3日のNYダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比54ドル45セント高の2万6828ドル39セントと連日で過去最高値を更新した。
朝方発表した9月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数(季節調整済み)は前月比23万人増となり、市場予想(ロイター通信調べ)の18万5000人増を上回った。雇用市場の堅調さを示す指標を受けて金利が上昇。利ざや拡大期待から金融株を中心に買いが集まった。
また、イタリア政府が財政赤字の国内総生産(GDP)に対する比率を削減するとの報道を受け、財政懸念がやや和らぎ欧州の株式相場が金融株を中心に上昇した。米長期金利の上昇もあってゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が買われた。
ダウ平均の上げ幅は180ドルに迫る場面があったが、その後は伸び悩んだ。米長期金利の指標となる10年物の米国債利回りが一時3.17%まで急上昇し、公益事業や生活必需品、通信といった安定的な配当が見込まれる銘柄に売りが膨らんだ
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、25.538ポイント高の8025.085で終えた。フェイスブックやインテルなど主力株の一角で買いが優勢になった。
セクター別では、銀行やテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で家庭・パーソナル用品や公益事業が下落した。
個別では、米長期金利の上昇でゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融各社に買いが広がった。寝具のテンピュール・シーリー・インターナショナル(TPX)は、競合マットレス・ファームの破産を受けて大幅上昇。百貨店のJCペニー(JCP)は、小売業界で30年の経験を持つジル・ソルタウ氏をCEOに指名する人事を発表し堅調推移した。自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は、自動運転車の共同開発・販売でホンダと提携し買われた。
一方、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、コカ・コーラ、ウォルマートが安くなった。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,828.39+54.45
S&P500種
2,925.51+2.08
ナスダック
8,025.085+25.538
米10年債利回り(%)
3.1832 +0.127
米2年債利回り(%)
2.876 +0.061
NY金(ドル/トロイオンス)
1,202.90-4.10
NY原油(ドル/バレル)
76.20-0.21
円・ドル
114.46 – 114.47+0.59
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小反発した。
12月物は前日比50円高の2万4280円で引けた。同日の大取終値を140円上回った。
NYダウ工業株30種平均が連日で過去最高値を更新し、日経平均先物でも買い安心感が広がった。この日の最高値は2万4360円、最安値は2万4025円だった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
24280 ( +140 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
24310 ( +170 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7510.28(+35.73)
FTSE100種総合株価指数はイタリア不安の後退などを好感して4営業日ぶりに反発。前日2日の終値に比べ35.73ポイント高の7510.28で引けた。イタリアの財政不安をめぐる警戒感が後退し、投資家心理が改善した。朝方から買いが先行するなか、午後に米国株式相場が高く始まったことに連れて、やや上げ幅を広げた。
イタリアの欧州連合(EU)懐疑派政権が財政赤字の削減に取り組む方針だとの報道を受け、同国とEUの対立が決定的なものになる事態は回避されたとの楽観論が市場で広がった。
構成銘柄の約7割が上昇した。
時価総額の大きい医薬品株やたばこ株が軒並み上昇したことも寄与した。
個別では、オランダの企業に対する買収観測を否定したメディアのITVが上げ幅を広げ、4%近く上昇した。英ホームセンター大手キングフィッシャーは3.0%高、英資産運用大手シュローダーは2.9%高。原油高を追い風に石油株が買われた。鉱業株も堅調だった。
半面、スーパーマーケットのテスコが8%超安と、大幅に下落した。上期利益が市場予想に届かなかったことで失望売りが膨らんだ。総合公益会社のユナイテッド・ユーティリティーズなど公益株は利益確定の売りで下落した。配管・暖房流通大手ファーガソン(旧ウルズリー)と英給食サービス大手コンパス・グループはいずれも1.8%安と売られた。ビジネスサポートのDCCの下げも目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
休場
ドイツ株式指数(DAX)は反落。終値は前日1日と比べて51.45ポイント安の12287.58だった。イタリアの財政不安が広がったことを背景に、終日売りが先行した。
個別では、重電のシーメンスと航空のルフトハンザ、不動産のボノビアが安かった。
一方で半導体のインフィニオンテクノロジーズが大幅に上昇した。ダイムラーなど自動車株も堅調だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5491.40(+23.51)
