NYダウ43ドル安と5日ぶり反落、利下げ期待後退

5日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落した。前営業日比43ドル88セント安の2万6922ドル12セントで終えた。
 
米労働省が朝方発表した6月の雇用統計は、景気動向を示す非農業部門就業者数が前月比22万4000人増と、前月(7万2000人増)から急回復。市場予想(16万人増)を大幅に上回る良好な結果に、市場では米利下げに対する過度な期待が後退し、ダウは取引前半に232ドル安まで下落した。ダウは3日に史上最高値を更新したばかりだけに、利益確定売りも出た。
 
売り一巡後は下げ渋った。雇用統計では平均時給の伸び率が前年同月比3.1%増と市場予想(3.2%)からやや縮小した。インフレ期待は盛り上がらず、米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げに動くとの期待はつないだとの見方が出た。
 
このため、7月末の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げを確実視する市場の見方は崩れておらず、ダウの下値を抑えた。「さすがに0.50%の大幅な利下げの可能性はなくなったが、根強い利下げ期待が相場の支えとなっている」と指摘されていた。
 
5日の債券市場では米長期金利が上昇した。利ざや悪化懸念が薄れ、金融株が買われたことも株式相場を支えた。
 
セクター別では、銀行や電気通信サービスが上昇する一方で医薬品・バイオテクノロジーや家庭用品・パーソナル用品が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は7営業日ぶりに反落し、3日に比べ8.440ポイント安の8161.791で終えた。韓国サムスン電子が5日に発表した2019年4~6月期決算で半導体部門が不振で、半導体関連株に売りが出た。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,922.12-43.88
S&P500種
2,990.41-5.41
ナスダック
8,161.791-8.440             
NY金(ドル/トロイオンス)
1,400.10-20.80
NY原油(ドル/バレル)
57.73+0.39
円・ドル
108.47 – 108.48+0.67

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅下落した。9月物は3日に比べ50円安の2万1645円で引け、5日の大取終値を55円下回った。米早期利下げ期待が薄れ、日経平均先物は米株とともに売られた。6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が22万4000人増え市場予想を上回った。9月物は一時2万1560円まで下げたが、その後は下げ渋った。
この日の9月物高値は2万1715円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21645 ( -55 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21665 ( -35 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は続落した。前日の終値に比べ50.44ポイント安の7553.14で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
 
午後に発表された米雇用統計の堅調な結果を受け、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ幅が0.25%にとどまるとの見方が強まった。金融緩和による景気刺激を見込んでいた分がはげ落ちる形で、株価は下落した。
 
個別銘柄では、資源大手リオ・ティントは3.8%安、同BHPビリトン2.8%安、産銅大手アントファガスタは2.9%安、鉱業大手アングロ・アメリカンは2.5%安など景気に敏感な資源株の一角が売られた。石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルはA株、B株とも小幅安だった。
 
半面、外食デリバリーサービスのジャスト・イートとスーパーマーケットのセインズベリーは買われた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は8営業日ぶりに反落した。終値は前日と比べて61.37ポイント安の12568.53だった。
 
午後に発表された6月の米雇用統計で雇用者数の増加幅が市場予想を上回ったことから、利下げ期待が後退した。これを受けて、欧州各国株式相場はそろって下げ幅を広げた。
個別では、アナリストが株価目標を引き下げたハイデルベルクセメントの値下がりが目立った。重電のシーメンスと鉄鋼のティッセン・クルップも売られた。
一方で、投資銀行部門のトップが退社すると発表したドイツ銀行は大幅高となった。
 

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,593.72 -27.01

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