NYダウ445ドル安、米国経済指標で収益悪化を懸念

15日のNYダウ工業株30種平均は反落した。前日比445ドル41セント安の2万3504ドル35セントで終えた。下げ幅は700ドルを超える場面もあった。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた過去最悪レベルの経済指標の発表が相次ぎ、投資家心理が悪化した。大幅な減益決算の発表が相次いだ大手銀行株の下落も、相場の重荷だった。
 
米商務省が15日発表した3月の小売売上高(季節調整済み)は前月比8.7%減と、同省が集計を始めた1992年以来で最大の落ち込みとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した3月の鉱工業生産指数(2012年=100)も季節調整後で前月比5.4%低下し、落ち込み幅は1946年1月以来、約74年ぶりの大きさとなった。
ニューヨーク連銀が発表した4月の製造業景況感指数はマイナス78.2と過去最悪だった。いずれも市場予想より悪く、想定以上の景気悪化が株売りを誘った。
 
バンク・オブ・アメリカやシティグループなど大手銀行が15日朝に発表した2020年年1~3月期決算は大幅減益となり、1株利益が市場予想を下回った。貸倒引当金の計上が利益を圧迫した。バンカメが一時7%超安となるなど、銀行株は総じて下落した。
 
景気敏感株とされる化学のダウや建機のキャタピラーが売られた。原油先物相場の下落を受け、石油のエクソンモービルとシェブロンの下げも目立った。海外旅行の減少でカード利用が減るとの見方から、クレジットカードのビザとアメリカン・エキスプレスも大幅安となった。
 
一方、15日朝に発表した1~3月期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回った医療保険のユナイテッドヘルス・グループが4%高となり、ダウ平均を支えた。
 
14日にはダウ平均は1カ月ぶりの高値で終えていた。S&P500種株価指数は2月に付けた過去最高値から3月の安値までの下落幅の50%を取り戻す「半値戻し」を達成した。上値のメドとみた投資家が利益確定売りを出した面もあった。
 
ダウ平均は下げ幅を300ドル程度に縮小する場面があった。ドイツで来週20日から新型コロナの感染拡大を防ぐために導入した行動規制が一部緩和されることになり、米国でも経済活動の早期再開の思惑が高まった。
 
セクター別では銀行が大きく下落した一方で、唯一ヘルスケア機器・サービスが上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は前日比122.56ポイント安の8393.17と5営業日ぶりに反落した。テキサス・インスツルメンツなど半導体株の一角が売られた。一方、ネット通販のアマゾン・ドット・コムと動画配信のネットフリックスは続伸し、ともに上場来高値を更新した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
23,504.35-445.41
S&P500種
2,783.36-62.70
ナスダック
8,393.176-122.565
NY金(ドル/トロイオンス)
1,740.20-28.7015日 終値
NY原油(ドル/バレル)
20.15+0.0415日 16:59
円・ドル
107.35 – 107.36±0.00

 


【シカゴ日本株先物概況】

15日のシカゴ日経平均先物は反落した。
6月物は前日比215円安の1万9305円で引け、15日の大取終値を275円下回った。
米景気指標の記録的な悪化が相次ぎ、投資家心理が悪化した。
原油安に加え、新型コロナウイルスによる経済封鎖の影響で、3月小売売上高や4月NY連銀製造業景況指数が記録的な落ち込みとなった。景気懸念から米株は下落し、日経平均先物も売られた。
 
この日の6月物安値は1万9175円、高値は1万9635円。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
19305 ( -275 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
19405 ( -175 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5597.65(-193.66)
15日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日の終値に比べ193.66ポイント安の5597.65で引けた。この日のFT指数はジリ安。午後に入って厳しい内容の米経済指標が発表されると、下落が一段と加速した。
米国で15日、低調な経済指標の発表が相次ぎ、世界景気の先行き懸念が一段と強まった。原油安を背景に時価総額の大きな石油株が売られたのも、指数を下押しした。
 
個別銘柄では、英投資会社メルローズ・インダストリーズが12.3%の大幅安。英格安航空大手イージージェットは9.9%安、英金融大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は9.3%安。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは7%超、BPは6%超それぞれ下落した。景気敏感株の代表格とされる銀行株への売りも目立った。
 
一方、英オンライン食品販売オカド・グループは3.9%高、アイルランドの賭け屋フラッター・エンタテイメントは2.1%高と買われた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10279.76(-416.80)
15日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて416.80ポイント安い10279.76だった。ドイツ株は売り優勢の展開。きのうまで続伸しており、確定売りが出ているようだ。低調な米経済指標の発表が相次いだことで、世界景気の先行き不安が強まった。建設や自動車セクターの売りが目立った。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4352.72(-170.19)
 
 

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