21日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比560ドル54セント(1.6%)高の3万5492ドル70セントで終えた。
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」をめぐる懸念の高まりなどを背景に、ダウ平均は前3営業日で計1000ドル近く下落した。21日は値頃感が意識されて買い戻しが入り、大幅反発した
米国内でコロナ感染が再拡大していることを受け、バイデン米大統領はこの日、無料のコロナ検査キットの配布や、検査場所の拡充などに取り組むと表明した。バイデン氏は「今は(ワクチン接種が進んでいなかった)2020年3月とは状況が違う」と発言。現時点でロックダウン(都市封鎖)の必要はないとの見方を示したことは、株価の追い風となったもようだ。
米国で感染が増えているオミクロン株への警戒感は強いが、ワクチンの追加接種がオミクロン株の感染防止に一定の効果があるとされている。足元の相場下落は行き過ぎとの見方が出て、空運やクルーズ船など旅行・レジャー関連株を中心に押し目買いが入った。
前日夕に発表した四半期決算が市場予想を上回る増収増益となったスポーツ用品のナイキが6%高。航空機のボーイングも6%近く上昇した。旅客数が回復すれば航空機受注も増えるとみなされたほか、物流のUPSからの受注も好感された。クレジットカードのビザと同業のアメリカン・エキスプレス、映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連株も高い。
21日の米債券市場で長期金利が1.49%と前日終値(1.42%)から上昇した。利ざや拡大の見方から、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株にも買いが入った。原油高を受けて石油のシェブロンも高い。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比360.143ポイント(2.4%)高の1万5341.087で終えた。スマートフォンのアップルなど主力株が買われた。前日夕に発表した四半期決算や見通しが市場予想を上回った半導体のマイクロン・テクノロジーが11%上昇。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディアなど半導体株全般に買いが広がった。
NYダウ工業株30種(ドル)
35,492.70+560.54
S&P500種
4,649.23+81.21
ナスダック
15,341.087+360.143
NY金(ドル/トロイオンス)
1,788.70-5.90
NY原油(ドル/バレル)
71.27+2.66
円・ドル
114.07 – 114.12+0.42
【シカゴ日本株先物概況】
21日のシカゴ日経平均先物は反発した。3月物は前日比420円安の2万8635円で引け、21日の大取終値を135円上回った。前日に下げ進んだ反動から買いが入った。バイデン大統領がパンデミック発生当初とは違うとし、経済封鎖を否定したため景気回復の鈍化懸念が後退し一段の上昇に繋がった。新型コロナの変異型「オミクロン株」の感染拡大への警戒感がやや薄れ、この日の高値寄りで引けた。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28635 ( +135 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28700 ( +200 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7297.41(+99.38)
21日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ99.38ポイント(1.38%)高の7297.41で引けた。構成銘柄の約8割が上昇した。
欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大しているものの、クリスマス前の各国政府によるロックダウン(都市封鎖)などの規制強化は見送られるとの見方が広がり、投資家の買い安心感につながった。
前日に下げた後の買い戻しが広がった。商品相場の上昇で鉱業や石油など資源株が買われ、株価指数の上げに大きく影響した。
個別では、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が7%近く上げた。
外食・ホテル大手ウィットブレッド(3.4%高)、ホテル大手インターコンチネンタルホテルズグループ(2.5%高)も締まった。石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルはA株、B株ともに2.8%高と堅調だった。
半面、オンライン食品販売オカド・グループが2.7%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15447.44(+207.77)
21日のドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。終値は前日と比べて207.77ポイント(1.36%)高の1万5447.44だった。前日の下げの反動で買い戻された。
個別では、航空機のエアバスと航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズがともに4%超上げた。食材・レシピ宅配のハローフレッシュは下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6964.99(+94.89)
