NYダウ526ドル高と続伸、米景気先行きに楽観論

 
 
16日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比526ドル82セント高の2万6289ドル98セントで終えた。
 
米商務省が朝方発表した5月の小売売上高は前月比17.7%増。停滞していた経済活動の再開を背景に過去最大の上昇率となった。市場予想を大きく上回ったことで、米景気への楽観論が広がり、幅広い業種が買われた。
消費回復期待からクレジットカードのアメリカン・エキスプレスやマスターカードが上昇した。ホームセンターのホーム・デポが買われ、百貨店やアパレル株でも大幅に上げた銘柄が相次いだ。インフラ整備計画を好感して建機のキャタピラーが5%強上昇した。ダウ平均の上げ幅は朝方に一時800ドルを超えた。
 
また、米政権が新たに1兆ドル規模のインフラ整備計画を検討しているとの報道も投資家心理の改善につながった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、議会証言で、さらなる財政出動の必要性に言及した。景気対策への期待が高まり、株価を押し上げた。
 
ただ、新型コロナウイルス感染の第2波への警戒は残り、上昇局面では戻り待ちや利益確定の売りも出やすい。朝方の買い一巡後はダウ平均は上げ幅を50ドル程度にまで縮小する場面があり、相場は不安定だった。
 
セクター別では、医薬品・バイオテク、エネルギーの上昇が目立った。
 
ナスダック総合株価指数も前日比169.84ポイント(1.7%)高の9895.87と3日続伸した。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルなど主力株への買いが目立った。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,289.98+526.82
S&P500種
3,124.74+58.15
ナスダック
9,895.867+169.844
NY金(ドル/トロイオンス)
1,736.50+9.30
NY原油(ドル/バレル)
37.77-0.61
円・ドル
107.32 – 107.34±0.00

 


【シカゴ日本株先物概況】

16日のシカゴ日経平均先物は反発した。9月物は前日比430円高の2万2345円で引け、16日の大取終値を15円下回った。
 
景気回復への期待から買われた。朝方発表の5月の米小売売上高が前月比17.7%増と過去最大の上げ幅を示した。トランプ米政権が1兆ドル規模のインフラ整備計画を検討しているとの報道も支援材料になり、日経平均先物は米株とともに上げた。
 
この日の9月物高値は2万2560円、安値は2万1920円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22345 ( -15 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22415 ( +55 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6242.79(+178.09)
16日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ178.09ポイント(2.9%)高い6242.79で引けた。
トランプ米政権が新たに1兆ドル(約108兆円)規模のインフラ整備計画を検討していると報じられ、投資家心理が上向いた。英イングランド銀行(中央銀行)が18日に資産買い入れ額の拡大を決めるとの期待感も相場を支えた。
同時に、2~4月の英失業率が大幅悪化を見込んでいた市場予想に反して3.9%と横ばいにとどまり、米小売売上高も堅調な内容となったことも追い風となった。
指数構成銘柄全体のうち、97%が上昇した。金融、資源、観光など幅広い銘柄に買いが集まった。
 
個別銘柄では、建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループや投資会社のメルローズ・インダストリーズが上げた。英国や東欧などで映画館を展開するシネワールド・グループも買われた。同社が16日、7月中に運営する全ての映画館を再開する方針だと発表し、材料視された。航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が5.9%高となるなど、航空株も上伸した。金融大手バークレイズ(5.7%高)を筆頭に銀行株も軒並み締まった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12315.66(+404.31)
16日のドイツ株式指数(DAX)は7日ぶりに反発した。終値は前日と比べて404.31ポイント(3.4%)高い1万2315.66だった。
米連邦準備理事会(FRB)が個別企業の社債購入を始めると発表し、トランプ米政権が経済対策として1兆ドル規模のインフラ投資を準備していると報じられた。景気回復期待からリスクオンムードが強まっている。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4952.46(+136.74)

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