30日のNYダウ工業株30種平均は前日比431ドル72セント高の2万4874ドル64セントと3営業日ぶりに反発した。
トランプ大統領は29日夜のFOXニュースとのインタビューで「(中国との交渉では)素晴らしい合意に至ると思う」と指摘。話し合いによる決着の可能性を示したことで投資家の過度な警戒は和らぎ、30日の相場は半導体関連株を中心に押し目買いが入り、ダウを押し上げた。
米中摩擦を巡る警戒感がやや後退し、中国事業の比率が高い銘柄を中心に値ごろ感に着目した買いが優勢となった。
航空機のボーイングや建機のキャタピラーなど、中国事業の比率が高い銘柄が買われた。
好決算を発表した銘柄の上昇も相場を押し上げた。四半期決算が大幅増益だった飲料のコカ・コーラが上げ、市場予想を上回る増収増益決算を発表したスポーツ用品のアンダーアーマーやネット配信インフラのアカマイ・テクノロジーズが急伸した。主な株価指数は引けにかけて上げ幅を広げた。
30日夕にフェイスブック、11月1日にアップルが発表する決算を見極めたいとのムードも強く、相場は伸び悩む場面もあった。決算で売上高が伸び悩んだ製薬のファイザーが下げ、大幅な赤字決算と減配を発表したゼネラル・エレクトリック(GE)は急落した。
セクター別では全面高となり、半導体・半導体製造装置や耐久消費財・アパレルの上昇が目立った。
ナスダック総合株価指数は同111.358ポイント高の7161.650で終えた。アナリストが投資判断を引き上げた半導体のエヌビディアなどが買われ、指数を押し上げた。
個別では、半導体のエヌビディア(NVDA)は、JPモルガンによる投資判断引き上げを受け上昇。マイクロン・テクノロジー(MU)、アプライド・マテリアルズ(AMAT)など半導体関連株も連れ高した。携帯端末のアップル(AAPL)は、新型の「MacBook Air」、「Mac mini」、「iPad Pro」の3製品を発表し買われた。
一方で、複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)は、一株当たり1セントへの大幅減配を発表したほか、電力設備部門の損失計上を巡ってSEC(米証券取引委員会)による調査拡大が明らかとなり、2009年以来の株価水準まで下落した。ITサービスのIBM(IBM)は、40億ドルの自社株買い計画や四半期配当継続を発表したものの、昨日発表したレッドハット(RHT)買収による財務負担を懸念した売りが広がった。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,874.64+431.72
S&P500種
2,682.63+41.38
ナスダック
7,161.650+111.358
米10年債利回り(%)
3.1264 +0.039
米2年債利回り(%)
2.8547 +0.037
NY金(ドル/トロイオンス)
1,225.30-2.30
NY原油(ドル/バレル)
66.50+0.32
円・ドル
113.08 – 113.09+0.28
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は3営業日ぶりに反発した。
12月物は前日比595円高の2万1625円で引けた。トランプ米大統領が米中貿易交渉について前向きな発言をしたと伝わり、米株とともに買われた。円安進行も支援材料だったほか、前日まで下げ進んだ反動から値ごろ感の買いも入った。
12月物高値は2万1640円、安値は2万0965円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21625 ( +145 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21655 ( +175 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7035.85(+9.53)
FTSE100種総合株価指数は英通貨ポンド安を背景に小幅続伸し前日29日の終値に比べ9.53ポイント高の7035.85で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
午後に下げに転じる場面もあったが、米国株の上昇を背景に再び買い戻された。石油株と医薬品株の値上がりが株価指数を押し上げた。
個別銘柄では、石油のBPは、原油高などを受けて第3四半期の利益が市場予想を上回り、5年ぶりの高水準に達したことが買い材料となった。ネット専業スーパーのオカド・グループは約5%上がった。5月に発表した米食品スーパー大手のクローガーとの提携に関連し、サービスと運営の条件について合意した。
29日に発表された2019年度の英予算案で、住宅購入を後押しする政策が発表されたことで、テイラー・ウィンピーは3.5%高など住宅建設株も軒並み大幅上昇した。
半面、日用品のレキットベンキーザーは4%超下がった。欧州の一部工場で製造が一時的に停止したことが響いて第3四半期の売上高の伸びが市場予想を下回った。鉱業関連株も安くなった。金関連のフレスニージョは3.1%安、ランドゴールド・リソーシズは2.5%安ともに大幅安だった。時価総額の大きいたばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコは2.8%安と下げも目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11287.39(-48.09)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日29日と比べて48.09ポイント安の11287.39だった。欧州各国の株式相場の下落に連動した。
個別では、航空のルフトハンザは8%下落した。第3四半期の利益が市場予想を下回ったことが嫌気された。通年の業績見通しを据え置いた日用品のバイヤースドルフの下げも目立った。一方、第3四半期の利益が市場予想を上回った自動車のフォルクスワーゲンは3%超上がった。アナリストが株価目標を引き上げた医薬・化学大手の独メルクも上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4978.53(-10.82)
