24日のNYダウ工業株30種平均が反落し、前日比59ドル34セント安の2万6597ドル05セントで終えた。
前日にナスダック指数とS&P500種株価指数がともに、終値で史上最高値を更新したため、24日は上げ一服感から方向感の乏しい展開が続いた。
佳境を迎えている米主要企業の1~3月期決算の発表で、業績が低調な企業には売りが出て、相場の重しとなった。ダウ構成銘柄でもある建設機械大手キャタピラーは増収増益だったものの、中国の需要低迷でアジア太平洋地区の建機販売が4%減と不振。原材料や人件費、輸送コストの上昇で建機事業の営業利益率が低下したことも嫌気され、同社株は大幅安となった。
同日発表の4月の独Ifo企業景況感指数が市場予想に届かず、市場心理を冷やした。中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率をさらに引き下げるとのうわさを否定したと伝わると、中国景気の回復期待もやや後退した。これらを受けて米欧の長期金利が低下し、利ざや縮小観測から金融株の下げも目立った。
一方、相場は上げる場面もあった。前日夕の四半期決算が市場予想ほど落ち込まなかった半導体のテキサス・インスツルメンツ(TI)が上昇し、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の一角が連れ高した。主要ハイテク企業の決算への期待感も相場を支えた。
セクター別では、耐久消費財・アパレルや不動産が上昇する一方で電気通信サービスやエネルギーが下落した。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、同18.807ポイント安の8102.015で終えた。アマゾン・ドット・コムやネットフリックスなどに利益確定売りが出た。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,597.05-59.34
S&P500種
2,927.25-6.43
ナスダック
8,102.015-18.807
NY金(ドル/トロイオンス)
1,279.40+6.20
NY原油(ドル/バレル)
65.80-0.09
円・ドル
112.10 – 112.11+0.29
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。
6月物は前日比115円安の2万2220円で引け、24日の大取終値を50円上回った。世界景気の減速懸念が広がり、日経平均先物は米株とともに売られた。
24日発表の4月の独Ifo企業景況感指数が市場予想を下回るなど、低調な景気指標の発表が相次いだ。
日本の10連休を控え取引を手控える向きもあり値動き幅は限られた。
この日の6月物安値は2万2125円、高値は2万2370円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22220 ( +50 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22240 ( +70 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7471.75(-51.32)
FTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ51.32ポイント安の7471.75で引けた。
前日の原油価格急伸を背景とした石油株主導の上昇が一服し、利益確定の売りに押された。1~3月期の企業業績に対する警戒感も上値を抑えた。
指数構成銘柄全体の約6割が下落した。資源株が値を下げた。終日安値圏で推移し、午後に下げ幅を拡大する場面もあった。
個別銘柄では、時価総額の大きい石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルの下げが目立った。中国が景気刺激策を緩めるとの観測から、需要が減少すると懸念され鉱業株も売られた。鉱業のアングロ・アメリカンは、JPモルガンが投資判断を引き下げたことが響いて、4%近く下落した。梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループは約4%下がった。
半面、不動産投資信託(REIT)のランド・セキュリティーズは3.0%高堅調。ソフトウエア開発のマイクロフォーカスの上げが目立った。衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは下がって始まったが、その後上昇に転じた。傘下の衣料チェーンの良好な業績を理由に買いが広がった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12313.16(+77.65)
ドイツ株式指数(DAX)は9日続伸した。終値は前日と比べて77.65ポイント高の12313.16と、終値ベースで2018年10月初旬以来、約6カ月半ぶりの高値で引けた。
個別では、ITのSAPは12%高。第1四半期は赤字決算だったものの、通期の業績見通しを上方修正したことが好感された。オンライン決済サービスのワイヤーカードも8%超上がった。一時は15%高をつける場面もあった。ソフトバンクグループから約9億ユーロ(約1100億円)の出資を受け入れると発表したことが買い材料となった。
一方で、医薬・農薬大手のバイエルと電力のエーオンの下げが目立った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5576.06(-15.63)
