16日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比62ドル52セント高の2万4768ドル93セントで終えた。前日に200ドル近く下げ、押し目買いが入りやすかった。
米百貨店大手メーシーズが朝方発表した2018年2~4月期(第1四半期)決算は、旺盛な個人消費に支えられ、純利益が前年同期比78.2%増の1億3900万ドルとなった。
良好な決算を受け、業績期待からナイキやウォルマートなど他の小売株にも買いが広がり、相場全体をけん引した。前日発表された4月の米小売売上高が堅調な内容だったことも小売株の買いを誘った。
小型株で構成する「ラッセル2000」が過去最高値を更新した。ドル高や地政学リスクなど外需株には逆風が吹いており、内需株が多い小型株に資金が向かいやすかった。16日発表の4月の鉱工業生産指数が市場予想を上回り、米景気への楽観論が広がったことも内需株買いを促した。
一方、前日に続き、この日も米長期金利が上昇したため、インフレ高進への警戒感から株価の上値は抑えられた。
また、北朝鮮が米朝首脳会談の開催中止を示唆したと伝わったことも、投資家心理の重荷となった。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比46.668ポイント高の7398.295で終えた。アップルやアマゾン・ドット・コムといった一部の主力株が買われ、半導体株も高い。
セクター別では、自動車・自動車部品や食品・生活必需品小売が上昇する一方で公益事業や不動産が下落した。
個別では、半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)は、一部アナリストの買い推奨を受け上昇。著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社が1~3月期に保有を増やした後発医薬品大手テバ・ファーマシューティカルズ・インダストリーズの米預託証券(ADR)も買われた。
一方、事務用品などのスリーエム(MMM)は、ジェフリーズによる投資判断引き下げを受け下落した。ホームセンターのホーム・デポやIT機器のシスコシステムズも売りが優勢だった。
VIX指数は13.42と低下(前営業日14.63)。米株主要3指数は小幅な動きながらも、底堅く推移した。
恐怖指数VIXは前日終値付近では上値重く推移し、NY午後には下げ幅を広げ、一時13.21まで低下。米10年債利回りが2011年7月以来の高値を更新しても、昨日とは変わって米株は底堅く、VIX指数も戻りが鈍いまま引けた。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,768.93+62.52
S&P500種
2,722.46+11.01
ナスダック
7,398.295+46.668
米10年債利回り(%)
3.1038 +0.024
米2年債利回り(%)
2.5934 +0.008
NY金(ドル/トロイオンス)
1,291.50+1.20
NY原油(ドル/バレル)
71.54+0.23
円・ドル
110.27 – 110.28+0.11
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。
6月物は前日比65円高の2万2810円で引け、同日の大取終値を70円上回った。米株の反発につれて上げた。
ただ、北朝鮮問題など地政学的リスクへの懸念が強まったうえ、米長期金利が一段と上昇し、上値は重かった。
この日の6月物高値は2万2815円、安値は2万2690円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22810 ( +70 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)22820 ( +80 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7734.20(+11.22)
FTSE100種総合株価指数は小幅続伸した。前日15日の終値に比べ11.22ポイント高の7734.20で引けた。構成銘柄の半数以上は上昇した。日中を通してほぼ小幅高の水準で推移した。鉱業関連株の上げが株価指数を押し上げる一方で、銀行株と石油株の下げが上値を抑えた。
個別銘柄では、鉱業関連株が買われ、アングロ・アメリカンは約5%、資源商社のグレンコアは3%超、それぞれ上がった。アストラゼネカなど医薬品株も買われた。
ブックメーカー(賭け屋)のパディパワー・ベットフェアは6%超上がった。傘下の米子会社と統合する可能性について協議していることを明らかにした。
ソフトウエア開発のマイクロフォーカスは6%高と、午後に上げ幅が縮まった。新規のライセンス契約が上期売上高に貢献するとの見通しを示したことが好感され買われた。
半面、バークレイズなど銀行株は売られた。石油のロイヤル・ダッチ・シェルとBPも安くなった。
梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループは5%安。それぞれアナリストが投資判断を引き下げたガス供給・販売のセントリカと通信のBTグループの下げも目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
CAC40 5567.54(+14.38)
ドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反発した。終値は前日15日と比べて26.29ポイント高の12996.33だった。
個別銘柄では、アディダスと工業用ガスのリンデが買われた。アナリストが株価目標を引き上げた医薬・化学大手の独メルクの上げも目立った。
一方で、コメルツ銀行は複数のアナリストが株価目標を引き下げたことから6%安。ドイツ銀行と保険のアリアンツも売られた。
■フランス・パリ株価指数
DAX 12996.33(+26.29)
フランスのCAC40は0.26%高の5567.54と、前日に引き続き、終値ベースで2007年12月下旬以来の高値を付けた。
