25日のNYダウ工業株30種平均は前週末比60ドル14セント高の2万6091ドル95セントと続伸した。昨年11月8日以来ほぼ3カ月半ぶりの高値で終えた。
米中両国は24日、ワシントンでの4日間の閣僚級貿易協議を終了した。トランプ大統領はツイッターへの投稿で「知財権保護、技術移転の強要、農業、サービス、為替といった構造的な問題で大きな進展が見られた」と評価。3月1日に設定した交渉期限を「遅らせるだろう」と表明した。
交渉期限の延長に伴って中国からの輸入品2000億ドル相当に対する追加関税の10%から25%への引き上げは保留される。25日には大統領は両国の立場は「とても、とても近づいている」とも強調した。米中貿易協議が合意に向かうとの期待から25日のダウは取引前半に一時200ドル超上昇。建機のキャタピラーやボーイングなど中国売上高比率の高い銘柄や、金融のゴールドマン・サックスなど景気敏感株に買いが入った。中国市場への依存度
個別株の好材料が目立ったことも投資家心理を上向けた。バイオ製薬事業を産業・医療機器大手のダナハーに214億ドルで売却すると発表したゼネラル・エレクトリック(GE)が上昇。ダナハーもバイオ事業強化が好感され買われた。
ただ、取引終了にかけて上げ幅を縮めた。26~27日に予定するパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言や、28日発表の昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP、速報値)など週内は重要日程が多い。年明けから米株相場の上昇が続いた後だけに、一連のイベントの内容を見極めたいとのムードが強かった。
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や半導体・半導体製造装置が上昇する一方で不動産や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
ナスダック総合株価指数は同26.915ポイント高の7554.460と昨年11月7日以来の高値で終えた。フェイスブックやアップルなど主力株が軒並み上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,091.95+60.14
S&P500種
2,796.11+3.44
ナスダック
7,554.460+26.915
NY金(ドル/トロイオンス)
1,329.50-3.30
NY原油(ドル/バレル)
55.43-1.83
円・ドル
111.04 – 111.05+0.42
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。
3月物は前週末比145円高の2万1570円で引け、25日の大取終値を20円上回った。
対中追加関税の延期を好感し米株とともに日経平均先物は買われた。米中合意が近いとの期待も支えとなった。
この日の3月物高値は2万1625円、安値は2万1445円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21570 ( +20 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21570 ( +20 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7183.74(+5.14)
FTSE100種総合株価指数は小幅続伸となり、前営業日終値比5.14ポイント高の7183.74で終了した。
トランプ米大統領が米中貿易協議の期限延期を表明し、買い安心感が広がった。ただ、中国株が大幅高になったのに対し、欧州株の上げは小幅にとどまった。
指数構成銘柄全体の5割強が上昇した。保険と医薬品株の値上がりが株価指数を押し上げた。
個別では、保険のプルーデンシャルとヒスコックスはともに約3%高。ヒスコックスは通期の利益が市場予想を上回ったことが好感された。ギャンブル事業のGVCホールディングスも大幅高となった。銀行株も上がった。
半面、鉱業株は売られた。住宅建設株も下落し、パーシモンは4%超の下げと目立った。住宅購入の公的資金スキームに関する同社の進め方に、英国政府が懸念を示したとの一部報道が売り材料となった。配送のブンズルは、通期利益は予想を上回ったものの、コスト増が利益率を圧迫したことが嫌気され3%超下がった。教育事業のピアソンは5.4%の大幅安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11505.39(+47.69)
ドイツ株式指数(DAX)は5日続伸した。終値は前週末と比べて47.69ポイント高の11505.39だった。米中間の貿易交渉が合意に向かっているとの期待が高まり、欧州各国市場で買いが広がった。
個別銘柄では、フォルクスワーゲンは大幅高となった。アディダスと半導体のインフィニオンテクノロジーズの上げも目立った。
一方で、素材メーカーのコベストロは大幅に下落した。競合他社の生産増やアジアの自動車向けの需要鈍化を理由に、今年の利益が半減する可能性を示したことが嫌気された。不動産のボノビアも安くなった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5231.85(+16.00)
フランスの株価指数CAC40とは上昇した。
