NYダウ45ドル高、ECBの量的緩和を好感

12日のNYダウ工業株30種平均は7日続伸し、前日比45ドル41セント高の2万7182ドル45セントと7月30日以来、約1カ月半ぶりの高値で終えた。7日続伸は2018年5月の8日続伸以来、1年4カ月ぶりの連続上昇記録。
 
欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策の再開を決定、欧州株がほぼ全面高となったことを受けて買いが先行した。トランプ米大統領が11日夜、2500億ドル分の中国製品への関税を30%に引き上げる制裁の発動を10月15日まで2週間先送りすると発表し、中国政府も米農産物の輸入再開を検討していることが伝わり、堅調推移となった。一方で、利益確定の動きや米中協議の行方に懐疑的な見方から上値は限られた。
 
ECBは12日の理事会で利下げと量的金融緩和の再開を決めた。市場には量的緩和は先送りするとの予想もあったため、欧州景気の減速に先手を打ったとして好感された。金融緩和が株式市場への資金流入を促すとの見方も投資家心理を支えた。
 
ダウ平均は一時169ドル高まで上昇した。クレジットカード大手ビザや保険のトラベラーズなど幅広い銘柄が上昇した。業種別では「素材」「金融」「一般消費財・サービス」など景気敏感株の上げが目立った。
 
引けにかけては伸び悩んだ。ダウ平均は7月15日に付けた過去最高値(2万7359ドル)が迫る。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値に近づいている。高値警戒感から、持ち高調整の売りも出やすい。
 
セクター別では、ソフトウェア・サービスや家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方でエネルギーや自動車・自動車部品が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、同24.789ポイント高の8194.467と7月30日以来の高値で終えた。アルファベットやアマゾン・ドット・コムなど主力ハイテク株の一角が買われた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,182.45+45.41
S&P500種
3,009.57+8.64
ナスダック
8,194.467+24.789
NY金(ドル/トロイオンス)
1,507.40+4.20
NY原油(ドル/バレル)
55.25+0.16
円・ドル
108.15 – 108.16+0.25
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は7営業日続伸した。
日経平均先物9月物は前日比180円高の2万1845円で引け、約4カ月ぶりの高値をつけた。12日の大取終値を25円上回った。米中貿易協議の進展期待が広がったほか、欧州中央銀行(ECB)が包括的な金融緩和を決め投資家心理が上向いた。
 
トランプ米大統領は11日夜、対中制裁関税の拡大の先送りを発表した。中国も12日に米国産農産品の輸入再開を表明し、合意に向けての進展期待が広がった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21675 ( +45 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21720 ( +90 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
TSE100 7344.67(+6.64)
FTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日の終値に比べ6.64ポイント高の7344.67で引けた。
欧州中央銀行(ECB)のマイナス金利深掘りや量的緩和再開などが手掛かりになったが、外国為替市場でユーロ安・ポンド高も進行。米中貿易協議の進展が期待され、銅価格が上昇。これを受けて鉱業株が買われ、株価指数を押し上げた。
一方で、石油輸出国機構(OPEC)など主要産油国の12日の会合で協調減産の拡大が先送りされて原油相場が下落。石油株が売られたことで指数の上値は抑えられた。
株価は総じて前日終値付近での狭いレンジ内の動きとなった。指数構成銘柄のうち、上昇・下落はともに約半分だった。
 
個別銘柄では、WMモリソン・スーパーマーケッツは、上期の税引き前利益が増加したことなどが好感され4%超上昇した。金価格が上がったことで、関連のフレスニージョにも買いが集まった。
一方で総合ヘルスケアのNMCヘルスと大手メディアのITVはともに大幅安となった。インターコンチネンタル・ホテルズ・グループとレジャー・外食のウィットブレッドは、アナリストがそれぞれ売り推奨したことが響いて売られた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12410.25(+51.18)
ドイツ株式指数(DAX)は7日続伸した。終値は前日と比べて51.18ポイント高の12410.25だった。米中貿易摩擦への懸念が後退し、買いが先行した。午後に欧州中央銀行(ECB)理事会が3年半ぶりの金融緩和を決めたことを受け一段高となった。その後は欧州景気の弱さも意識され、上値は抑えられた。
 
個別では、医薬・化学大手の独メルクと工業用ガスのリンデは上昇。一方で、医薬・農薬大手のバイエルとハイデルベルクセメントは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5642.86(+24.80)
フランスの株価指数CAC40は前日に比べて0.44%上昇し、終値ベースで2007年12月以来、11年9カ月ぶりの高値を付けた。

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