
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比407.376ポイント(2.9%)安の1万3716.719で終えた。半導体のエヌビディアが8%下げた。前日夕に四半期決算と合わせて開示した22年2~4月期の利益率が横ばいになるとの見通しが嫌気された。電気自動車のテスラも5%下げた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,312.03-622.24
S&P500種
4,380.26-94.75
ナスダック
13,716.719-407.376
FTウィルシャー5000
44,804.84-1,006.57
NY金(ドル/トロイオンス)
1,902.00+30.50
NY原油(ドル/バレル)
91.68-1.98
円・ドル
114.91 – 114.97-0.38
 


【シカゴ日本株先物概況】

17日のシカゴ日経平均先物は反落した。3月物は前日比580円安の2万6880円で引け、17日の大取終値を280円下回った。
バイデン大統領は、ロシアがウクライナ侵攻する確率が非常に高いと記者団に述べると、警戒感がさらに強まり、売りが加速。引けにかけ、下げ幅を拡大した。

 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26880 ( -280 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26890 ( -270 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7537.37(-66.41)
17日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ66.41ポイント(0.87%)安の7537.37で引けた。ウクライナとロシアの緊張激化で、地政学リスクを警戒した売りが出た。エネルギーや金融など景気敏感セクターが売られた。
FTSEは指数構成銘柄の8割超が下落。対ロ制裁懸念からロシア鉄鋼大手エブラズが7.5%安と急落。欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は4.1%安、英石油大手シェルも2.7%安と軟調だった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15267.63(-102.67)
17日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比102.67ポイント(0.67%)安の1万5267.63で終えた。ロシアのウクライナ侵攻が警戒され、運用リスクを取りにくかった。工業や自動車、金融が売られた。個別では、独総合電機大手シーメンスが2.1%安とさえなかった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6946.82(-18.16)
フランスCAC40種指数は0.26%安だった。
ウクライナ情勢をめぐり、ロシア軍の一部撤収を北大西洋条約機構(NATO)諸国が否定。ロシアのウクライナ侵攻が迫っているとの見方から投資家心理が再び冷え込んだ。

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