NYダウ542ドル高、米政治の不透明感が後退

 
5日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。前日比542ドル52セント高の2万8390ドル18セントで終えた。
一部の州で大統領選の開票作業は続いているが、市場では民主党のバイデン前副大統領が勝利するとの見方が強い。同党は議会下院では多数派を維持する見込みだが、上院で過半数に届かない可能性が高まっている。
この日も前日の流れを引き継ぎ、議会選挙の結果でバイデン候補が目指す増税が実現困難になるなどの見方から買いが先行。アップルなどハイテク株が引き続き大幅高となったほか、景気敏感株の上げも目立ち、ダウの上げ幅は一時600ドルを超えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明やパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見が相場に及ぼす影響はほとんどなかった。
 
投資家心理を測る指標である米株の変動性指数(VIX)が一時26台まで低下したことも買い安心感につながった。
 
民主党が主張してきたハイテク企業への規制強化が過度に進まないとの見方が強まった。スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフト、インターネット通販のアマゾン・ドット・コムなど大型ハイテク株が前日に続き買われた。
 
米連邦準備理事会(FRB)は5日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で現在の金融緩和策の維持を決めた。低金利環境が長期化するとの思惑も、株式相場を押し上げた。
 
上院の共和党トップであるマコネル院内総務は4日、議会は年内に新型コロナウイルスで落ち込んだ景気に対応するための追加の経済対策法案を承認する必要があるとの考えを示した。規模は限定的ながら経済対策が成立し、米景気を支えるとの見方も強まった。
 
建機のキャタピラーや航空機のボーイング、化学のダウなど業績が景気の動向に左右されやすい銘柄も上げた。金融のゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースも高い。
 
セクター別では、自動車・自動車部品が上昇した一方、医薬品・バイオテクが下落。
 
ナスダック総合株価指数も4日続伸した。前日比300.15ポイント高の1万1890.93で終えた。2020年7~9月期決算が市場予想を上回った半導体のクアルコムが大幅に上昇。スカイワークス・ソリューションズやザイリンクスなど他の半導体関連株にも買いが波及した。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
28,390.18+542.52
S&P500種
3,510.45+67.01
ナスダック
11,890.927+300.146
NY金(ドル/トロイオンス)
1,896.20-14.20
NY原油(ドル/バレル)
38.51-0.64
円・ドル
103.45 – 103.52-0.85
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

5日のシカゴ日経平均先物は続伸した。
12月物は前日比380円高の2万4265円で引け、5日の大取終値を145円上回った。
 
大統領選で民主党のバイデン候補が獲得選挙人数を拡大したため想定されていたよりも早く結果が判明するとの期待に寄り付きから上昇。日経平均先物は米株とともに買われた。
選挙結果を巡り、共和党が上院の過半数を維持し、民主党のバイデン氏が勝利しても規制強化など政策導入は限定的との見方が広がった。米連邦準備理事会(FRB)が5日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和策の維持を決めたことも支援材料になった。
この日の12月物高値は2万4375円、安値は2万3860円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
24265 ( +145 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
24275 ( +155 )
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5906.18(+22.92)
5日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日の終値に比べ22.92ポイント高の5906.18で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。英国で2回目のロックダウン(都市封鎖)が始まった。景気下支えのため英イングランド銀行(中央銀行)が追加緩和策を発表し、買いが広がった。
米大統領選で民主党のバイデン候補が勝利に近付き、世界的に株高が進んだ。英イングランド銀行(中央銀行)が追加量的金融緩和に踏み切ったことも相場を押し上げた。ただ、外為相場でポンド高が急伸し、上値を抑えた。
 
個別銘柄では、鉱業株が買われ、金銀生産大手のポリメタル・インターナショナルの上昇が目立った。総合保険のRSAインシュアランス・グループは急伸した。
半面、時価総額の大きいBPなど石油株が売られ株価指数の上値を抑えた。航空機エンジンのロールス・ロイスは大幅安だった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12568.09(+243.87)
5日のドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前日と比べて243.87ポイント高の1万2568.09だった。
米大統領選の開票作業が進むなかで米国株が上昇し、欧州各国の株式相場もそろってつれ高となった。
 
個別では、料理宅配大手のデリバリーヒーローが8%高と目立った。工業用ガスのリンデは、2020年12月期の1株当たり利益の見通しを引き上げたことから大幅高となった。一方、下落したのは、ミュンヘン再保険を含む4銘柄だけだった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4983.99(+61.14)

株ちゃんofficial xはこちら!
目次