30日のNYダウ工業株30種平均は小幅に3日ぶりに小幅に反発した。前日比43ドル47セント高の2万5169ドル88セントで終えた。
ダウは前日までの2日間で460ドル近く下げていたために買い戻しが入り、プラス圏でスタート。朝方発表された1~3月期の米実質GDP(国内総生産)改定値が前期比3.1%増と、トランプ政権が掲げる成長率目標の3%超を維持したことも、株価を下支えした。
飲料のコカ・コーラ、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、外食のマクドナルドなど「ディフェンシブ」とされる銘柄が上げ、ダウ平均を押し上げた。前日に4%安の下げが目立ったジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も反発した。
ただ、米中貿易摩擦の長期化への懸念が根強い中、上値は重かった。中国政府高官はこの日、通商問題をめぐる米国の対応を「経済テロ」と吐き捨て、批判を一段と強めた。対するトランプ大統領は「中国が非常に合意したがっている」と発言。ペンス副大統領も、6月下旬の20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて両首脳が会談するとの見通しを改めて示し、懸念払拭を図ったものの、米中間の齟齬(そご)が目立った。
米長期金利の指標である10年物国債利回りは1年8カ月ぶりの低水準まで下げる場面があり、長期金利が短期金利を下回る「逆イールド」が進んだ。景気後退の予兆とされるだけに市場心理を冷やした。
貸し出しの利ざやが縮小するとの見方から、JPモルガン・チェースななど銀行株が総じて売られた。ニューヨーク原油先物が2カ月半ぶりの安値を付け、石油株が下落したのも相場の重荷だった。
セクター別では、家庭用品・パーソナル用品や消費者・サービスが上昇する一方でエネルギーや電気通信サービスが下落した。
ナスダック総合株価指数は前日比20.406ポイント高の7567.716で終えた。インテルやクアルコムなど半導体銘柄の一角が上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,169.88+43.47
S&P500種2,788.86+5.84
ナスダック7,567.716+20.406
NY金(ドル/トロイオンス)
1,292.40+6.10
NY原油(ドル/バレル)
56.54-0.05
円・ドル
109.59 – 109.60-0.15
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は3日ぶりに小幅反発した。
6月物は前日比70円高の2万0945円で引け、30日の大取終値を15円上回った。
前日まで大幅に下げた米株が反発し、日経平均先物も買われた。
ただ、米中貿易摩擦の激化による世界景気の低迷懸念は根強く、上値は重かった。
この日の6月物高値は2万0990円、安値は2万805円
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
20945 ( +15 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
20955 ( +25 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7218.16(+32.86)
FTSE100種総合株価指数は英通貨ポンド相場の下落を好感し、3営業日ぶりに反発した。前日の終値に比べ32.86ポイント高の7218.16で引けた。構成銘柄の約8割が上昇した。保険株の値上がりが株価指数を押し上げた。
個別銘柄では、保険のRSAインシュアランス・グループの値上がりが目立った。オンライン不動産のライトムーブと資産運用のスタンダード・ライフ・アバディーンの上げも大きくなった。午前に上昇が目立った石油株は、原油相場が午後に下落圧力を強めたことから、ロイヤル・ダッチ・シェルは上げ幅を縮め、BPは下落に転じた。
医療・安全装置メーカーのハルマは各2.9%高。英オンライン食品販売オカド・グループは2.7%高と買われた。
一方、配当権利落ちで電力・ガス供給のナショナル・グリッドと小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)はそれぞれ大幅安となった。鉱業・化学のジョンソン・マッセイは、通期利益が大幅に増加したものの、市場予想を下回ったことが嫌気され4%超下がった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11902.08(+64.27)
ドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反発した。終値は前日と比べて64.27ポイント高の11902.08だった。終値ベースで前日にほぼ2カ月ぶりの安値水準をつけた後、この日は買い戻された。
個別銘柄では、オンライン決済サービスのワイヤーカードとミュンヘン再保険の値上がりが目立った。一方で、医療機器のフレゼニウスと電力のエーオンは売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5248.91(+26.79)
