30日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比434ドル90セント高の2万5014ドル86セントと昨年12月4日以来の高値で終えた。
注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、大方の予想通り政策金利は据え置かれた。これまで年内2回を想定していた追加利上げ見通しを、「様子見する」と実質的に一時停止する方針へと転換したことが好感された。
量的緩和で膨らんだ米国債などの資産縮小も近く終了する可能性を示唆した。FOMCの発表を受けて一段高となり、引けにかけても堅調推移となった。
パウエルFRB議長が会合後の記者会見で保有資産の縮小についても減速を示唆したと受け止められた。金融引き締めが当面進まないとの見方から株式に買い安心感が広がった。ダウ平均の上げ幅は一時529ドルに達した。
主要企業の好決算も買いを促した。ボーイングが30日朝に発表した10~12月期決算は増収増益となり、19年12月期の見通しとともに市場予想を大きく上回った。アップルが前日夕に発表した10~12月期決算は減収減益となったが「懸念していたほど悪くない」とみなされた。ともに6%台の大幅上昇となり、2銘柄でダウ平均を230ドル強押し上げた。30日の取引終了後に決算発表を控えるマイクロソフトも、業績期待の買いで上げた。
米主要企業の決算発表に加え、この日始まった米中両国の閣僚級貿易協議や週末の米雇用統計発表など引き続き大きなイベントを控えているが、市場では「ダウが2万5000ドル台を回復したことによる安心感は大きい」との声が聞かれた。
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や小売が上昇する一方で、電気通信サービスや食品・生活必需品小売が軟調。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比154.789ポイント高の7183.079と昨年12月6日以来の高値で終了した。アップルに加え、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムなど主力ハイテク株が軒並み上昇した。29日夕に発表した19年12月期見通しが良好との見方から、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が急伸した。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,014.86+434.90
S&P500種
2,681.05+41.05
ナスダック
7,183.079+154.789
NY金(ドル/トロイオンス)
1,315.50+0.30
NY原油(ドル/バレル)
54.22+0.91
円・ドル
109.00 – 109.01-0.31
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は上昇した。
3月物は前日比170円高の2万0790円で引け、30日の大取終値を180円上回った。
30日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受け、当局は金融引き締めに慎重との見方が広がり、米株とともに買われた。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は30日のFOMC後の記者会見で、利上げの可能性は薄れたとの見解を示した。
この日の3月物高値は2万0835円、安値は2万0500円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
20790 ( +180 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
20805 ( +195 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6941.63(+107.70)
FTSE100種総合株価指数は。前日29日の終値に比べ107.70ポイント高の6941.63で引けた。1日の上げ幅としては18日以来の大幅上昇となった。構成銘柄の約9割が上昇した。
中国政府の景気刺激策が好感されたほか、米株高や米中貿易摩擦の緩和期待も相場を後押しした。時価総額の大きいたばこ株や医薬品株が大幅に上昇した。
個別銘柄では、たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコが4.9%高、同インペリアル・ブランズも3.2%高と、たばこ株が連日の大幅高。資源大手グレンコア2.8%高、BHPグループ2.6%、鉱業大手アングロ・アメリカン2.6%高など資源株も軒並み堅調。酒類のディアジオや食品・日用品のユニリーバも上げた。原油と銅価格が大幅高となり、石油株と鉱業株が高くなった。ファッションのバーバリー・グループは、同業の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの株価が大幅上昇したことを好感し上げた。
半面、資産運用会社ハーグリーブズ・ランズダウンは2.6%安で、前日に続いて下落率トップだった。アナリストが目標株価を引き下げたことが売り材料視された。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11181.66(-37.17)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日29日と比べて37.17ポイント安の11181.66だった。
オンライン決済サービスのワイヤーカードが13%超安と急落した。英ファイナンシャルタイムズ紙が不正会計の疑いを報じたことがきっかけになった。同社は報道内容を否定している。自動車株が軟調だった。
一方で素材メーカーのコベストロの上げが目立った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4974.76(+46.58)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて約1%高で引けた。2018年の純利益が増益となったLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが7%近く上昇し、株価指数をけん引した。
