24日のNYダウ工業株30種平均は大幅に3日続落し、前日比608ドル01セント安の2万4583ドル42セントと7月上旬以来の安値で終えた。
年初来の騰落率はマイナスに転じた。世界景気の先行き不透明感が意識された。引けにかけて売りが加速した。
この日の取引は、アジアや欧州の主要株価が持ち直したことを受け、値頃感が出た銘柄を中心に買い戻しが入って始まった。しかし、米中両国の貿易摩擦激化や中東の地政学的リスクなどへの懸念がくすぶる中、ダウはすぐにマイナス圏に転落した。米商務省が発表した9月の新築一戸建て住宅販売件数が前月比で減少したことも株価を下押しした。
10月のユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)の総合指数が52.7に低下した。市場予想(53.9)を下回った。製造業やサービス業指数も市場予想以上に低下した。
また、前日引け後に7~9月期決算を発表した半導体大手テキサス・インスツルメンツが低調な業績見通しを示したことを受け、インテルなど半導体関連にも売りが広がった。この日の決算で調整後の1株当たり利益が市場予想を下回ったAT&Tなどメディア関連株も大きく下げた。
S&P500種株価指数が節目の2700を下回り、先安観につながった面もあった。投資家心理を測る指標である米株式相場の変動性指数(VIX)は不安心理が高まった状態とされる20を上回り、一時26前後に上昇した。相場の不安定な値動きを嫌気した売りも出た。
ダウ平均は寄り付き直後高く推移する場面があった。市場予想を上回る増収増益決算を発表した航空機のボーイングが上げ、相場を支えた。
セクター別では、公益事業や家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方で半導体・半導体製造装置やメディアが下落した。
ナスダック総合株価指数も大幅に続落した。同329.138ポイント安の7108.401と5月上旬以来、5カ月半ぶりの安値で終えた。
個別では、通信大手のAT&T(T)や運輸・宅配のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は、決算内容が予想を下振れ下落した。半導体のテキサス・インスツルメンツ(TXN)は、低調な業績見通しが嫌気され軟調推移した。ホテル運営のヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HLT)も、決算内容が嫌気され売られた。
一方、航空機メーカーのボーイング(BA)は、キャッシュフローの急増や通期見通しの上方修正が好感され上昇した。コカ・コーラ、ベライゾン・コミュニケーションズが買われた
NYダウ工業株30種(ドル)
24,583.42-608.01
S&P500種
2,656.10-84.59
ナスダック
7,108.401-329.138
米10年債利回り(%)
3.111 -0.06
米2年債利回り(%)
2.8426 -0.041
NY金(ドル/トロイオンス)1,231.10-5.70
NY原油(ドル/バレル)66.45-0.37
円・ドル
112.09 – 112.10-0.41
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は大幅に続落した。
12月物は前日比770円安の2万1405円で引け、大阪取引所の終値を625円下回った。米株の大幅安が嫌気され、
日経平均先物にも売りが広がった。米住宅指標やユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を下回り、米国や世界景気の先行きに対する警戒感が強まった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21405 ( -625 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21430 ( -600 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6962.98(+7.77)
FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに小反発した。
前日23日の終値に比べ7.77ポイント高の6962.98で引けたアジア株高とポンド安が追い風となったが、米株安を受けて伸び悩んだ。構成銘柄の約6割が上昇した。
午前に徐々に上げ幅を広げたが、午後に伸び悩み、米国株が下落に転じると英国も上げ幅を大きく縮めた。
好業績の銘柄を物色する動きがあった一方、資源株は総じて軟調だった。
医薬品株と時価総額の大きい日用品のレキットベンキーザーの値上がりが株価指数を押し上げた。
個別銘柄では、通信のBTグループは4%高。前日に急落したネット専業スーパーのオカド・グループがこの日は買い戻され3%超上昇した。銀行のバークレイズはは3.0%高と第3四半期の利益が市場予想を上回ったことが好感され上がった。
半面、鉱業のフレスニージョは4%下がった。2018年の銀生産の見通しについて2度目の引き下げをしたことが響いた。梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループの下げも目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11191.63(-82.65)
ドイツ株式指数(DAX)は6日続落した。終値は前日23日と比べて82.65ポイント安の11191.63と、終値ベースで2016年12月中旬以来、約1年10カ月ぶりの安値で引けた。
欧州株は総じて上がって始まり、午後には一段高となる場面もあったが、米国株が下落に転じると、欧州株も下げに転じた。
個別では、素材メーカーのコベストロが大幅安。ドイツ銀行は4%超の下落。2018年7~9月期決算で最終利益が大幅に減少したことなどが嫌気された。半導体のインフィニオンテクノロジーズも大幅安。仏伊同業のSTマイクロエレクトロニクスの第3四半期の業績が市場予想を下回り、大幅安となったことに連動した。
一方で、アディダスは買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4953.09(-14.60)
欧州の主要株式市場では、フランスの株価指数CAC40下落し年初来安値を更新した。
