NYダウ530ドル高、経済対策の一部実施期待

 
7日のNYダウ工業株30種平均は前日比530ドル70セント高の2万8303ドル46セント反発した。と9月上旬以来、1カ月ぶりの高値で終えた。
 
ダウ平均は前日、トランプ米大統領が追加の新型コロナウイルス経済対策の協議停止を指示したことを嫌気し、375ドル安で引けた。米議会与野党は追加対策の財政出動規模をめぐって対立し、協議が難航。トランプ氏は11月3日の大統領選後まで協議を停止するよう与党共和党に指示したと明らかにした。
 
ただ、トランプ氏は6日夜、「議会の上下両院は250億ドルの空運会社の給与支援や、1350億ドルの中小企業向け給与保護プログラムをすぐに承認すべきだ」とツイッターに投稿した。家計への1200ドルの現金給付も個別の法案として承認する方針を示し、追加の経済対策に先行して業界や分野を絞った支援を実施するよう求めた。
部分的にでも米景気を支える政策が実現するとの期待から買いが入った。
 
財政支援の恩恵を受けるユナイテッド航空ホールディングスなどの空運株が上昇。ダウ平均の構成銘柄では航空機のボーイングや機械のハネウェル・インターナショナル、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)などの景気敏感株の上げが目立った。ID管理システムのオクタとの提供を発表した顧客情報管理(CRM)のセールスフォース・ドットコムも高い。
 
規制強化への懸念から前日に売られたネット通販のアマゾン・ドット・コムやスマートフォンのアップルなど主要ハイテク株の一角も反発した。
セクター別では特に自動車・自動車部品、運輸が上昇した。
 
午後に入り、9月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公開され、参加者が経済対策の不足や遅れが景気回復を遅らせることを懸念していることが示された。ただ、相場には大きく響かなかったもようだ。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比210.00ポイント高の1万1364.60で終えた。アナリストが目標株価を引き上げた動画配信のネットフリックスが大幅高。電気自動車(EV)のテスラも買われた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
28,303.46+530.70
S&P500種
3,419.45+58.50
ナスダック
11,364.599+209.995
NY金(ドル/トロイオンス)
1,890.80-18.00
NY原油(ドル/バレル)
40.03+0.087日 18:00
円・ドル
105.96 – 105.98+0.10

 


【シカゴ日本株先物概況】

7日のシカゴ日経平均先物は反発した。
12月物は前日比225円高の2万3495円で引け、7日の大取終値を85円上回った。

トランプ米大統領が航空業界や中小企業向け支援などの政策を速やかに実施すべきとツイッターに投稿し、これを材料視する形でNYダウ、ナスダック総合指数ともに大きく切り返した。資家心理が上向いた。円安も支援材料だった。
この日の12月物高値は2万3500円、安値は2万3220円。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23495 ( +85 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23535 ( +125 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5946.25(-3.69)
7日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反落した。前日の終値に比べ3.69ポイント安の5946.25で引けた。
英国で新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、スコットランド自治政府が一段と厳しい対策を発表し、内需株の重しとなった。指数構成銘柄全体の5割超が下落した。
指数への寄与度が大きい資源株に売り買いが集中したため、相場の方向性が出にくかった面もある。原油安を受けて石油株は下落し、鉱業株は銅相場の大幅上昇を追い風に買われた。
 
個別銘柄ではアナリストが目標株価を引き下げた出版のRELXの下げが目立った。スーパーマーケットのテスコは下げに転じた。オンライン事業の売上高増加を好感した買いが先行して始まったあと、足元の利益確定の売りなどで下落した。
 
半面、酒類のディアジオはアナリストが投資判断を2段階引き上げたことで上昇した。前日急伸した航空機エンジンのロールス・ロイスも高かった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12928.57(+22.55)
7日のドイツ株式指数(DAX)は小幅ながら3日続伸した。終値は前日と比べて22.55ポイント(0.2%)高の1万2928.57だった。
 
朝方に発表された8月のドイツ鉱工業生産指数が市場予想に反して低下し売りが先行していたが、引けにかけて上昇に転じた。
 
個別では、ドイツポストが大幅高となった。新型コロナウイルスの影響でオンライン事業が好調で通期の営業利益の見通しを引き上げたことが手掛かりになった。素材メーカーのコベストロと化学のBASFは、それぞれアナリストによる目標株価の引き上げを材料に値上げした。
半面、ドイツ取引所、医薬・農薬大手のバイエル、ミュンヘン再保険の下落が目立った。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4882.00(-13.46)

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