2日のNYダウ工業株30種平均は前日比494ドル42セント安の2万6078ドル62セントは続落した。8月28日以来ほぼ1カ月ぶりの安値で終えた。下げ幅は8月23日以来の大きさだった。
朝方に民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した9月の全米雇用報告では、非農業部門の民間就業者数が前月比13万5000人増と、市場予想(ロイター通信調べ)の14万人増を下回った。前日発表されたサプライ管理協会(ISM)の米製造業景況指数が約10年ぶりの低水準だったことと相まって、米景気後退入りへの懸念が一段と強まった。
ダウ平均など主な株価指数が下値支持線とされる50日移動平均や100日移動平均を相次いで下回ると売りが加速した。ダウ平均は下げ幅が598ドルに達し、節目の2万6000ドルを下回る場面があった。
株式相場の予想変動率を示す変動性指数(VIX)は前日比で約10%上昇し、不安心理が高まった状態とされる20を上回った。変動率が上昇する場面で機械的に株式を売る「リスクパリティ」戦略をとる投資家からの売りが出ているとの指摘もあった。
アップルやインテルなどハイテク株が売られたほか、原油先物相場の下落もありシェブロンなど石油株の下げが目立った。ボーイングや建機のキャタピラーなど資本財が売られたほか、米長期金利の低下で利ざや縮小の懸念が強まりゴールドマン・サックスなど金融株の下げも大きかった。デルタ航空など運輸株も軒並み下げた。
業種別S&P500種株価指数の全11種が下落。ダウ平均の構成銘柄では医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)を除く29銘柄が下げた。
ナスダック総合株価指数は同123.439ポイント安の7785.246と8月23日以来の安値で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,078.62-494.4
S&P500種
2,887.61-52.64
ナスダック
7,785.246-123.439
NY金(ドル/トロイオンス)
1,507.90+18.90
NY原油(ドル/バレル)
52.47-1.15
円・ドル
107.16 – 107.17-0.51
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続落した。12月物は前日比335円安の2万1345円で引け、同限月物終値ベースで9月9日以来、約1カ月ぶりの安値をつけた。2日の大取終値を365円下回った。
世界景気の減速懸念から米株とともに売り進まれた。1日発表の米サプライマネジメント協会(ISM)の9月の製造業景況感指数や、2日発表の9月のADP全米雇用リポートを手掛かりに米景気の先行き懸念が強まった。
この日の12月物安値は2万1280円、高値は2万1780円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21345 ( -365 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21365 ( -345 )
※( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7122.54(-237.78)
FTSE100種総合株価指数は米景気不安や世界的な株安を背景に大幅な下げとなり3日続落した。前日の終値に比べ237.78ポイント安の7122.54で、8月下旬以来、約1カ月ぶりの安値水準で引けた。
1日発表の米製造業景況感指数の悪化を受けて世界景気の減速懸念を背景に売りが優勢で始まった。午後に入り、米国市場の株安に連動して下げ幅を拡大した。2日午後に発表された9月のADP全米雇用リポートの雇用者数の伸びが市場予想を下回り、米国で株安が進み英国株にも波及した。上昇したのは2銘柄だけとなった。
景気動向に敏感な石油株や鉱業株のほか、銀行株をはじめ金融株、ヘルスケア関連株を中心に幅広い銘柄が下落した。
個別銘柄では、ファイナンシャル・サービスのハーグリーブス・ランズダウンが7.5%安、小売りのキングフィッシャーと衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズが各6.3%安と大幅に下落した。
一方、賭け業者のフラッター・エンターテインメントは大幅高で引けた。カナダのオンラインギャンブル社を買収することで合意したと伝わり、事業拡大による収益改善を期待した買いで急伸した。一時上げ幅は20%を超えた。スーパーマーケットのテスコも小幅高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11925.25(-338.58)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅続落した。終値は前日と比べて338.58ポイント安の11925.25と1カ月ぶりの安値水準で引けた。終値が12000を下回るのは9月3日以来となる。全銘柄が下落した。
世界景気の減速懸念が強まりリスク回避の売りが広がった。午後に米国市場で株安が進むと、欧州各国の株式相場も売りが加速した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5422.77(-174.86)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて3%以上下げ幅を拡大して引けた。
